開口一番  入船亭辰まき    寿限無
      入船亭小辰     鈴ヶ森
客演    入船亭扇辰     悋気の独楽
       仲入り
ゲスト   ポエトリックオペラ 覚和歌子(おかみさん)
                丸尾めぐみ
      入船亭小辰     火事息子


小辰さんの、二つ目昇進披露の会を、(小辰さんの)地元大塚で開く、というので駆けつけた。会場ロビーでは実家の酒屋さんが「入船亭小辰」の名入り焼酎を販売。真打になるころには熟成してるとのこと。1本購入。

開口一番、辰まきくんの寿限無。口調や微妙な間が、師匠そっくり!

小辰さんの1席目は、お得意の鈴ヶ森。聴くたびに磨きがかかっているけど、今夜は特別。お知り合いやご親戚、みんなが暖かい雰囲気で聴いてくれてる客席。いい具合に暖まった。

扇辰師匠はなにを掛けるのかな?と思っていたが、弟子に花を持たせる軽い噺で。お妾さんのいろっぽさ。おかみさんのおっかなさ。深夜労働に励む定吉のいじらしさ。マクラは、辰じん時代の小辰を、エイプリールフールに騙した話。弟子が独り立ちするのは、まずはホッとする気持ち。それに寂しさが混じるという。これからはいたずらができなくなる、って言うけど、今度は辰まきくんにやるのかな?

仲入り後は、おかみさんの覚和歌子さん(詩人)の、ピアノに合わせての詩の朗読。「雪解け」から。着想は、落語の「野ざらし」なんでしょうね。泉鏡花の小説にありそうな雰囲気。美しい声の持ち主だ。
そのあと、丸尾めぐみさんの弾き語りで、「星空と掌と」。3・11の後に作られた曲だそうだが、残念ながら頭の部分がマイクに入らず、よく聴き取れなかった。

グランドピアノを撤収して、さてトリは小辰さん。なんだろう、と思って聴いていたが、ネタが判明するまでに時間がかかった。いきなり夢の噺から。舞台は息子の臥煙が寝ている定火消の小屋。夢は、実家のおっかさんが病気で、薬をのませようとするが、おまえが出て行ったから生きていても仕方ない、と拒まれて困っている。はてなマークが飛び交うことに・・なんだろう?この噺。と思ってると、いつもの火事見舞いの場面に。展開が急で、付いて行くのが忙しい。

ご本人は百年早いネタ、なんて言ってたけど、どうしてどうして、堂々たるもの。若い演者だと、主人夫婦がどうしても若々しくなってしまうけど、息子から親を思う心持ちが強く滲むものだった。
小辰さんからご両親へ。そして育ての親たる扇辰師匠ご夫妻への感謝の一席にも思えた。

満席に立ち見まで出る盛況。一所懸命の高座にこちらもいい心持ちで会場を後にした。これからの活躍を祈りたい。