非日常のトスカーナ

それでも今日はローマを離れる。
ローマという街に馴染む前に離れてしまうが、街の至る所が遺跡発掘現場である事を考えれば、完全に攻略出来るのは住んでいても100年以上掛かるかも知れない。
「パッパルー、パッパルー!」と10分に一回は聞こえてくる救急車の音や、悪気の無いクラクション、風情があるとは言え歩き難い石畳み等々…。
私に取っては気が滅入る環境。


色々と文句を言いつつ、とても贅沢な時間である事は間違い無い。
そのローマからレンタカーを借りて出発。
予想した以上に楽に市内をやり過ごし、アウトストラダーレに滑り込むと一路フィレンツェ方面へ。
宿を決めていない今夜は自由に行動出来る。
アウトストラダーレを途中下車して、シエナという街へ。
ローマとは圧倒的に行動し易い市内は駐車場も容易に見つかり安価だった。
駐車場から徒歩で中心部へ。
するとカンポ広場なる大きな貝殻の形をした空間に出た。

私もその雰囲気を愉しむべく、飲物を調達後し腰を降ろしてみた。
すると敷き詰められた床のレンガはお尻を仄かに温めてくれる程、陽の光を吸収していた。
なんと気持ちの良いことか…。
週末のホンの少しの変化の為に、ウィークディを犠牲にした生活を送っていたコトがふと思い出される。
これほど充足した事があっただろうか。
少なくとも15年は感じた事の無い感触だ。
こういったリフレッシュが許されない人種である日本人に生まれたコトを恨むしかないか。
平日であるにも関わらずここに座る日本人以外が沢山いるのだ。
私は運良くこの機会を得る事が出来ているが、日本人として少々申し訳ない気持ちもある。
生活の大きな変化…そんなのも大事かな?と再確認する昼下がりでした。