通勤快速新調! | 欧州車かく語りき。

通勤快速新調!

イメージ 1
先日まで大活躍中だったスズキ製のヴェクスターが総走行距離50,000kmに迫り、いよいよ心許なくなってきた事により、以前から探していた車種の出物がついに見つかった。

昨今よく売れていると思われるPCX。

中々、中古で出回らないこのオートバイは見つかったら即買いせねばならない。それでも中古車サイトで出回る個体は激安量販店の新車価格とそれほど変わらない。
そこで知人が通勤用に購入したものの、購入直後に配属先変更となり、たまたま探していた私に話が回ってきた。

知人だけに私に取っては非常に安価、売る方には非常に高価であった事で話はスムースに決まり、先日私の手元にやってきた。

購入後間も無いことから、フルにノーマル状態であり、通勤快速へと仕立てるとします。

先ずはリアのトップケース装着。

GIVI製のトップケース30Lをネットオークションにて購入。数千円で購入出来るこのケースとBMW純正との価格差は一体何事か。確かにBMW製が良く出来ているのは認めるも、中身は脱いだパンツか靴下位なものだ。それに3箱ウン十万という金額を私は払う事ができない。ま、ユーザーからすればそれもデザインの一部という事なのだろう。それもヨシだ。

イメージ 2
旧PCXは穴開け作業を伴ったが、新型PCXはそれが不要。この三角形のフタの黒いワンタッチビスを2個外すと・・・。


イメージ 3
するとベースを取り付けるためのネジ穴がご丁寧に現れる。さすがホンダ技研様。
そこへトップケースの専用台座を取り付ける・・・と言いたい所だが、そう都合良くもいかない。

イメージ 4
台座を装着する為に台座が必要に。
因みにホンダ純正ケース使用ならば、ステーとケースのみで装着可能。しかし社外品を装着するには更に一手間必要となる。
ケース本体が中古、ケース台座も中古、台座の台座が新品!というのも悔しいし、台座の台座が一番高額になってしまうのも納得出来ない。(台座がメーカー新品だと結構なお値段する)
ということでワンオフ製作。製造業に従事していて良かったと思う数少ない満足感。

本体はガラスエポキシ積層板は5mm厚、そのかさ上げの為のカラーはMCナイロンにて製作、外径はφ16。
両方共素材はプラスチック。知見の無い方は強度的に不安に思うだろう。実際、私もそうだが自身の責任範囲内人柱的使用。
とはいうものの、私は樹脂及びプラスチック業界に断続的に20年以上携わっており、それなりに理解しているつもりでもある。無論、職業柄VA提案や比較説明も行う為、その対象である金属も無知では仕事が成り立たない。

このガラスエポキシ樹脂(薄緑色)はガラスクロスをエポキシ樹脂で熱硬化させたもので、プラスチックの中では非常に強靭な素材。この場合全く関係無いが、非常に高い絶縁性も有しており鉄道関連には相当量使用されている。SUS304(ステンレス)対比で8割程度の曲がり強度も確保している。
そしてかさ上げ用カラーとして使用するMCナイロン(モノキャストナイロン)も非常に高い靭性数値を示し、余程の事が無ければ割れる事はない。同じMCナイロンで更に高強度品もあるが今回は急場凌ぎという事もあり通常品利用。昨今のオートバイのグラブバー等はパッセンジャーが握って冷たくない様に、66ナイロン(ガラス含有)を使用している事もある。

実際問題、ケース台座がポリプロピレンらしい樹脂である事を考えれば、金属を使う必要もなかろう。そして副産物として金属より軽量であり腐食することもない。

イメージ 5
最初に台座とケース用台座をカラーを挟んで固定する。前方は本体へ直接、後方はケース用台座との共締め。M8使用で前方首下50mmと後方60mm。


イメージ 6
少々見えづらいがM6のボルトでケース用台座をワンオフ台座へ固定。四角いワッシャがフレキシブルでよく考えられている。この時点でケース台座を揺するとケースが撓む程、固定力は上々で問題なさそうだ。

イメージ 7
もう少しカラーは短くても良さそう。こちらも前側に35mm、後側が30mmを使用し、車体の傾斜を補正。ワンオフベースとカラーに隙間があるがまだ完全締結前による。

イメージ 8
無事装着完了。ワンオフ台座及びケースをかなり強く揺すっても現時点で問題なし。
むしろ本体とケース台座に一番ガタがある。

イメージ 9
さて次なるアイテムは、極端に短く全く意味をなさないノーマルスクリーンから出しゃばり過ぎない程度のスクリーンへ交換。
スクリーンもネットオークション購入だが、さすがにキズや打痕の気になる部品だけに新品を入手。

ハトヤなるお店からの購入だが、軍手を入れておいてくれるという計らいが粋。
オマケに同じ部品を出品している業者より僅かに安価でもあった。



イメージ 10
スクリーン前方下部に取り付けネジが2本を外し、ヘッドライト上にガーニッシュ?と思しきプレートを外す。そしてそれは画像の様に左右端部にツメで固定されている。



イメージ 11
とてもデリケートな作業を強いられる部位だけに、慎重に扱わないとツメが折れる。
状況や手応えが分からない初回は特に注意が必要だったが、無事取り外し成功。



イメージ 12
ガーニッシュ?らしき部品を外すと新たに10mmのボルト4本が現れ、それを外すとスクリーンが外れるの画。この黒い部分の真ん中にあるモノは??

イメージ 13
おそらくETCのアンテナの収納場所。だとするならば、痒いところに手が届くというものだ。素晴らしいホンダ技研。

イメージ 14
逆の手順で組み上げ終了。
ボルトの渋い箇所があった為、グリスを薄く塗布して装着。
こうする事でキシミ音も低減されることだろう。
上に向かって30cm程度伸びているが、上端へ向かう程に左右幅が絞り込まれている為、走った際の変化は特に感じることが出来なかった。もう少し長い時間を走れば気がつくことがあるかもしれない・・・。

短いスクリーンがブームな様だが、私が必要なのはビジュアルより実用性。となればもっと大きな・・・とも思うが、やはり少しはビジュアルも・・・という中途半端な大きさが中々ヨロシイ。なんでもこのスクリーンメーカーはアジア向けのホンダ純正部品を作るメーカーとのこと。何の問題もなくスムースに装着出来たのはそういったことも影響しているだろう。

また少ししか乗っていないが、このPCXという車両はとても私を満たしてくれる。
貧乏臭い話かもしれないが、まず燃費が大変ヨロシイ。アベレージ燃費がメーター内に表示されるが55km/Lを下回った事がない。今の所の最高表示は65km/L。通勤に数回乗っての満タン法での実測は51km/Lだった。これから冬場に掛けて多少落ちるだろうが、40km/Lを切る気がしない。

ボロスクータに乗り込んでいたという事もあろうが、スタート時の滑らかな発進、エンジンが伸び切ってもそれは変わる事もなく持続される。大径ホイールからくる絶大な安定感、幅が細く見た目頼りないタイヤではあるが、その細さが低燃費を実現させる要因の一つであるならば特に気にならない。そしてフルLED化された灯火類も光物好きには堪らない装備であり、アイドリングストップに依るバッテリ上がりにも対処している。
実際は暗いかと思ったヘッドライトだが、意外に明るかったのが予想外であり、スクーター、それも原付二種クラスであれば十分である。

しかしながら、気になる点がないわけではない。

とにかく足回りが硬い。2人乗りを想定してか、いや、アジア辺りでは5人乗り程度を予想してのセッティングかと思える程、突き上げ感は中々のもの。このクラスのスクーターにしては高額の部類ではあるものの、やはりアジア製でコストダウン感は否めず、シートはかなり安っぽい印象だ。
シート下も前後に長いが、フルフェイスヘルメットは銘柄を選ぶし、ジェットヘルメットと小さい雨具を入れたら他には何も入らない。
足元にもフレームが通っている為、センター部が大きく盛り上がりモノを置く事は不可能。ただ足で挟むという意味ではニーグリップならぬ、くるぶしグリップが可能で安定感を少なからず生んでいる。

マジェスティSもどうかと思ったが、スクリーンが大きく出来ない(ノーマル形状という意味)、燃費がPCXに及ばない、大きく重い、今更ハロゲンライト等々で選択肢から消えたが、全体的な高級感やパワーという点ではマジェスティSの方が上かもしれない。

でも、私はこのPCXを手に入れた事を嬉しく思っています。