通し狂言 神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)
序幕 東海道焼餅坂の場
南瀬六郎宗澄 中村又五郎
新田の御台所筑波御前 中村芝雀
代官犬伏官蔵 大谷桂三
馬子寝言の長蔵 中村吉之助
兵庫之助妻湊 中村東蔵
その他大勢
二幕目 由良兵庫之助新邸の場
由良兵庫之助信忠 中村吉右衛門
南瀬六郎宗澄 中村又五郎
筑波御前 中村芝雀
竹沢監物秀時 中村錦之助
犬伏官蔵 大谷桂三
寝言の長蔵 中村吉之助
江田判官景連 中村歌六
湊 中村東蔵
その他大勢
三幕目 生麦村道念庵室の場
新田小太郎義岑 中村歌昇
傾城うてな 中村米吉
ぶったくりの万八 中村吉三郎
道者道念 嵐橘三郎
その他大勢
大詰 頓兵衛住家の場
頓兵衛娘お舟 中村芝雀
新田小太郎義岑 中村歌昇
うてな 中村米吉
新田義興の霊 中村錦之助
渡し守頓兵衛 中村歌六
その他大勢
福内鬼外という、人を食ったような作者だが、又の名を平賀源内といえば、超有名人。マルチな才能で知られた、まさに日本のダヴィンチのようなお方がこの作品を書いた、という。
めったに上演されることがないし、上演されたとしても、頓兵衛の住家のくだりの単独公演が多くて、もう一人の主人公由良兵庫之助が出てくるところは、100年ぶりとか!そういう意味では、復活公演ともいえるかな?
それで、通しで観た感想は、「熊谷陣屋」+「鮨屋」+「櫓のお七」+「船弁慶」。
どうも、いろんな作品のエッセンスを「本歌取り」して、つなぎ合わせた、という感じが拭えない・・
お定まりの、子供の身替りで女性二人が嘆くところは「熊谷陣屋」だし、貴種流離譚の若様に岡惚れしてしまい、命を落とすお舟のくだりは「鮨屋」のお里と「妹背山」のお三輪のミックスで、太鼓を叩いて義岑たちを逃さんとするところの舞台面はお七だし、義興の亡霊が現れる終幕は、「船弁慶」の知盛の亡霊・・と先行作品がどうしても浮かんでしまう。
もしかしたら、そのへんが、上演頻度の少なさの理由かもしれない、と思ったりしている。ごめんなさい、源内さま。
さて、問題の100年以とだえている、という由良兵庫之助の吉右衛門だが、その姿形の立派さに、さすがだと感じるところはあったが、やはり、体調が万全でないのか、台詞が聞き取りにくく、本来台詞回しの巧さの人なので、ちょっと残念だった。
(吉右衛門が万全の体調なら、頓兵衛と二役だったかもしれない。それが観られたら良かったのに・・)
しかし、歌六の頓兵衛は素晴らしく、古怪な容貌のメイクの立派さ、台詞の堂々として憎たらしい様、花道の引っ込みの面白さ等、申し分なく楽しませていただいた。
お舟の他に、義興の御台所を勤める芝雀は、流浪の高貴な夫人と、命がけのひとめぼれをする村娘の二役を、どちらも役の性根をとらえて安定感抜群。やはり、襲名を控えて、ますます芸境が深まってきているようだ。
そのお舟を、いつかやりたくて、じっと見ているという、米吉は、傾城うてな。歌昇の義岑と共に流浪していく。
二人の衣装が、比翼紋のついた黒の露芝で、まさに「小言幸兵衛」ではないが、心中するのでは?というもの。
面白いと思ったのが、東蔵の湊という役。あくまで奥方様に忠義一途で付き従うが、由良兵庫之助(はじめは敵に寝返ったかと思われている)の妻で、「陣屋」の相模のような役どころまで受け持つのだから、たいへんに難しかったのでは?と思える。
しかし、焼餅坂の場では悪者に襲われそうになるなど、コミカルな場もあって、楽しい役だったかもしれない。なにしろ、100年、それ以上もやられていないので、自分で工夫していくしかなかった役。そこは、長い役者歴だから、楽しんで演じていたのでは?と思える。
十月、十一月と、いつになく歌舞伎をたくさん観たが、また少し遠ざかるかな?
今月は、文楽公演がまたある。
序幕 東海道焼餅坂の場
南瀬六郎宗澄 中村又五郎
新田の御台所筑波御前 中村芝雀
代官犬伏官蔵 大谷桂三
馬子寝言の長蔵 中村吉之助
兵庫之助妻湊 中村東蔵
その他大勢
二幕目 由良兵庫之助新邸の場
由良兵庫之助信忠 中村吉右衛門
南瀬六郎宗澄 中村又五郎
筑波御前 中村芝雀
竹沢監物秀時 中村錦之助
犬伏官蔵 大谷桂三
寝言の長蔵 中村吉之助
江田判官景連 中村歌六
湊 中村東蔵
その他大勢
三幕目 生麦村道念庵室の場
新田小太郎義岑 中村歌昇
傾城うてな 中村米吉
ぶったくりの万八 中村吉三郎
道者道念 嵐橘三郎
その他大勢
大詰 頓兵衛住家の場
頓兵衛娘お舟 中村芝雀
新田小太郎義岑 中村歌昇
うてな 中村米吉
新田義興の霊 中村錦之助
渡し守頓兵衛 中村歌六
その他大勢
福内鬼外という、人を食ったような作者だが、又の名を平賀源内といえば、超有名人。マルチな才能で知られた、まさに日本のダヴィンチのようなお方がこの作品を書いた、という。
めったに上演されることがないし、上演されたとしても、頓兵衛の住家のくだりの単独公演が多くて、もう一人の主人公由良兵庫之助が出てくるところは、100年ぶりとか!そういう意味では、復活公演ともいえるかな?
それで、通しで観た感想は、「熊谷陣屋」+「鮨屋」+「櫓のお七」+「船弁慶」。
どうも、いろんな作品のエッセンスを「本歌取り」して、つなぎ合わせた、という感じが拭えない・・
お定まりの、子供の身替りで女性二人が嘆くところは「熊谷陣屋」だし、貴種流離譚の若様に岡惚れしてしまい、命を落とすお舟のくだりは「鮨屋」のお里と「妹背山」のお三輪のミックスで、太鼓を叩いて義岑たちを逃さんとするところの舞台面はお七だし、義興の亡霊が現れる終幕は、「船弁慶」の知盛の亡霊・・と先行作品がどうしても浮かんでしまう。
もしかしたら、そのへんが、上演頻度の少なさの理由かもしれない、と思ったりしている。ごめんなさい、源内さま。
さて、問題の100年以とだえている、という由良兵庫之助の吉右衛門だが、その姿形の立派さに、さすがだと感じるところはあったが、やはり、体調が万全でないのか、台詞が聞き取りにくく、本来台詞回しの巧さの人なので、ちょっと残念だった。
(吉右衛門が万全の体調なら、頓兵衛と二役だったかもしれない。それが観られたら良かったのに・・)
しかし、歌六の頓兵衛は素晴らしく、古怪な容貌のメイクの立派さ、台詞の堂々として憎たらしい様、花道の引っ込みの面白さ等、申し分なく楽しませていただいた。
お舟の他に、義興の御台所を勤める芝雀は、流浪の高貴な夫人と、命がけのひとめぼれをする村娘の二役を、どちらも役の性根をとらえて安定感抜群。やはり、襲名を控えて、ますます芸境が深まってきているようだ。
そのお舟を、いつかやりたくて、じっと見ているという、米吉は、傾城うてな。歌昇の義岑と共に流浪していく。
二人の衣装が、比翼紋のついた黒の露芝で、まさに「小言幸兵衛」ではないが、心中するのでは?というもの。
面白いと思ったのが、東蔵の湊という役。あくまで奥方様に忠義一途で付き従うが、由良兵庫之助(はじめは敵に寝返ったかと思われている)の妻で、「陣屋」の相模のような役どころまで受け持つのだから、たいへんに難しかったのでは?と思える。
しかし、焼餅坂の場では悪者に襲われそうになるなど、コミカルな場もあって、楽しい役だったかもしれない。なにしろ、100年、それ以上もやられていないので、自分で工夫していくしかなかった役。そこは、長い役者歴だから、楽しんで演じていたのでは?と思える。
十月、十一月と、いつになく歌舞伎をたくさん観たが、また少し遠ざかるかな?
今月は、文楽公演がまたある。