柳家緑太     桃太郎
柳亭こみち    植木の幽霊
柳亭こみち    お見立て
     仲入り
春風亭一之輔   笠碁
柳亭こみち    兵庫船


こみちさんの独演会、昨年に続いて2回目だ。ゲストの一之輔師が言われていたとおり、出産なさってすぐの昨年の会。引き続いての今年。さぞや大変な毎日だろうと想像するが、そういったご苦労を微塵も高座に出さず、涼しい顔で演じていたのは、ほんとうに素晴らしい。

緑太くん、最近よく遭遇する。花緑門下の前座さんだが、なかなかいいな。

こみちさん、1席目はめずらしい「植木の幽霊」。植物の「気」がお化けになっちゃう、という洒落っ気たっぷりの噺だ。たっぷりと自慢のノドを聴かせてもらえて、賑やかに開幕。ということだが、長唄「勧進帳」はともかくも、清元「忍逢春雪解」は、残念ながら民謡調・・(汗)まあ、野暮は言いません、楽しかったから。下座さんは、やはり、その師匠。清元まで、お見事!

二席目の「お見立て」が良かった。こみちさんの落語を初めて聴いたのが、たしかこのネタだった。もう、今から5年くらい前。その時と比べて、もちろん進化を遂げているのだが、こみちさん独自のスタイルも確立されてて、素晴らしかった。
喜瀬川が、思いっきり「こみちバージョン」。「姫と鴨」の姫みたいな、これは女性ならではの描き方で、男性の落語家には絶対に描けない喜瀬川。ちょっと現代的な感じだが、そもそも100年前の花魁なんて、誰も知らないんだからねぇ・・
ともすれば妙な感じになってしまう杢兵衛大尽と喜助が、全く違和感のない所、女流を感じさせないこみちさんならでは。

仲入り後、「スーパースター」と持ち上げられた一之輔師。最近掛けてるという「笠碁」。渋谷ヒカリエでの囲碁の会で演じることになったというネタで、まさに今日の昼間演ってきたそうだ。
柳家のとは違う、笠を被った隠居の挙動不審ぶりを、見ている旦那側からの視点で描かれるバージョン。せっかく、富士詣りの笠を被ってるんだから、やっぱり、その姿での動きが見たかった気がする。
いろいろあって、最後に和解する二人の老人。そこに至る気持ちの動きが、もうちょっとなんかひと味欲しかった。ちょっと、若すぎる印象。(先日、さん喬師のを聴いちゃったので、なんともそのあたりは・・)

ここまででかなり時間が経ってしまい、「もう、すぐ終わります」と、「兵庫船」。ハチャメチャ講談も、独自の工夫を入れながら、楽しく。
仲入り後着替えた、絽の黒紋付が、なんだか喪服めいて見えてしまうのは、女性ならではかもしれない。男性の黒紋付だと、そんなふうには見えないのに、女性だとどうしてもね・・講釈師の出てくる噺だったからかもしれないが、ちょっと違和感を持ってしまった。

第二回も、早々に満員御礼となったという。次回は来年4月。素晴らしい出来の今回を上回る会になるか?楽しみだ。