通勤車両PCXのメンテナンス | 欧州車かく語りき。

通勤車両PCXのメンテナンス

タイトルには”通勤車両”も銘打ちましたが、実際には夏頃から通勤には使用することがなくなった我が愛車「PCX 150 KF18型」の整備備忘録。

依って実際の使用用途はすっかり「雨天気配」のツーリングにのみ使用しており、チョイ乗りではない分、経年劣化の進行は距離の割に少なくなってきたと言えますが。

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地味に改造されたこのPCXですが、方向性としては通勤メインだった為、燃費重視の調整を行っております。
特にブログでお伝えすることもなかったのですが、フロントブレーキの大径化や社外品プーリーの導入、消耗品であるタイヤの交換等は済ませてあったりします。

総走行距離の7割以上が通勤でしたが、その間に一度もメンテナンスをしていなかったリアの駆動部である「ドリブン側」を一部を除き交換しました。
ホンダ車にはよくあるという後輪を回転させたときに発生するリア周りからの「グゴォーーー」という音。これは私の記憶の中では新車時からしていたもので、こんなものだろう・・・ということでさほど気にしていませんでした。

しかし、ネット上でPCX整備関連の記述を読むにしたがい、これは普通ではない事象であることを認識。総走行距離が20,000㎞を超えたのを機に交換に踏み切りました。これからもツーリングで使用することを考えれば当然かと。

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左側20,000㎞走破したドリブンフェイス。右側は新品。
画像にはありませんが、底側もあります。この部品の筒部の長孔にピンが嵌り、そのピンが上下に移動するので当然ですが、この長孔はどんどんと拡がってしまい、ピンにガタが発生します。この長孔の直線具合が加速特性を変化させてます。
鉄製の部品故、フェイス面の摩耗は感じられませんでしたが、ピン装着状態だとガタは発生していた。
グリスを多用する作業により、画像があまり撮れず残念至極な状況ですが、問題なのはこの部品より底側部品。その部品には2つのベアリングが内蔵されており、それが先述の「グコォーーーー」という音を出しているのは容易に想像出来た。

そのドリブン底部に挿入されているベアリングは「ニードルローラーベアリング」と「ローラーベアリング」だが必要以上にグリスをねじ込んだのは言うまでもなく、中華製ベアリングだったことを考えるとベアリングも入れ替えたかったのが正直な所。

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この緑色が眩しい部品は遠心クラッチのシューの部分。

ノーマル製品はもう少し使用出来たが、軽量化と磨材の材質変更を狙っての交換。
ここに装着されている赤い部品はクラッチスプリング。これが遠心力で拡げられ、この部品の外側に装着されるクラッチアウターという「深いお皿」の様な部品に接触し動力を伝達する仕組み。
よく巷で「強化クラッチスプリング」という部品を見かけますが、このスプリングが固くなればなるほど、遠心力でのスプリングが伸びる時間が遅くなり、車体のゼロ発進が遅れます。
何故遅くするのかと言えば、クラッチが拡がる時間が遅れれば遅れるほどクラッチが接続される回転数が上がり、クラッチ接続がより高回転になった状態で行われることでゼロ発進後の加速が良くなります。

しかしツーリングで使用するには、アクセルを開けた瞬間のゼロ発進の方が優先であり、強化スプリングの必要性はありません。
依って強烈な硬さの赤いスプリングは外してノーマルのスプリングに換装しました。私に取って重要なのは信号が青に変わってアクセルを開けた瞬間(遅くても良い)に動き出して欲しいのです。つまりこの部品を強化する意味がなく、クラッチの接続のみを確実にしたいのです。

そしてこの部品のもう一つのこのクラッチの目的は「軽量化」です。
この製品の販売サイト受け売りですが、ノーマルの重量1,100gに対し1,020gというもの。小さく見える数値かも知れませんが、私には程よい数値なのです。

「程よく」を超越し過ぎて「軽量過ぎる」ものが巷には多く見られます。
この部品はクラッチアウターを含め、車でいうところの「フライホイール」であり、
動くための”トルク維持部品”なのです。いわば”力を蓄えておく場所”となります。

軽量フライホイールもある程度は効率が上がりますが、あまりに軽量化し過ぎると、
レスポンスは大きく向上しますが、その一方で力を蓄えておけず、エンジンの出力のみになってしまい、パワーのない車両では”坂道を登らない車両”になってしまいます。つまり最高速も落とすことになります。
PCXでのベストは700~800gと言われており、それより軽量化すると最後の一伸びがスポイルされる可能性大。ツーリング用途では上にも下にもノーマルより大きく数値変化させないのがベストと考えます。(レースで使用するならいくら軽量でもアリだと思います)

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駆動部を開けたついでにフロント側のプーリーフェイスの摩耗とスライドピース、及びウェイトローラーの点検を実施。因みにドライブベルトは13,000㎞走行時に1度交換している。
確認するとスライドピース(残念ながら画像無)とウェイトローラーが大きく摩耗していたので即交換。さすが20,000㎞超えの車両。
とは言ってもこのウェイトローラーは4,000㎞程度しか使用していないにも関わらず、この摩耗は中々酷い。

通常摩耗するにも”D”の形に摩耗するのが定石であり、この段付きはどうしてできたのかが興味深い。
転がるだけの部品であり、転がれずに一か所で固定してしまって”D”の形に摩耗するのは理解できるが・・・。

私の使用する社外品プーリーはローラーの転がる溝が6か所あり、3か所づつで駆け上がり角度が違う製品。その角度によりウェイトローラーの重量に差異を設け、スムーズな無段階変則が得られます。
それが影響してか軽い方が圧倒的に摩耗が進む。これはその軽い方だ。
重い方はほぼ摩耗無しだったことを考えるとストップ&ゴーが多い通勤では致し方ないのかも知れない。

そして最後にギアオイルを交換してフタを閉めて終了。

リア周りから発生していた「グコォーーーー」という音は全くしなくなった。
無事メンテナンス終了。今回はウェイトローラーを合計で3g重くしたので、走りはほんのりゆったりとした感じになった。ベアリングを新品にした相乗効果でこれなら冬場でも燃費50~55㎞/L程度は確保できそうです。

ノーマルの加速感を維持し、最高速だけを求めている私のセッティングはクリアしている。
実際の数値はエンジンは全くのノーマル状態で、最高速度はメーター読みで「130km/h」(無風条件)程度。これだけの最高速度を確保していると高速道路での巡行は100~110㎞は楽に可能です。

次回はフロントフォークのOHとフロントホイールのベアリング交換、リアショック換装で更なる乗り心地の向上を予定しております。既に部品は調達済なので、今から楽しみでなりません。

正直、以前に乗っていた「T-MAX530」よりPCXの方が快適で速く、安心して乗れるように思います。