いつかは乗ってみたい・・・

お金持ちとか、悪い事してるんじゃないかとか、遊び人の”金”さんとか、そういう形容の仕方は止めましょう。
子供の頃、ウチでは山田隆夫の軽快な司会で放送していたスーパーカークイズにクギ付け、学校ではスーパーカー消しゴムを”BOXY製のボールペン”で飛ばしてた時代。
そんな幼少時代に好きだった車は、ランボルギーニカウンタックではなく、フェラーリ512BB。
当時の公表値で、カウンタックの最高速が300km/hだったのに対し、僅か2km/h勝る302km/hの速度を誇る512BBに惹かれたのが遠い記憶に残る。
クラスの多くの女子がピンクレディのモノマネをやっている横で、男子はほぼ全員と思える程スーパーカーに熱中していた。

赤が眩しいこの高額嗜好品は、バブル時代に”億”のプライスが付いていた機種も存在する。
バブル崩壊直前直後辺りに社会人になった私の給料は、時代の恩恵を受ける事など出来るはずもなく、この手のスーパーカーを小学生時代と同じ消しゴム程度でしか身近に感じる事が出来なかった。
身近に感じる事が出来なかったもう一つの理由として、90年代には各国産メーカーから元気なスポーティカー(敢えてスポーツカーとは言わない)が数多発売されていたのも要因。
25年振りに満を持して復活した日産スカイラインGT-R(R32)が発売された頃がピークだっただろうか。
あのスバルがレオーネを大きく発展させた”レガシイツーリングワゴン”が発売され爆発的ヒットとなり、この辺りから日本の自動車事情は変化を見せ始めた様に思う。
快適な居住空間と走行性能を合わせ持つユーティリティ重視のこの手の車は、私の様な中途半端な車好きに受け入れられた。
当時は車が売れていた事もあり、メーカー開発費も比較的潤沢にあっただろうからイヤーモデルとしての進化も著しいものだった。
我々車好きが世代が大人になり、自分好みの車を購入する事は許されない環境となり、今や何処の国産ディーラーを除いても車高が2メートルに迫る車ばかり。
移動の手段として文句無く使い勝手がヨロシイそれらを必要としない私に取って、現在の国産ディーラーに行ってももう居場所は無い。

富裕層では無い私には、このメーカーの車は相当高いハードルなのは言われなくとも自覚している。
”外車”というカテゴリーであれば、もっと国産メーカーに近い価格のモノがあるのも分かっている。
常人であれば「宝くじが当たったら・・・」という”ノリ”が普通。
しかし、そういう人は”間違って”当っても”間違い無く”買わないでしょう。
何故なら本当に欲しいと思っていないから。
高額であること、二人しか乗れない、無駄に車体の幅は大きい等々、購入出来ない理由が山積。それでも欲しいと思っている人はローン地獄覚悟でも購入する。
何故なら本当に欲しいと思っているから。普段の生活を犠牲にしても至極の週末の為に・・・。
実際問題、中古車という条件さえクリアなら、BMWのオートバイに200万円以上出せる人であれば買えないはずない。
子供を二人も三人も育てて、大きな郊外の1戸建てのマイホーム、車は国産ミニバン上級グレードに乗って家族でスキー旅行・・・こちらの方がはるかに裕福なのは誰の目にも明らかではないか。
そんな連中にイタリア製の赤い車に乗っているだけで、金持ち呼ばわりされるのはどうかと。この車の本質を理解していなければ当然といえば当然だが。慎ましい生活の上に赤い車があっても良いではないか。
オーナーや専門店に実状を聞くと、オーナーの殆どが単なる車好きで、ローンを組んで購入されている方が8割だそう。意外にもサラリーマンが多いとの事。

この手の車に乗る機会が稀にあるので、ほんの少しは理解しているつもりだが、後ろにあるエンジンの熱気のより効かないエアコンで、額に汗しながらのドライブを考えたら国産車の方が余程快適だ。
オマケに100%?故障しない国産車の方が気分的にも安心だろう。
締め上げられたタイトな足廻り、2人乗りの割には狭い室内、大きな排気音、乗り降りし難い車高等、ここまで言うと良いトコが一つも無い様に思われるかもしれないが本当の事だ。
本当のお金持ちはこんな苦労はしていないと思われる。
それは中古で売られている車両の距離数を見れば一目瞭然。
成功者の証として購入してみたもののイメージと大きく違ったという事で売却されただろう車両が目に付く。
単なる高級車ではなく本物のスポーツカーだから。走る為だけに生まれて来た車だからに他ならない。そこを富裕層の方々は間違えている様に思えてならない。
その真価は”ドライビング”に集中した時のみ垣間見れる。
クローズドコースや他車の居ない早朝の山道でしか、これらの車の良さは理解出来ない。しかしその瞬間のドライビングプレジャはオートバイのファンライドを唯一越えられる時となる。これは速い遅いという事ではなく、「走らせている」「走っている」事への満足感。今までオートバイを長く乗り続けてきたからこその感覚。
5バルブ、3500ccのV8エンジンから放たれる高音のエキゾーストノートはF1か高回転エンジンオートバイさながら。或いはそれ以上官能的だ。
こんな車が世の中にあるのなら、大借金してでも、もっと若い時分に購入しておけば良かったとまで思わせる。
若かりし頃、一時的に車にハマった時期があったが、誰もが通る”麻疹”の様なモノだと感じ、自身はオートバイの方が断然楽しいと思って乗り続けて来た。
しかし世界に名立たるスポーツカーメーカーが本気で造った車がこれ程素晴しいとは思いもしなかった。
現実問題”買えない大前提”という意識の下、近づけない近づかない自分が居るというのが自分も含め普通なのだろう。
”乗ってやろう”という強い意志があれば、いつかは必ず乗る事が出来ると思っている。
車購入事項だけに限らず、人生において目的に向けた強い意志を維持する事が、不可能を可能にするには必須事項だろう。
何やらウィークディから夜更かしをしてしまいました。
最後まで駄文を読んで頂き感謝致します。