武侠ドラマなんだと思う。
ほんとにおもしろかった。
こういうドラマをもっと見たいです。
鏢門(ひょうもん) というのは荷運びを稼業とする一門で、
匪賊から荷を守るため、鏢師(ひょうし)は武芸に秀でていなければならない。
鏢師の劉安順(リウアンシュン)は
いっけん優男だけど、頑固一徹で、おきて破りを決して許さない。
その一本気がわざわいして、一門を追われ、上京して苦労する。
北京は辛亥革命の頃で、落ち着かない。
最初は北京の鏢門に受け入れられず、認めさせるも、
土匪の相手をして、護送路を開拓するよう言われる。
やってきた土匪の娘に惚れられ、さらに運命が狂う。
護送路を開拓でき、故郷の山西に戻れることになるが、
土匪の娘との仲をいいなずけに誤解され、また北京に戻る。
いいなずけだった師匠の娘・戎戎(ロンロン)は、
彼女を愛する希平(シーピン)と結婚する。
希平が鏢門の後を継ぐ。
それぞれの場所でうまくやっていけそうに見えたが、
世の中が変わり、荷運び稼業が難しくなり、時代に翻弄されていく。
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ウォレス・フォがほんとよかった。
彼のドラマを見たことがなくて、
顔で売ってる人かと誤解してました。ごめんなさい。
なにげない表情とか、視線とか、うまいんですよね。
匪賊の娘・瑶婷(ヤオティン)も、まあかわいい。
戎戎といういいなずけがいると知りながら、劉安順が気になる。
はじめはちょとむかつく。だんだん二人を応援したくなってくる。
わきがすごくいい。いろんな身の上の人が出てくる。
みんなうまいし、存在感がある。
王族の末裔、詐欺師、ごろつき、警察、革命家、清朝の皇族、土匪。
それぞれ筋が通っていて、自分の筋を通そうとする。
一番不思議な人が、父親に託されたからと言って、
死んでも山猫を守ろうとする張端和。
劉安順のすごいところは、誰のことも馬鹿にしないところ。
ちゃんと向き合う。それで仲間ができて、信頼されていく。
王族の末裔のエルへなんて、
もう頭がおかしいとしか言いようがない。
時代が変わっていくのに、清朝のために戦うとか言ってる。
それで袁世凱を襲いに行って、つかまっても、
劉安順は助けに行く。
激動の時代で、シリアスすぎるぐらいなんですけど、
けっこうおかしみがあって、それで全体的に暗い感じはしない。
劉安順の師匠がまたかっこいい。
武芸のすごみといったら。
師匠の武闘シーンをもっと見たかった。
師匠の言葉が心に沁みました。
時代が変わっても、人の根本は変えてはいけないと。
ただ、安順は人として理想的すぎる。
希平の弱さが人として普通じゃないかと思える。
師匠と戎戎(ロンロン)にとって、
自分が永遠に一番になれない苦しみはよく理解できる。
劉安順と瑶婷には幸せになってほしかったけど、
話としては、おさまりが悪かったかも。
最期をぜひ、見届けてください。