小規模宅地の特例

◆被相続人の宅地等に別棟を有する相続人が被相続人の居住用宅地等を相続した

場合

週刊税務通信№3188(H23.11.14)では同一生計親族でないかぎり特定居住用宅地等に該当しないため

評価減の適用はできないとしている。

原則、同じ敷地内に別棟の戸建て住宅を建てるなどして親子が別々に生活している場合、同居している

とは認められず、小規模宅地の特例を適用することはできない。

この場合に小規模宅地の特例を適用するためには、以下の要件を満たす必要がある。

①いわゆる家なき子で保有継続(別棟ともに被相続人名義であることが必要。)

②同一生計親族として保有継続及び居住継続(この場合、その親族の居住用部分のみ対象となる。)

Ex.同じ敷地内に親名義居住用建物、子名義居住用建物があり、この敷地を子が相続した場合。

・・・生計一であれば子名義建物の敷地部分についてのみ小規模宅地の特例を適用することができる。

「生計を一」にしていたとは
 同一生計については相続税法上明記されていないため、所得税法の規定を準用すれば、

所基通2-47(生計を一にするの意義)

法に規定する「生計を一にする」とは、必ずしも同一の家屋に起居していることをいうものではない から、次のような場合には、それぞれ次による。

(一)勤務、修学、療養等の都合上他の親族と日常の起居を共にしていない親族がいる場合であっても、次に掲げる場合に該当するときは、これらの親族は生計を一にするものとする。


イ 当該他の親族と日常の起居を共にしていない親族が、勤務、修学等の余暇には当該他の親族のもとの起居を共にすることを常例としている場合

ロ これらの親族間において、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合

(二)親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに独立した生活を営んでいると認められる場合を除き、これらの親族は生計を一にするものとする。

「生計一」に該当するどうかの判定は
判定の要約
(1)自由に往来が可能。
(2)玄関、台所、風呂が共有
(3)水道光熱費、電話代等が共有
(4)住民票、国民健康保険税が同じ世帯主
(5)子の扶養親族となっている。
(徳島地裁 判決日 平9.2.28 判決番号 平6第7  ほか)