柳家小多け・道具屋

桂吉坊・元犬

   寄席の踊り  大津絵  (忠臣蔵五段目)

春風亭一之輔・猫の災難

     <仲入り>

春風亭一之輔・厩火事

桂吉坊・質屋庫

 

 

東西の若手実力派真打お二人による、二人会も、

今回で八回目になるんだそうだ。

 

ヒントは、「三三・吉弥二人会」からだろうか・・。

らくごカフェさんの企画で、毎回とても楽しませていただいている。

 

なんといっても、完全に両極端なお二人。

共通項はただ一つ、「とにかく落語が大好き!」これだけかな?^^

 

吉坊師の可愛らしい「元犬」。

上方だと、天満の天神さんの境内。

口入屋は、上総屋ではなく、佐野屋。

奉公先も、ご隠居に名前があって、佐々木のご隠居。

細かいところにちょこちょこと東京との演出の違いがあって、

大きく違うのがサゲだ。

 

お腹がいっぱいになって、寝ているシロ公を見つけた女中が慌てて飛んでくる。

「あれは人間ではないです、犬です。」という。

なぜかというと・・・

「大の字になってテンがある」という、考え落ち。

「はい、今朝ほど人間になりました。」という、東京のほうが、ストンと落ちて落語らしいかな?

 

個人的には、シロがかぶりつく魚がイワシだったのがツボ。

奉公人にふるまうのに、鯵だと高級すぎる気がしていた。

 

このあと、恒例の寄席の踊り「大津絵」(忠臣蔵五段目)が付く。

手ぬぐいを小道具に、いろいろと踊りの振りをいれて、山崎街道から二つ玉の、猪までを3分で。

 

犬~猪、ときて、

次の一之輔師は、「猫の災難」(この噺に猫は登場しないのだけれど)

昨年秋に三田落語会で伺っているネタ。

その時とはまたちょっと変わってきている。

 

初めに、吉坊師の踊りを「いいですねぇ」と、自身もやってみようと3分ぐらい思うけど、

すぐに忘れる・・・と。この手のひと言は恒例。

(いいんです、みんな違ってみんないい^^)

 

酒呑みのマクラから入って、ああ、いかにもお酒好きな方の噺だなぁ、と思える。

古典の噺そのままだけど、ちょこちょこっと、独自の新しいクスグリがさりげなく入るのが、

爆笑を呼ぶ。

やっぱり、文句なく上手い。

 

仲入り後は、一之輔師、マクラが「緊縛」だって@@

「きんばく」と聴いて、一瞬字が浮かばなかった方が大多数だったのでは・・?

変わった同級生ご夫妻の話から、「厩火事」。

 

なんとも起伏の激しいおさきさんに、旦那の落ち着きぶり。

頓珍漢なかみ合わない会話の面白さ。

 

さて、トリネタは吉坊師「質屋庫」後半は、動物シリーズから離れた。

先日、某TVの録画で、権太楼師のを聴いてしまったばかりだった。

東京との違いを探すような心持で聴いていたけれど、

全くと言っていいほど同じで、サゲ近く、番頭も熊も腰を抜かしてしまって、

三番蔵を覗きに行くのは旦那だ。

(これだと、何も怖がる二人に言いつけなくてもいいのでは・・?と思えてしまう)

 

さらに、火の玉が現れるときと、天神さんが掛け軸から出てくるところで、

お囃子が入り、

サゲのところの、道真公の台詞が、芝居掛かりになっているところが目新しい。

この台詞に限っては、芝居通の吉坊師ならでは、というべきか、

仁左衛門の菅公を連想させる口跡で、ちょっと聴き惚れてしまった。

 

凍てつく寒さの晩に、両師匠の熱演。

心はポッカポカだった。

また次回も楽しみだ。