座談会    古今亭菊之丞・桃月庵白酒・豊竹呂勢太夫・鶴澤藤蔵 
   落語     桃月庵白酒  「転宅」 
      仲入り 
 素浄瑠璃  「関取千両幟」より 猪名川内より相撲場の段 矢倉太鼓曲弾き 
        豊竹呂勢太夫・豊竹咲甫太夫・竹本相子太夫 
        鶴澤藤蔵・鶴澤清志郎(胡弓・ツレ) 

 落語     古今亭菊之丞 「寝床」 


座談会では、初め各々入門のきっかけなどが聞かれ、文楽組はみんな小学生で決め、 
落語は、18で大学入試に失敗して、とか落研からなんとなく・・など大分違いがあって面白かった。 

文楽の太夫さんや三味線の方は、あまりお話されないイメージでだったが、 呂勢太夫さんは、よく喋られていろいろと楽しかったが、 中で驚いたのが、舞台衣装は、三味線の方のぶんも含めて、すべてが太夫持ちだということ。 さらに、あの豪華な見台も自前(骨董で、いいものだと数百万だそう)。 

三味線の方は、もちろん三味線が自前で、数年で痩せて(鉋で削って使う) 太棹じゃなくなるんで、稽古用に下ろしてしまうそうだ。 昨年の震災前まで、東北で、皮を専門に用意して下さる業者さんがいたそうだが、 いまはそれも出来なくなって、現在の皮は、中国からの輸入なんだそうだ。 

で、そのあと普通に「転宅」で、 これは何故選ばれたかというと、サゲが、 
「あの女、元はなんだい?」 
「へい、娘義太夫の太夫だったそうで」 
「道理で、上手くかたりやがった!」 
というところからだろう。

仲入り後、迫力の素浄瑠璃。お人形無しで、どれだけついていけるか不安だったが、 なんとかついていけたと思う(笑) 

まず、舞台正面に、3人の太夫さんたちと三味線の藤蔵さんがズラリと並んでいる。 通常文楽では、お人形が芝居してる所。 
ひたすら耳だけを頼りに、お芝居の世界へ・・・ 

相撲取り夫妻と、敵対するもう一人の相撲取りを、3人の太夫方で分担。 しっかりと役柄で分かれてくれたので、会話が聞き取りやすかった。 

佳境に入り、相撲場での「矢倉太鼓」。 

これを太棹の三味線で表現します。三味線のバチで、太鼓のような音を出す訳だ。 で、どんどんスピードアップして、弾いてる藤蔵さんの表情も、 だんだんロッカーか、ジャズのセッションしてるギタリストのように・・・ 体も前のめりに揺れ、かけ声もどんどん飛ぶ。 さらに、バチも宙を飛び、太神楽ばりに、隣の清志郎さんが受け止めてみたり・・・

こ、これは・・・ロックだ!ノリノリやん・・ 

明治大正期、寄席で、女性の義太夫がもの凄い人気だったというが、 「これか!」という感じだった。 

大きな拍手に包まれて幕。 
このあと出て来た菊之丞さん、やりにくそうだった。。 

もう、終演でいいですよね、なんて。 
「寝床」も、素人義太夫の噺。 やはり、「豊竹屋」のように、実際に義太夫を語る噺は避けた、というところ。 

対談の終わりの頃、やはり某市長の話題に・・。
菊之丞さんが見に行った日が、たまたまあの某市長が楽屋訪問した日。 
なんだか物々しい雰囲気だったようで・・ 

「近松にイチャモンつけた」と言ってたが、 文楽側のお二人は、この話題は微妙すぎて、コメントできなかったようだったのが残念!