開口一番 桃月庵はまぐり・芋俵
五街道雲助・酢豆腐
<仲入り>
五街道雲助・唐茄子屋政談
お題は、「若旦那」。
一席目は意外にも「酢豆腐」。
雲助師で聴くのは初めて。同じ、「豆腐の腐ったのを食べる」噺でも、今は圧倒的に「ちりとてちん」が多い。
「酢豆腐」の若旦那のような人物が絶滅してしまったから、やりにくいんでしょうねぇ・・。
ちょっと嫌味で、気障で、遊び人の若旦那。大切な落語国の住人だ。これを照れずに、自然に演じられるようになるには・・やっぱり、雲助師くらいの年季と、腕が要求される。
待ってました!仲入り後は鉄板ネタの「唐茄子屋政談」の若旦那。
先日聴いた一朝師の、粋なおじさん夫婦より、もうひとつ情の濃やかなおじさん夫婦。
拾ってきた若旦那に、身体を洗うよりまず最初に「おまんま」!
汚いまんま、土間で桶をひっくり返したのに腰掛け、縁側に器を置いて食べさせる。なるほど、汚くてもいいわけだ!
誓願寺店のおかみさんちのわび住まいの描写が、細かい。
割れた火鉢は三味線の糸でぐるぐる巻きにして反故紙貼って使っているし、屏風もぐるぐる巻きでもたしている。
泥棒除けの大津絵は、必要なかろう・・と。
ディテールに凝る所も、雲助師の真骨頂。
天秤棒担いで出かけて行った若旦那の帰りを、今か今かと待つおじさん。いいおじさんだなぁ・・。江戸っ子だなぁ・・。
田原町の男といい、大家のところに土足で上り込む若旦那といい、みんな江戸っ子気風に溢れている。聴き終わって、清々しい風に包まれた思いだ。