◆佐渡狐
佐渡のお百姓・茂山七五三
越後のお百姓・茂山あきら
奏者・茂山千作
後見・井口竜也
◆七五三のこぼれ話
茂山七五三×わかぎゑふ
<休憩>
◆居杭(いぐい)
陰陽師・茂山七五三
居杭・茂山慶和
何某・茂山宗彦
後見・山下守之
◆千切木(ちぎりき)
太郎・茂山七五三
当家・茂山千五郎
太郎冠者・茂山茂
連歌の友
茂山千三郎・茂山童司・網谷正美
丸石やすし・松本薫・島田洋海
女房・茂山逸平
後見・鈴木実
謡 猿唄(ロングバージョン) 茂山宗彦
茂山千五郎家の、七五三師の、古稀祝賀狂言会。
七十になられて、ご自身の主催の会というのは、なんと初めてのことなのだそうだ。
そういえば、千五郎家、御本家主催の会ばかりだったかな・・。
大病を、乗り越えての古稀、まことにまことに、おめでとうございます。
おめでたい会なのに、ご当人が狂言三番出る、という、一番働く結果になっている^^;
「佐渡狐」。
兄千作師と、従兄弟のあきら師と。
このお二人は、まさに、盟友。ずっと子供のころから、それこそ六十年以上も、一緒に狂言をやってきた仲。
「佐渡狐」は何度も観ているが、今回の面白さは無類!
特に、千作さんの、袖の下を貰うところからの、胡散臭い表情が出色。
千作さんは、脚が不自由になられて、立ち居が思うに任せないもどかしさがあると思うけれど、
表情や、張りのあるお声は、健在!
まだまだ、その円熟した芸を見せていただきたい。
「佐渡狐」のあとは、
この会の参謀?わかぎゑふ嬢による、
容赦ないツッコミの、七五三さんへの質問コーナー。
さすが、舞台女優は、怖めず臆せず、切っ先鋭く
剣道の達人でもある七五三さんへ斬りかかる。
それもそのはず、わかぎさんも、子供の頃からの剣士だったそう。
七五三さんのお人柄の滲み出る、楽しいトークが終わると、いよいよ、愛孫慶和くんとの舞台。
「居杭」。
大病を患われ、お孫さんとの共演など、無理だと思われていたそうだ。
初舞台からもう何年経ったろうか。
慶和くんは、スクスクと成長され、映画にも出たり、経験を積んで来られている。
舞台ぶりも立派なもので、台詞も多く、また動きも活発にある居杭という役は、さぞかし難しいだろうと思うけれど、
逸平パパのアシストもあり、キッチリと勤めていたのは、本当に、偉い。
パパは、ドキドキ、お祖父様は、嬉しい嬉しい共演だったでしょう。
狂言は、他の演劇と違い、子供の役というものがわずかしかなく、
普通は、大人の役を子供の狂言師が演じる。
だから、チビ狂言師達は、大人と同じ役を演じる、という、いきなり高いハードルを据えられるわけだ。
居杭も同様で、子供だからといって、特別な扱いはなく、大人と変わらない。
七五三さんも、キッチリと、愛孫との共演を果たしたということになる。
最後は、おめでたく、役者が大勢出てくるの「千切木」。
みんなから仲間外れにされて、ショボくれる太郎。
黙っていられぬのが、彼の妻で、喧嘩してこい!と嗾ける。
太郎は、家々を、尋ねるがみな居留守を使われてしまう。内心ホッとする太郎。
許さぬ妻。
しかし夫婦は、仲良く家に帰ることにする。まことに、心和む幕切。
七十のお祝い会は無事終演。
お疲れになったであろう、七五三さんの姿は、ロビーになく、
代わりに、息子世代、孫世代、さらには、千作ご夫妻のお見送りがあった。
千五郎家総出の心温まる会だった。
