01伝統はたえた(作演出、ごまのはえ)
弟子・茂山千五郎
師・茂山童司
新作サクサクトーク
茂山千三郎×茂山童司
<休憩>
02鮒ずしの憂うつ(作 土田英生、演出 茂山あきら)
鮒ずし・茂山宗彦
丁稚羊羹・茂山逸平
近江牛・茂山童司
くさやの干物・丸石やすし
挽き割り納豆・茂山茂
03流れ星X(作演出 茂山千三郎)
地球人の流れ者・鈴木実
太郎ボイボイ星人・茂山千三郎
主ボイボイ星人・山下守之
オール新作を提げて、
新作classic狂言と銘打つ。
しかし、明治以降の作品が、全て新作というのは、
さすが六百年の伝統の狂言だ。
落語の新作は、戦後以降なので、
たかだか七十年?
それにひきかえ、狂言は、150年以前でも新作。
「伝統はたえた」は、
HANAGATAで演じられたもので、2010年というから、見てるはずだ。
演題に聞き覚えがある。
ただ、今回同じ作者によって大幅に書き換え、
さらに短く、さらにパワーアップされたという。
そうでしょう、
あっという間に終了!
落語の、マクラで振る小噺のような単純で先の読めるストーリーだけれど、
この二人の狂言役者にかかると、破壊的に面白い!
35歳の童司さんにして、芸歴三十年以上。
狂言師、おそるべし!
(これ、もしも狂言師以外がやると、陳腐なコントになっちゃうんでしょうね)
掛け軸の、「生涯現役」の文字は、童司さんかな?
トークは、千三郎・童司ご両人。お二方は新作作者であるわけで、
「役者だけの人は楽」と、千三郎さん^^;
産みの苦しみについてトークは続く。
なんといっても、新作の一番の弱点として、
初演メンバーが強すぎると、再演、再々演がしにくい、ということがある。
いわゆる「宛て書き」ではないにしても、
初演があまりにも嵌りすぎると、他の人が手を出しにくいということに。
千三郎作の「茨木童子」に、
「茂山童子」を登場させてしまったことで、再演しにくくしてしまったという。
(のちに、この名前はやめて、誰でもできるように変えたというが・・)
このあと休憩を挟んで、
滋賀県以外では演じられたことがないという、「鮒ずしの憂うつ」。
鮒ずし役は、京都と滋賀の混血(?)の宗彦。
衣装もまさしく鮒ずし色という凝りよう^^
丁稚羊羹は逸平(丁稚羊羹といえば、越前かと思ったら、近江にもあったとは!)
太郎冠者っぽい丁稚羊羹。
終始不機嫌で、主人役の鮒ずしに楯突く。表情の可笑しさ^^
近江牛(童司)とともに、「くさい・・」と
鮒ずしを貶める。鮒ずしは、近江名物随一の看板を下さなくてはならぬのか!?
そこへ、挽き割り納豆とくさやの干物が、鮒ずしを慰めに現れ、
世界には同じように強烈な臭さゆえに愛されているものが多数あることに気づき、
彼ら三人のアイデンティティーが「くささ」にあり、ということを再確認する。
自信を持った鮒ずしは、消臭剤を手に再び現れた丁稚羊羹と近江牛を、
三人の臭いメンバーで撃退し、
友情を確かめ合った三人は、ひしと抱き合う・・・
が、あまりの臭さに、抱き合えない。。。
というシュールなオチがつく。
これも、達者な役者たちによって大爆笑だった。
最後は、千三郎作の「流れ星X」。
狂言ならどこでも舞台になりえる。「ここは宇宙」というだけでそうなる。
・・というわけで、SF超大作。
出てくるのは宇宙人、ボイボイ星人ということで、
衣装も金色、銀色と奇抜。
温暖化の影響で滅亡の危機に瀕している地球人の願いに、
ゲーム対決を望み、大の大人が「ゲームごっこ」するという、
キュートなシーンが展開する。
かなりシリアスな内容だったのは、
「愛地球博」に向けて描いた作品だったからだというが、
そこは狂言。
なんだって笑い飛ばしちゃう。
観終わって清々しい気分に。
こうやって、なんでも笑い飛ばせたら、少しは世の中生きやすくなるのかも・・。
狂言って素晴らしい。
新作狂言も、また楽しい。
茂山家の皆さま、今日も大笑いさせていただきました。
お疲れ様でした。

