入船亭辰のこ    十徳
入船亭扇辰     夢の酒
      仲入り
入船亭扇辰     たちきり


この日、ネタだしが「たちきり」だった。たしか聴くのは二度目。
一席目が「夢の酒」だったので、「大店の若旦那」の噺二席。

開口一番は二番弟子の辰のこくん。師匠に許されて、マクラを振ったのだけれど、残念ながら、あんまり受けず・・(仕方ないよね!慣れてないんだから・・ドンマイ)自身の見習いになる前の、バイトの苦労話。

「夢の酒」を扇辰師は、春先によく掛ける気がする。大旦那が「淡島様」に導かれて(?)向島のいわくありげな女性のお宅に伺う場面で、必ず季節感を出すのが扇辰流。
今回は、庭に咲く紅白の木蓮と、掛け軸の句。(この俳句を、いつも憶えておこうとするのだが、きれいさっぱり忘れてしまう私のアホな頭。。。)

大旦那を、「お父っつぁん」と呼びかけるのではなく、きちんと「大旦那」と呼んでいたのは、当たり前ながらいい心持ちだ。
向島の佳人の色っぽさは、いつもながら。どうしましょ!(汗)

「たちきり」は、あんまり好んで演じられるネタじゃないような気がするが、今回は、主催者側の希望だったのかな?
よく泣きながら演じる人もいるけれど・・扇辰師は、客観姿勢を崩さず、理性的な演じ方。

サゲ近くなって、周囲の女性方がハンカチで目を押さえ始めた。
私も、危うく涙腺決壊しそうだったが、なんとか堪えた。

この噺って、花柳界の「純な恋」を描いたシリーズの一つで、意外に落語にはこういったケースが出てくる。
「幾代餅」(紺屋高尾)、「雪の瀬川」、「お初徳兵衛」・・・。
もちろん、反対のケースは更に多いのだけれど。

色っぽい噺の名手、扇辰師の心地よい声に酔いしれた弥生の一夜。

ところで、この入船亭扇辰師匠の落語「徂徠豆腐」が、3月20日(日)に放送される。
朝4時からだが、TBS地上波での放送。もちろん、録画で楽しもうっと♪


(追記)
俳句が憶えられない、と書いたこのブログを読んだ友人からご教示いただき、判明した。ありがたや・・(3/18)
「しあわせは 玉ねぎの芽の 薄緑」(光石)