月に咲く花の如く(2017年 原題:那年花開月正圓) 全74話

 

 

時代は清朝末期、光緒帝の御代、舞台は陝西省涇陽(けいよう)

 

物語は、二つの出来事から始まる。

一つは、周瑩(しゅうえい)が二人の商家の青年、呉聘(ごへい)と沈星移(しんせいい)と出会う。

もう一つは、皇商・隆昇和の主人・杜明礼が呉家東院の呉聘を訪れ、商談を持ちかける。

 

この人は一体何をしたいんですかね?

 

杜明礼は表向きは商人だけど、皇族である載漪貝勒(さいいべいれ)の工作員のような人。

呉家東院は載漪貝勒の政敵と思われる左大人という高官の口利きで、朝廷の仕事を請け負い、

利益の一部を左大人に渡していると考えられる。

 

杜明礼は載漪貝勒の命で、左大人の権勢をそぐため、その資金源を断ち、あわよくば、呉家東院を味方につけ、利益を得たい考えがある。

杜明礼から話を持ち掛けられたとき、呉家東院としては、うまくやればよかったのだが、左大人への義理から、当主の呉蔚文はこれに取り合わなかった。

このことが悲劇を招き、沈家と胡家も巻き添えを食い、確執が生じる。

 

周瑩は周老四の博打の借金のかたに沈家の侍女となり、沈星移に仕える。

出会ってすぐに周瑩から胸に蹴りを食らい、沈星移はとても腹を立てるが、

一緒に過ごすうちにすっかり周瑩を気に入り、側女にしたいと言い出したため、

周瑩は沈家を訪問していた呉聘のかごに隠れ、逃げ出す。

そのまま呉家東院の侍女となる。

 

呉家東院と沈家が共同で納めた軍需品が偽造品であるとの上奏があり、

欽差大臣の調査が入るとの知らせがある。

上奏は杜明礼によるもので、両家とも当然身に覚えがない。

 

沈家の長男・沈月生は偽造の証拠をつかみに、呉家東院の仁寿堂に忍びこんだところ、

呉家東院を陥れるため、偽の薬材をしこみにきた、杜明礼の配下・查坤に殺される。

 

兄・沈月生が呉聘に殺されたと思った沈星移は呉聘を襲い、逮捕され、呉聘は意識不明となる。

呉家東院にいた周瑩はかなりありえない成り行きで、呉聘に嫁ぐことになり、呉聘は意識を取り戻す。

周瑩が呉聘と結婚したと知り、沈星移は呉聘にさらに恨みを募らせる。

 

周瑩と呉聘は次第に仲睦まじくなり、両親にも認められ、身も心も結ばれる。

ところが、呉聘が急死する。
 

とにかく周瑩の言うことなすことが痛快で、元気をもらえる。

周瑩が挫折と成功を繰り返し、呉家を大きくしていくけれど、その挫折と成功の振り幅がどどんどん大きくなって、最後は国家権力レベルのはなしまで発展。光緒帝と西大皇も登場する。

 

呉聘の死後、沈星移は周瑩に求婚するが、「死んでもあんたを頼りにはしない」みたいなことまで言われ、完全に拒絶される。

それまで両家の御曹司で手に入らないものなんてなかったのに、周瑩に拒絶され、世界が崩壊する。ただ、沈星移のすごいところは、周瑩に認められたくて、自分を変えようとして、大人の男になっていくところ。周瑩もやがて沈星移を愛するようになるが、結局、二人は家の存在を超えて、幸せにはなれない。

 

もう一人、陰ながら周瑩を愛しているのが、役人の趙白石。周瑩の勇気や高潔さに惹かれるが、奥手すぎて愛を打ち明けられない。呉蔚武の娘・呉漪の作戦にはまり、結婚する。

呉漪の死後、周瑩にようやく求婚する。

初めのころを考えると、周瑩と趙白石のカップルは考えられませんね。

最後まで見届けてやってほしいです。

 

わたしはお父さんの周老四がいちばん好きですけどね!

メインキャスト
周瑩(しゅうえい)―孫儷(スン・リー)
周老四(しゅうろうし)―劉佩琦(リウ・ペイチー)
呉聘(ごへい)―何潤東(ピーター・ホー)
沈星移(しんせいい)―陳暁(チェン・シャオ)
杜明礼(とめいれい)―俞灝明(ユー・ハオミン)
胡咏梅(こえいばい)―胡杏儿(ミョーリー・ウー)
趙白石(ちょうはくせき)―任重(レン・ジョン)

登場人物
周瑩―養父と旅をして暮らしていたが、呉家東院の呉聘の妻となり人生が一変
周老四―周瑩の養父、賭博好きで、ほぼ詐欺師、汚れ役として大活躍

呉家東院
呉蔚文―呉家東家の当主、呉家を
鄭氏―呉蔚文の妻
呉聘―呉蔚文の息子、周瑩と結婚する、とてもいい人
王世均―呉家東院の優秀な学徒、その後周瑩に仕える
春杏―周瑩の侍女、周瑩を慕っている
宝来―使用人、柳婉兒の従弟で回し者
福来―使用人

呉家西院
呉蔚武―呉家の次男
陳氏―呉蔚武の妻
呉沢―長男、科挙試験を目指す書生
呉漪―長女、周瑩とは仲がいい

呉家南院
呉蔚双―呉家の三男
柳婉兒―呉蔚双の妻、柳婉児の従兄と質店の金を横領
呉遇―長男
孫永泉―三原質店の番頭、柳婉児の従兄

呉家中院
呉蔚全―呉家の四男、占い好きで信心深い
朱氏―呉蔚全の妻

沈家
沈四海―沈家の当主、呉家党員をライバル視
沈夫人―沈四海の妻
沈老夫人―沈四海の母
沈月生―長男、呉家東院の仁寿堂で殺害される
沈星移―次男、遊び人だったが、周瑩に出会い自分を変えていく
玲瓏―沈星移の侍女
天石―沈家の使用人
天玉―沈家の使用人

胡家
胡志存―呉蔚文と旧知の仲だが、呉聘と娘の結婚破談により亀裂が入る
胡詠梅―胡志存の娘、呉聘の許嫁、周瑩に恨みを募らせる

朝廷側の人々
杜明礼―皇商・隆昇和の主人、載漪貝勒の配下
查坤―杜明礼の護衛
愛新覚羅載漪貝勒(あいしんかくらさいい・べいれ)
  ―杜明礼のボス、惇親王の次男、光緒帝の従弟にあたる、貝勒とは皇族の爵位

趙白石―県令
張長清―趙白石の師

 

その他

図爾丹―新疆迪化(ウルムチ)の商人

徐仁傑―迪化にある西院・盛隆全の番頭

韓三春―盗賊集団・三寿帮の首領だったか、

千紅―春風十里の芸妓だったが、韓三春の妻となる

牛寿娃―韓三春の手下

二虎―周瑩が助けた少年