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開口一番 春風亭一花  転失気
春風亭一朝       野ざらし
春風亭朝也       竹の水仙
     仲入り
春風亭朝也       厄払い
春風亭一朝       火事息子


「チャンピオンを生む師匠とその弟子」の会なんだそうだ・・これはどう考えても、師匠が主役(笑)
連雀亭に、ついに真打が、しかも、一朝師匠が!ということで、早々に売り切れたチケット。幸運にもゲットできた約60名が、至福の時を過ごした。

開演25分前には、びっしりと詰まった座席。いやに長く感じる開演まで・・。開口一番で上がらないかな?と思っていた一花ちゃんが上がったのは嬉しい。可愛い「転失気」。だけど、登場人物の描き分けができていたのはすごい。

「一朝」のめくり。菖蒲浴衣で一朝師の登場。少し鼻声かな?と心配したが、噺が進むにつれ、全く気にならなくなっていった。師匠の「野ざらし」は、なんべんも聴いているというのに、まるで初めて聴いたかのような新鮮さ。いちいちクスグリが可笑しくてしかたない。話術の至芸だ。鐘がいろいろに鳴り分け、「鐘がゴンと鳴りゃ~♪」のくだりで中手。しかも、みんな気を揃えて!少ない人数ながら、演りやすかったのでは?

このあと上がった朝也さん、いかにもやりにくそうに・・(汗)初の親子会なんだそうで、NHKの大賞のご褒美は、賞金だけじゃぁなかったね!マクラは、その本戦での裏話で、おおいに笑わせた。しかし、とにかくものすごい汗。単衣だった1席目で滝のような汗で、袷を着て出た2席目ではそれほどかいていなかったのは、心理的なものもあるかな?緊張が出たか・・

仲入り後、落ち着いて2席目。2席とも安定していて、とても聴き易かったが、なんといっても、師匠との親子会。どうしたって、弟子は影が薄くなるのは仕方ないよね・・

きちんと着替えて2席目に臨んでいただけた一朝師。1席目では、莢型の地紋が浮き出た渋めの芥子色のお着物で、2席目は、澤瀉の色紋付で、こちらもちょっと渋い茶。さすがにいいお着物だった。(高座が近くて、じっと見入ってしまった・・)
火事息子は、息子の名が芳三郎だった。藤三郎、徳三郎、徳之助・・。いろんなバージョンがあるんだなぁ・・

とにかく、おとっつぁんがいい。倶利迦羅紋々を恥じてへっついの横で小さくなる息子を一喝、「とにかく出てこい!」このひと言に、万感の思いが籠る。さらに、母親に逢わせようとするのも、この父親の思いやり。おとっつぁんの台詞にほんとうに涙腺が緩んで困った。
これは、師匠のお年でないと、無理ですねぇ・・若い噺家が束になって掛かったって、とうてい敵わない親心の表現。
それに、定吉がパッと入れるひと言も、可愛く、ちょっと緩む。いわゆる「緊張と緩和」ですね・・

ちょっと立ち上がるのに力が必要なくらい、入り込んでしまった「火事息子」。これ、今年聴いた落語のベスト5に入るな、間違いなく。

この満足で終わらない、この日、池袋での「小里ん独演会」へと向かった。