五街道雲助 発端~永代橋川端          仲入り  柳家小里ん 冨吉町新三内~元の新三内 深川閻魔堂(茶番仕立て)    雲助=弥太五郎源七  小里ん=新三         勝造・鳴物/柳家麟太郎         三味線/太田その         附け/柳亭市助         幕引/柳家小多け(小里ん見習)

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「髪結新三」。なんと、馬石師で聴いて、わずか2日後に、雲助師と小里ん師のリレーで聴こうとは。馬石師には申し訳ないが、これが逆じゃなくて良かった。さすがに、師匠方の年季の入った芸の面白さといったらなかった。 雲助~小里ん のリレーは、芸風の違う、古今亭~柳家 ということになるので、ちょっとした危惧もあったのだが、そんなものは見事に吹き飛ばしてくれた。雲助師の発端からのことの成り行きを、小里ん師が見事に受ける。狸親父の大家の啖呵に、芸の年輪が・・。 お二方とも、無類の芝居好き、とのことで、そんなところは、おしまいの茶番に生きていた。歌舞伎同様の大道具がしつらえられ、三社祭の提灯を手にした麟太郎さんを前に、傘を持った新三が登場。そこへやってくる源七。この仇同士が、仲良く落語協会の浴衣を尻っぱしょりに着ているところがご愛嬌。気持ち良さそうに台詞を謳い上げる両師匠。 それでも、茶番に逃げるところが落語家らしくてたのしい。長いのと、匕首とで立ち回りとなるところ、雲助師の源七が、「深川の祭りは田舎祭り、なんて馬鹿にしやぁがって」と立ち向かう。浅草っ子の小里ん師にとって、深川は「川向こう」なんでしょうねぇ・・傘で受けて、見得を切るご両人!新三のトドメを刺そうとする源七に、まさかの反撃を食らわす、小里ん師の弟子の麟太郎さん。ところが、入るキッカケを間違えて、「まだ」「まだ」と引っ込められ、どうしても間が合わない。。(わざとだったのかは不明・・)どうしようもなく、悶絶してのたうち回る小里ん師。やっと出してもらえた麟太郎さんが源七に切り掛かり、もう一人のお弟子(まだ見習いだけど)の小多けくんが出て来て二人掛かりで源七もやられちゃう・・そして、「本日はまづ、これぎり」と、お二人揃っての挨拶で幕。 こうなったら、このお二人の「鹿芝居」を観てみたいものだと思うけれど、もうあんまりなさらないのかな?腰を痛めているという雲助師、膝が悪いという小里ん師、大熱演、お疲れさまでした。写真は、お稽古の様子のツイートから。