◆本朝廿四孝
桔梗原の段
口 豊竹芳穂太夫・竹澤團吾
奥 竹本三輪太夫(文字久太夫代演)・竹澤團七
(人形役割)
高坂妻唐織・吉田簑二郎
越名妻入江・吉田一輔
慈悲蔵実は直江山城之助・吉田玉男
一子峰松・吉田簑悠
高坂弾正・吉田玉輝
その他大勢
◆吉田幸助改め五代目吉田玉助襲名披露口上
吉田簑二郎(司会)
吉田玉男・吉田和生・吉田玉助・吉田簑助・桐竹勘十郎(前列並び順)
吉田玉佳・吉田玉輝・吉田玉也・吉田玉志・吉田玉勢(後列並び順)
景勝下駄の段
竹本織太夫・鶴澤寛治
(襲名披露狂言)
勘助住家の段
前
豊竹呂太夫・鶴澤清介
後
豊竹呂勢太夫・鶴澤清治
(人形役割)
女房お種・吉田和生
百姓正五郎・吉田玉路
百姓戸助・吉田和馬
慈悲蔵実は直江山城之助・吉田玉男
長尾景勝・吉田玉也
勘助の母(勘助住家前まで)・桐竹勘十郎
横蔵後に山本勘助・吉田玉助
高坂妻唐織・吉田簑二郎
一子峰松・吉田簑悠
勘助の母(勘助住家後より)・吉田簑助
その他大勢
◆義経千本桜
道行初音旅
静御前・豊竹咲太夫
狐忠信・竹本織太夫
ツレ
竹本津國太夫・竹本南都太夫・豊竹咲寿太夫・竹本小住太夫・豊竹亘太夫・竹本碩太夫・竹本文字栄太夫
鶴澤燕三・竹澤宗助・鶴澤清志郎・鶴澤清馗・鶴澤清丈・鶴澤友之助・鶴澤清公・鶴澤清允・鶴澤燕二郎
(人形役割)
静御前・豊松清十郎
狐忠信・桐竹勘十郎
ロビーにて、気軽に写真撮影に応じて下さった五代目玉助さん。
襲名披露公演のロビーは、華やか!
そんなロビーだったが、退場されていかれた二名の太夫の告知がされていた。
すべて成し遂げられた住太夫師と、まだこれからだった始太夫。
心の中で、合掌を捧げる。
今月はまた、文字久太夫が、病気休演という知らせも出ていて、
心配していたが、ご本人のブログで、御膝の怪我だと告知があって、
ご病気ではなくて、ややホッとした。
19名しかいない太夫だ。
お一人お一人の力を結集しなくては、とても回っていくことはできない。
どうぞ、皆さま、お身体をくれぐれもお大切に!!
さて、本朝廿四孝。
いつも観ている「十種香」や「奥庭」からは、
なぜこの外題なのかが全く分からないが、やっと判明!
落語でおなじみ(って、私だけ?^^;)
「廿四孝」の物語が下敷きになって、山本勘助誕生の由来が物語られる。
「桔梗原」
女同士の意地の張り合いのようなストーリーで、ちょっと毛色の変わった場面。
一輔さんは、初菊や小浪を遣うイメージだったのが、悪役を遣っていたのが印象的。
悪い女房の夫も、悪い。お人形だと、お顔が卵色(赤ッ面)で、すぐにそれと知れるのも面白い。
語る太夫は、前・芳穂太夫、後は文字久太夫の代演で三輪太夫。
三輪太夫といえば、失礼ながら数名で並んで語ることが多い印象だった。
今回の代演は、先月の文楽劇場に引き続きということになる。
二ヶ月目ということもあってか、たいへん丁寧にしみじみと語られていて、良かった。
どうぞまた、よいお役に恵まれますように!
芳穂太夫のほうは、今回も明晰な語りに好感が持てる。
引退された嶋太夫門下の若手が伸びてきているのは本当に嬉しい。
このあと、五代目玉助襲名披露口上があって、物語は一旦中断する。
舞台一杯に人形遣いの幹部たちが賑々しく居並び、壮観。
玉男、和生、勘十郎の各師が、時に笑わせながら、それぞれに心の籠ったエールを送る。
続いて、襲名公演としての「勘助住家」と、その前に「景勝下駄の段」がつく。
ここから、本格的に、山本勘助と廿四孝の話になっていく。
非道な兄と孝行者の弟。
兄を溺愛して、弟につらく当たる母親。
そして、その名の通り慈悲深いはずの弟は、
兄と母に義理を立てて、わが子を捨てる、という行動を取っている。
全てが謎。
物語が進んでいくうちにも、全くその謎は解ける事がなく、
かえって深まるばかり。
増える登場人物も、また、謎に包まれている。
そうした中、一度は拾ってもらえた、慈悲蔵の息子、峰松は、
家に戻されたが、軒先に再び捨てられ、
ついには父の手にかかって命を落としてしまう。
幼児虐待にもほどがある!
という悲惨さで、浄瑠璃や歌舞伎に登場する子供は、
身替りにされたり親の筋を通すためだったりで、殺されることが多いのだけれど、
この子は中でもとりわけひどい目に遭う。
最期は、雪の中に打ち捨てられたわが子を見てられずに、
戸を蹴破って救いに行く母お種の心を踏みにじる、残酷な運命が待ち受けている。
ドラマチックな展開に息を呑むが、
場面は変わって、雪の竹藪(美しい舞台美術)。
筍を掘ろうと探し回る慈悲蔵。もちろん、筍は見つからず、
「廿四孝」のように、天から降ってくるわけでもない・・・
ここから、一気にどんでん返しと、謎の解明が始まるのだが、
あまりの急展開に、とてもついていくことができない。。。
最後には、家まであばら家から立派な書院造の武家の家になってしまうし、
人々の身元が判明する。
慈悲蔵は、長尾家に仕える直江山城だし、横蔵が大事に育てていた子は、
足利将軍家の遺児。
悪いやつかと思っていた横蔵こそが、主人公の山本勘助だった、
と、最後の最後に知れる、というビックリの展開だ。
(しかし、襲名した玉助さんが遣ってるわけだから、そこは気づけよ、私。。。^^;)
というわけで、襲名披露狂言については、まったく目を白黒させていたという状況。
しかし、とても面白かった。
後半は、太夫の語りや三味線を堪能する余裕なしで、
ひたすら付いていったのみ・・・。
文楽初心者には、ハードル高いストーリーだったかもでした。
おまけの(?)道行初音旅は、歌舞伎との違いが面白かった。
いきなり、狐が上手から飛び出て、縦横無尽に駆け巡る。
さすが、狐を遣わしたら天下一品!の勘十郎師。
狐忠信と静御前は、錣引きのところも、二人で演じる。
なかなか勇ましい静御前!
床ではなく、舞台一杯に太夫、三味線が居並ぶ形。
これだと、三味線にさえぎられた太夫の声が飛んできにくい。聴こえづらい太夫もいて、ちょっと残念。
廿四孝だけで、かなりお腹いっぱいだったので、これはなくてもよかったかな?
とも思った。
25日に、第二部「彦山権現誓助剣」(ひこさんごんげんちかいのすけだち)観劇予定だ。

