絵本太功記 尼ケ崎の段
豊竹芳穂太夫
鶴澤清公
 
 
1/30大阪トリイホール、1/31名古屋中部邦楽教室・・
ときて、今日の東京公演。
三日連続だ。
 
しかも、文楽劇場の初春公演の千秋楽が1/26.。
そして、2月の東京公演が4日から・・という中で、大変意欲的な3公演。
 
最終日の公演、たった50席のみという限定で、
ギリギリの申し込みだったが、なぜか空席が・・・
もったいない。
 
この会場が、グーグル地図にも載ってなくて、迷った迷った。。。
もう、無理!引き返そうか・・・
と思って、ふと見ると住居表示があって、目指す住所は隣の番地と分かって、
しばらく歩いてたどり着いた。
(帰りは、前を歩く方の後を付いていって、無事地下鉄の駅に着いた^^)
 
畳敷きのお部屋で、通常は、長唄のお稽古に使われているとか・・。
 
となると、ついつい落語「寝床」を連想してしまうm(__)m
 
プロの芳穂太夫の語りが、「寝床」の旦那とは一緒にならないのは当然ながら、
あの落語のように、ビンビンと響く声が直接届いて、まさに体感するような音だ。
 
今までの素浄瑠璃の会は、すべてホールだったから、
それなりの音響設備があって、客席の数も多く、となると「寝床」にはなりえない。
 
今回、全く音響的な助けは無い中で、それでも太夫の声というものは、
まさに人類最強ではないか?と思える大音量だ。
 
しかも、今回のいわゆる「太十」。
太功記十段目、尼崎の段は、戦の語りも入る勇壮な場面。
太夫、渾身の大音量での語りも入るわけだ。
 
芳穂太夫、まるでサウナの中のような滴る汗。
それは顔から流れ出て、顎を伝い、黒紋付のお着物へ。
更に、肩衣まで、大変に大きな汗じみ。
 
本公演で太夫が一段語ることは、全くといっていいほどなくなったいま、
こういった勉強会以外ではなかなか体験できないことだ。
どれだけ消耗するのか、目の当たりにした思い。
 
以前伺った女流の竹本駒之助師のと、ついつい比べてしまうが、
やはり70年以上の修業を経た人間国宝の駒之助師は、
そこまで力を入れることなく修羅場を語られ、もちろん、汗もかかない。
 
若い、修業途上の太夫が大汗をかいて語るのも、それは美しい汗だ。
 
粗削りなのはもちろんだけれど、特に武智光秀が良かった。
脳裏に玉男さんの遣う人形が浮かんできた。
 
終演後のご挨拶。
司会の方が、「息が整われてから・・・」と促される。
 
まるで、ゴールした後のマラソンランナーのような芳穂太夫。
(今は、わりと平気な顔のマラソンランナーが多いから、それ以上かも(・。・;)
 
やはり、三公演は「無謀」と思えるほど、きつかった。
初日終わって、まだあと二公演・・@@と。
本公演でやる機会があるかどうかもわからないですが・・
 
と、おっしゃっていたけれど、
いや、機会は必ずありますとも!
どうぞ、嶋太夫師匠から伝えられた浄瑠璃を、披露してください。
 
千成瓢箪の美しい蒔絵の見台で、意欲的な公演。
清公さんの水疱瘡も心配です!お大事になさって、2月公演、無事に迎えて下さい。
 
お二人のご健闘に心から拍手!