柳家豆緑     桃太郎
桂吉坊      植木屋娘
春風亭一之輔   佃祭り
   仲入り
春風亭一之輔   粗忽長屋
桂吉坊      骨釣り


拮抗する東西の花形お二人の回。もう、三度目だそうだが、この企画は素晴らしい。毎回堪能させていただいてます。

「植木屋娘」は、TBS落語研究会の映像で、歌武蔵師のを見たが、上方のもほぼ同じ噺だ。しかし、この植木屋さん、財産が2000両もある、というのは凄い!「青菜」の植木屋さんとは全く別もの!
吉坊師、早口でまくしたてるのが、独特のリズムになってるのだが、ちょっと早すぎた感じ。一般関東人には、早口の上方弁を聴き取るのは難しいのだ。

一之輔師、前々日の「お血脈」と同様に、「佃祭り」もネタ下しのようだったが、素晴らしかった。
マクラで仕込み(神仏にも、医者で言う「科」があって、眼科はお薬師様で・・歯科は戸隠様・・)をしたあと、旦那が祭りに出かけるまでの遣り取りはなく、いきなり、仕舞い船に乗ろうとしているところを袖を捉えられた、という場面から。
三年前に、身投げをするところを旦那に助けられた女。いまはところの船頭の女房になっている。夫の船頭は、女房の旧恩に報いようと願掛けするほどの義理人情に篤い男。この男の描き方がいいなぁ。
結局、旦那は転覆した仕舞い船に乗らずに済んで命拾い。忌中の張り紙が出された家に帰り着いて大騒ぎがあるが、「情けは人のためならず」となってめでたしめでたし・・のはずがもうひとひねり。与太郎が身投げ人を探して、ウロウロ。なんとしても、身投げ人を助けたい、との一念。やっと見つけたかに見えた「身投げの女性」は、「歯痛を治すおまじない」をしていただけ・・というオチ。

(佃祭りで)ボロボロです・・と「粗忽長屋」。一之輔師のは、「シベリアンハスキーの眼」をした、「粗忽というより、もうほとんど気が違ってる」男達と世話人の男の他に、野次馬達も無責任なヤジを飛ばして、事態がますますこんがらがっていく、という状況だ。エキセントリックなマメで粗忽な男が、早口で何度も同じ言葉を繰り返すのと、おっとりとした粗忽な男が受けるところ、計算された面白さだ。

「骨(コツ)釣り」は、「野ざらし」の上方版。サゲの品のなさがなんとも・・。可愛いお顔の吉坊ちゃん(一方的だけど、長い付き合いなんで、ついついちゃん付け)がこんな噺を・・と思わず嘆息。しかし、骨を釣ろうと船で出かける男のはしゃぎっぷりには、お囃子がついて、賑やかで楽しい。お囃子さんとのイキもピッタリだったが、この日のお囃子さんが誰かわからなかったのが残念。

たっぷり四席堪能して、満足な一夜だった。