柳亭市助     一目上がり
柳家わさび    お菊の皿
柳家小満ん    塩原多助一代記 ~青の別れ~
柳家小満ん    塩原多助一代記 ~故郷へ錦・四つ目小町~
   (仲入り)


昼夜の末廣、たっぷりの内容にいささか疲れて、仲入りで出た、このあと色物二席と小満ん師のもう一席があったのだけれど、もうお腹いっぱいの状態で、十分満足。

市助くん、先日「道灌」を聴いたばかりだったので、そっちかと思ったら、「一目上がり」。
わさびさん、お菊さんがいままで聴いた中で一番色っぽかったような・・声がすごく女性っぽかった。

小満ん師、プログラムには「塩原多助」が最後になっていたが、最初に掛けた・・というのは、どれだけ長くなるか、わからないからというのだ。仲入り前まで、じっくりと長講。

圓朝作のこの噺、戦前の修身の教科書に載っていたという。
主人公の塩原多助は「ねずみ穴」の竹次郎の上を行く。全くの無一文から財をなすというサクセスストーリーにも拘らず、主人に忠を尽くし、まっすぐな心根を持ち続ける。まさに、貧しかった頃の日本人の理想の姿だ。

あまりに人間離れしたその人格に、ちょっと聴くほうは付いていくのがしんどい気がしてしまうのは、現代人なら仕方がないことか?いかにも「お上受けする」作り込みは、圓朝、どうしたんだろう?となんとなく眉にツバを付けたくもなる。
聖人君子というのは、落語の主人公からは最も遠いところにいるはずなのだが・・むしろ、講談なら納得するのだけれど。
そんなことを思いつつも、噺に惹き込まれ、自分にさんざん害をなし、家を潰した継母を引き取る所で終わる。

ちょっと興味を引かれ、小満ん師の著作「塩原多助一代記を読み解く」を手に入れた。小満ん師の手引きで、もう一度塩原多助の人生に付き合ってみよう。