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すでに19回目だという、「お米とお豆腐」
お米は米朝一門の落語を意味していて、
お豆腐は、茂山家の狂言のこと。
そして間にある「と」が落語作家の小佐田定雄氏。
 
開演前のトークタイムで、
あきらさんの女房の着付けを見せて頂く。
 
 

 

 

できあがったところで、写真タイム。

 

解説をされる七五三さん

 

ゆる~く始まる本番のテーマは「主婦」・・・

 

◆落語 「船弁慶」   桂文之助

 

これは聴きものだった!

今まで落語の「船弁慶」は、たった一度だけ、吉坊師で聴いたことがあるが、

主人公の「雀のお松」(文之助師の前名「雀松」はここから米朝師が付けたという)が、

息もつかせず、しゃべりにしゃべる!!!

 

典型的な大阪のおばちゃんでんな・・・

という解説が入ったが、この迫力は凄い!!!

早口な事限りなく、長々しきことまた想像を絶する、というド迫力のオバんである。

 

ただ、会場に落語を聴き慣れた感じの方はごく少数派で、

早口の大阪弁の聴き取りはハードルが高かったのか、船を漕ぐ方も多かったようだ。

(「船弁慶」だけに。。。)

 

お囃子さんの豪華さも特筆もので、

お三味線、唄、太鼓に笛と、賑やかに入るので非常に華やか。

 

このお松、なかなかの女だ・・・

と、今回のテーマの「主婦」は、なみやたいていの主婦ではないわけで・・・

 

もちろん能楽の「船弁慶」のパロディだから、

最後には謡に乗って知盛の幽霊?が登場してくるわけだ。

 

それにしても、大阪の異様な暑さの夏を凌ぐお楽しみの豪華な事!

豪遊とも思える舟遊びを、本当に長屋住まいの庶民がやっていたのだろうか?

なんとも優雅だ。羨ましい・・・。

 

 

 

◆狂言「金藤左衛門」

金藤左衛門・茂山七五三

女・茂山あきら

 

 

わりと上演機会のある演目だが、私は初めてだった。

狂言にはよくあるパターンの、強面に凄む盗人が逆に被害者から

凄まれて、自分のものまでまき上げられるというもの。

 

今回は、一介の主婦がその被害者で、

道に迷い、山賊に襲われる。

初めは所持品を奪われるが、どうにも悔しくて戻ってくる。

隙を見て山賊の武器を取り上げ、盗られたものを取り返し、

さらにこの男の小袖までも奪い取る!たいした主婦だ・・・。

雀のお松よりもスケールが大きいモンスター主婦!!。

(山賊が易々と盗られてしまうというのも可笑しいが・・)

 

こういった単純なストーリーだと、演者次第では全くつまらなくなる。

その点、七五三、あきらのお二人はとぼけた味わいと、息の合った間で、飽きさせない。

 

 

 

休憩後は、落言(落語と狂言の合体)

◆主婦の友

うずしおタロー(洗濯機)・茂山七五三

tanbaテツロー(自動掃除機)・茂山あきら

落語・桂文之助

 

舞台上に、高座が置かれ、状況説明と「主婦」役を落語(文之助師)が担当。

 

狂言師のお二人はというと、

七五三師が洗濯機、あきら師は、自動掃除機(ル〇バならぬ、タンバ!)

解説で七五三さんが、

「19回やって、人間の役は何べんあったか・・」

とボヤいておられたが、今回も。。。

 

お二人が橋懸りから出てくるところから爆笑!

頭に、それぞれの本体を象った被り物を付けて登場!

 

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(そのままのお姿でロビーお見送りの両師。ちなみにチラリと映っている女性は七五三夫人)

 

ことに、掃除機のタンバの動きの秀逸だったこと!

改めて狂言という演劇の普遍性、現代にも通じる面白さを痛感。

 

主婦とその家の古びてきた家電(タンバは、そうそう古くはないだろ?と心の中で突っ込むが・・^^;)

をめぐるハートウォーミングストーリー。

 

大きな波乱もないストーリーだが、そこはベテラン演者たちによる素晴らしい舞台。

特に終盤、洗濯機と掃除機がビールの酒盛りを始めるところの楽しさ!

狂言の伝統的な場面を再現して秀逸だった。

 

軽やかな文之助師の落語で登場する主婦のステレオタイプな安定感も良かった。

 

今回は、今まで以上に楽しい「お米とお豆腐」だった。

 

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にこやかにお見送りされる文之助師