地方公演の昼の部、義経千本桜三段目  。

ロビーでは、出演者とお人形(六代君)が、写真撮影のサービスも♪

 

 

 

◆あらすじ解説・ 豊竹芳穂太夫

 

◆義経千本桜

椎の木の段

口      竹本南都太夫、鶴澤燕二郎

奥      豊竹咲太夫、鶴澤燕三

 

       <休憩>

 

すしやの段

前      竹本津駒太夫、竹澤宗助

後      竹本織太夫、 鶴澤清志郎

 

(人形役割)

権太倅善太・吉田簑悠

権太女房小仙・桐竹紋吉

主馬小金吾・桐竹紋秀

六代君・吉田玉彦

若葉の内侍・桐竹紋臣

いがみの権太・吉田玉男

娘お里・吉田簑二郎

弥左衛門女房・桐竹勘壽

弥助実は平維盛・吉田和生

すしや弥左衛門・吉田玉志

梶原平三景時・吉田清五郎

その他大勢

 

 

 

義経千本桜、三段目。

椎の木とすしや。小金吾討死は、無し。

 

あらすじ解説は、芳穂太夫。

手馴れたもので、立て板に水。

 

だけど、そこまでネタバレしてしまって、いいの〜?

と、心配になる。

まっさらの状態で観てみたいという人もいるかもしれない。

 

客席の上手側に、床を作ってある。

あ、これは見たことがある!と思ったのは、

玉男襲名の名古屋公演に行った時に、やはり今回同様の床を作ってあった。

 

四隅に黒くて細い柱を立てて、

黄色いカーテンのようなものが、太夫三味線の出入りの度に開け閉めされる。

なかなか良くできている。

 

「椎の木」の口は、南都太夫、燕二郎くんという、あまり本公演ではお目にかかれない組み合わせ。

奥を、咲太夫、燕三という贅沢なお二人。

 

この後の「小金吾討死」を外していきなり「すしや」に行った理由がよくわからない。

時間の関係?とも思ったが、「小金吾討死」はそれほど時間を要するとも思えない。

 

これがないということで、「椎の木」でピンピンしていた主馬小金吾が、

何故か次に登場する時には、権太が提げた生首で、というぶっ飛んだ状況になる。

この生首が、主馬小金吾だ、と気づいた観客は少なかったのでは??

どうせなら、ちゃんと通して欲しかった。

 

私は、文楽ではこの「すしや」を観たのは初めて。

歌舞伎では人気狂言でよく掛かるし、昨年末の南座顔見世でも、

仁左衛門の素晴らしい権太で観ることができた。

 

歌舞伎ではどうしても権太役者が中心となる見せ方になり、

芝居としての出来上がりを問われれば、

群像劇としてよくできているのは文楽のほうだなぁ、と思う。

 

権太一家の悲劇のみに焦点が当たるのではなく、

この場にいる人々全ての生きてきた過去があって、今この瞬間がある。

という、思いがする。

 

「すしや」の段切、舞台の登場人物は七名。

ということは、人形一体につき三名が要るので、

中は大変なラッシュ、21名がひしめいていることになる。

 

床の太夫三味線の熱演もあって、

終幕のエネルギーが舞台からビンビンと伝わってくる。

この感動は、文楽独自のものだなぁ、と改めて感じる。

 

いつもの本公演では気合いを入れていい席を取るが、

今回は出遅れてはるか後方席からの観劇だったが、

文楽は必ずしも前がいいとは限らない、

たまには全体を見渡せる席というのもいいものだなぁ、と実感した。

 

次の国立劇場、本公演は五月。昼夜で「妹背山婦女庭訓」の通しだ。