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絵本合法衢(えほんがっぽうがつじ)通し。

 
数年前に国立劇場で、
今回と、ほぼ似たような出演者で見ている。
 
昨年の、「盟三五大切」、「霊験亀山鉾」、そして、今回の、「絵本合法衢」と、
仁左衛門は、鶴屋南北の通し狂言での主演が続いた。
 
巨悪に挑む善人たちが、どんどん返り討ちに遭う・・・という図式は、
昨年の「霊験亀山鉾」と似ている。
 
仁左衛門は4回目の通し公演で、歌舞伎座では初、一世一代と銘打ったもの。
つまりは、これで「お名残り」ということだ。
さすがに、演出が良く練られていて、テンポが良くダレない。
 
左枝大学之助と立場太平次という、全く違うタイプの悪人を、
本当に楽しそうに演じている。
大名家の御曹司にして極悪非道の大学の時は、恐ろし気な低く抑えた声音を遣い、
市井の悪党、立場の太平次では、小悪党らしい軽さを出した江戸弁。
(近江、京都あたりが舞台なのに、完全に登場人物は江戸っ子だ)
 
ほぼ出ずっぱりでの通し公演。
体力的にも、そろそろ限界に近いのでしょう。
しかし、お若い!と改めて感嘆。
齢70をとうに超えて、並みの方なら、背はまるまって縮こまり、
歩幅も狭くなっていくはずだが、
 
全く以前に変わらぬカッコいい立ち姿、キレのある立ち廻りや、見得の極まった美しい姿など、
どれだけの努力の賜物なんだろうと思う。
 
他の出演者では、
うんざりお松役、悪婆の時蔵が安定感。
錦之助の与兵衛もさすがに良かった。
 
孝太郎のお亀は、娘役という事で、ニンにない役かと思ったけれど、
幽霊になって、与兵衛の元へ出てくるところは、
一途な妄念が出ていて、哀れな風情が良く、思わず身を乗り出して見てしまった。
 
今月は、あともう一回、来週歌舞伎を見ることになっている。
我ながらちょっと意外なチョイスだ・・^^