犬山伏   出家   茂山千五郎
      山伏   茂山七五三(しめ)
      茶屋   茂山逸平
      犬    島田洋海      後見 松本薫

竹生嶋詣  太郎冠者 茂山茂
      主人   茂山童司      後見 丸石やすし


      (休憩)

靱猿    大名   茂山正邦
      猿曵   茂山千五郎
      太郎冠者 井口竜也
      子猿   茂山虎真  後見 茂山茂・丸石やすし
      地謡  松本薫・茂山七五三・茂山逸平・茂山童司


茂山千五郎家三代揃っての「靱猿」が、目玉の公演。
すでに京都で演じているので、2日間Wキャストの双子、竜正くんと、虎真くんには心配はない。

少し前に、体調を崩された ご当主、千五郎師が心配だったが、
杞憂で何より。

うつぼに貼るから、猿の皮を貸せ、と居丈高に言募る大名。
弓を射る真似までして、強面。

もちろん、貸すことなどとんでもない、死んでしまうと断る猿曵だったが、
ついに自分の命まで取られるといわれ、猿の皮を渡す決心を。

ところが、猿は自分に迫る運命など知る由もなく、
打殺そうと振り上げた棒を取って、船を漕ぐ芸をしてみせる。

これを見た猿曵は、号泣して、
たとえ自分も殺されようとも、この猿の皮を渡すことはならぬ、と言う。

ここに至って大名も感じ入り、
猿の皮を取ることを諦める。

喜んだ猿曵は、猿に踊りを踊らせ、大名のご覧に入れようとする。
猿は、あまりに上手に舞ってのけるので、次第に興にのってきた大名も、猿の真似をして踊りだす。

大名は、まず猿に自身の扇を与え、
続いて猿曵に刀を取らせ、身につけていた袴や小袖までやってしまう。

大名はどんどん身につけた物を取り除き、
ついには太郎冠者とあまり変わらぬ姿になり、猿の踊りを真似る、という、権威の失墜。立場の逆転。

最終盤には、地謡が加わり、
猿の踊りも次第に祝祭性を帯びてくる。

庶民万歳!
そして、五穀豊穣を言祝ぎ、静かに終わる。

千五郎師、お孫さんの虎正くんを背負って、
無事引っ込んで行った。
よかったよかった。