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加藤虎ノ介・崎田秀一

竹内都子・安澤喜代美

佐藤銀平・忍野望

税所ひかり・美並愛

緒方賢一・田所伸洋

尾身美詞・若林麻紀

辰巳智秋・窓岡弘樹

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車椅子に乗った麻紀が、「かわいいね〜〜」「けっこん、けっこん!」
と言いながら、介護士の崎田にしなだれかかる
衝撃的な始まり方から幕が開く。

ここは、深夜の介護福祉施設。
困惑しながらも、慣れた様子であしらう崎田。
この車椅子の子は、脳性麻痺のような感じで、言葉もすごく不自由。

崎田は夜勤の傍ら、本来は入所者達がやるはずの、「インゲン豆の芽を取り除く」という、
ノルマに追われた果てしない作業をしていたところだ。
車椅子の子を自室まで連れて行く崎田。

しばらくして、新人介護士(税所ひかり)がやってきて、同じ作業を始める。
時間は、朝5時!このままでは納期が、守れない、と崎田に呼び出された。

また、しばらくして、主任(竹内都子)がやってくる。新人さんが居るのに驚くが、とにかく作業。
そこへ崎田がやってきて、夜勤明けで帰ろうとするが、みんなからノルマ達成のため、残るように言われ、残る。

そこへ、崎田の幼馴染で、この施設のスポンサー企業経営の成金(辰巳智秋)がやってきて、さかんに新人介護士をナンパ!

主任までが、彼女を人身御供に差し出して、
納期を延ばしてもらおうと算段!

この男は、崎田が好きなのに、崎田からは嫌われてる模様。
彼の家の事情から過去まで、
なんでも知っていて、それをペラペラ喋って、喧嘩になる。

入所者の車椅子の忍野(佐藤銀平)もやってきて、作業に加わる。この男は、元トビ職で、転落事故によって車椅子生活になった。

この日は外出許可を取ってるので、外出させて欲しいと言い出し、
無理!と言われる中、何とか外出を勝ち取る。

そこへ、所長(緒方賢一)がやってきて、とにかく夜勤明けの崎田を帰らせる。

しばらくして、舞台が二重構造になる。

奥では相変わらず主任と新人が作業をしていて、手前は、新宿歌舞伎町という設定。

風俗店のケバケバしい看板が何枚も置かれている。(それだけで、歌舞伎町の風俗街を表現!)

そこへ、崎田が車椅子の忍野(佐藤)とやってくる。
男は、大きなクマの縫いぐるみを抱いている。

崎田は、忍野を残して一軒の風俗店へ入る。何事か交渉して?ダメだった模様。

忍野はあと何軒か回りたい、
というが、崎田はもう無理だから、帰ろう、と言う。ここで、観客は完全に騙される。

崎田は、いわゆる性介護をやっているんだと、みんなが思ったはず。
二人が言い争うところへ、崎田の幼馴染の成金がやってくる!

現場押さえたど!的な態度に、崎田もマズイ奴に出会った…という態度。二人は、施設に戻ることに。

しかし、時間オーバーで、その頃施設ではみんな大騒ぎしていた。
さらに崎田の性介護疑惑が、新人介護士から上がり、主任がそんなことはない、と宥めている。

そこへ忍野が戻ってきて、その時崎田の車が目撃されて、ますます疑惑を持たれる。

崎田が必死に弁明しているところに、
幼馴染がやってくる。(納期守れよ、の見回り)

この男が、歌舞伎町で会ったと喋ってしまい、疑惑はみんなの確信になっていく。新人介護士が崎田を激しく非難する。

そこへ、再び例の「かわいいね〜」「けっこん〜」の麻紀が車椅子で現れ、崎田にしなだれかかる。

崎田は、咄嗟に手を振り払う。それを見た新人介護士が責める。
まずかったかと思い直して、いつも通り、余裕であしらおうとする崎田。

ところが、この女性が崎田の手を取って、自分の下半身に当てがう!という行動を取った!!

みんなで引き剥がすが、
女性はなぜそうなるか理解できずに、パニックを起こしてしまい、主任が別室に連れ去る。

この後、忍野を歌舞伎町に連れていったのは、彼が事故に遭う前に付き合っていた、風俗店勤務の女性を探すためだったことが分かる。

所長がやってきて、忍野の人探しを手伝うと申し出る。詳しい話をするため、二人が去る。
ここで初めて、崎田が全てを語る。

性介護。確かにやっていた過去が、あった。

しかし、今はやめている。というのは、発覚して十年務めた前職をクビになったから。

崎田は介護士の職に生き甲斐を感じていて、
なんとか入所者の為になることをしてあげたいと望むようになり、
また、本人や親御さんからも、次第に頼られるようになって、
微妙な、性介護の相談を受けるようになったのだった。
そして、ついにお手伝いをしてあげてしまう。
次第にその行動はエスカレートしていき、
女性にも手伝いをした。(ここまで、崎田の告白)

「もう、何がいけなくて、何がいいのか、
分からなくなってきたんだ。」という言葉が重い。

ここで、全員(舞台上と客席)に、
重い命題「障がい者の性」が突きつけられる。

主任が戻ってきて、何があったのか、新人に聴くが、一言では説明できない、という。

崎田と、成金の幼馴染が言い争いになって、
バラまかれてしまったインゲン豆。清掃する主任と新人、清掃員。

時が経って、理事会と所長との懇談がもたれ、崎田の処分が出たらしい。

所長が崎田と話している。
崎田は今回クビにはならずに済んだ。
そして、もう一件。
例の人探しは、悲惨な結末を迎えていたことを知らされる。

女性は発達障害で、
性風俗店で働いていて、トビ職だった男と同棲できることになったが、
事故で男がいなくなり、その後自殺を遂げていたというのだ。

そして、このことを男に告げるのは君しかいない、と崎田に言う所長。。。
事実を告げる崎田…

縫いぐるみ(女性が部屋に残していたもの)を抱きしめて泣く男性。辛い思いをかみしめる崎田。

そこへまたあの子(車椅子の入所者)がやってきて、
「かわいそうだね~~~」と、ひと言。
ハッとする崎田。
「そうか、かわいそうか~~・・・」
ここで、幕。

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誰もが人間らしく生きたいし、そうする権利があるはずなのに…

重い命題。回答なんて出るはずもなく、
人はみな人並みの思いがある。というメッセージを噛み締めていた。

キャスト、演出、脚本。皆さんに拍手!