KAWASAKI KZ1000 mk2 に乗ってみて・・・。

ある友人からたまたま連絡があり、そのついでに走りに行く事になった昨日。
良く晴れた風のない絶好のオートバイ日和だった。私は当然BMWで出掛けたわけだが、このオーナーはBMWを社交辞令かもしれないが、一応欲しがっている。
ここ数年買換えに関して同じ事をいう男だが、試乗は何度かしたものの、やはりじっくり余裕のある時に乗ってみるのが一番だ。
そして巨体のGSのADVをしばらくの間、託してみる事にした。
そうなると私はその男のオートバイに乗るしかない。何度か乗った事のあるカワサキ製KZ1000-mk2。所謂Z1~Z1Rからの流れをくむ3世代目のZ。
空冷4気筒DOHC2バルブ、表記通りの1000ccの当時カワサキのフラッグシップのオートバイ。
GSを託した際、「飛ばさないでくれ」との事だったが、慣れない空冷4気筒、ポジションも脚が窮屈で、クセのあるケイヒンの強制開閉キャブレタに手間取っていると、付いて行くのがやっとになってきた。
しかし、よくよくこのカワサキとの距離が縮まってくると、印象が変わってきた。
重さもそうだが、大味なコーナリングは実に優しいオートバイだ。
自然なコーナリング性能はまるでGSの様で、これはフロント19インチタイヤから来ているものだと感じた。
国道299号の小鹿野から志賀坂峠、ぶどう峠を越えるまでの間、そのハンドリングをたっぷりと堪能した。
なんとクセのない事か・・・最初は苦戦したキャブレタも、後半にはクセをクリアし、問題無いレベルにまでエンジンは回る様になっていた。
本人曰く、「高所故、途中に引っ掛かりがある」と言っていたが、私には問題を感じる事は出来なかった。自分で言うのもなんだが、アクセルワークがラフ?等の問題があったかのかも。
実はこのカワサキ、アドバイスによりエンジンもOHしてあり、その際ハイコンプピストンを組み込み、シリンダにはメッキ加工が施されている。
そしてさらについで?にフレーム塗装、足回りのOH及び組み直しが行われている。(パワー自体は10%程上乗せか)
当時、18インチホイールや少々太いフォークの換装を薦めたが、予算的な理由で実現しなかった。
が、しかし、それはそれで正解ではないかと思えた。
お世辞にも太いとは言えないフレームやフロントフォーク、細いバイアスのタイヤ。エンジンは一度持ち上げたが100キロ以上あるだろうと思える程。
それらが見事にバランスしており、GSと遜色ないほどに走る事が出来た。若干ブレーキが利かない印象だったが、ここだけはAP製のブレーキキャリパー及びパット、マスターシリンダの相性を見直すポイントだろう。
僅かながら上がったエンジンパワーは全域で向上している為か、特に乱暴な仕上がりではないからこそ、その他の調和を邪魔するものではない。
その昔、倒立フォークにケツ上げした見た目重視のZに乗る機会があったが、恐ろしくて乗れたものでは無かった。もちろん実績のあるショップが組み上げた物であれば問題無かっただろうが、素人が見よう見マネで造り上げた物などは、どうしょうもないを通り越して「死を覚悟」する程の物だった。

「ノーマルのZは良く走る」と何処かの雑誌で読んだことがあるが、それは本当だったようだ。以前のダモノ車両のお陰でついつい構えてしまった。
カスタムというのは、完調という前提の下行われるのが必然であり、例えるならタイヤの溝や空気が減っている状態でいくら良いショックアブソーバを入れても無駄意外の何ものでもないという事。
せっかくカスタムするなら機能重視で手を入れていかないと予算は天井知らずになる。
当たり前の事だが、今回の試乗でそれらが再確認が出来た。
しかし、現行車両よりバランスという意味ではこの時代のオートバイの方が上ではないかと思えてしょうがない。
現代と違い、安価で良い材料というのも無く、技術力や設計するのもケタ違いに手間が掛かったはず。
にも関わらず、現代のオートバイと同等に走れる30年前のオートバイを設計した人達の地道な作業は計り知れない。
それが100万円を軽く越える価格で、未だ取引されているのは致し方ないと思えてきた。
4輪もそうだが、昔の車両の方が手間が掛かっているのはBMWも含め間違いない。

そしてGSを乗ったそのカワサキ男の印象はというと、「今までだいぶ楽してきましたね?」という言葉だった。
特に発言しなかったが、私に言わせればそれ程変わらないでしょう?といった所。
当の本人が買い替えるかどうかは不明だが、最新のBMWを買うならそのままでも良いと思った。敢えて薦める事もしない方が良いとも思った。
買い替えた事によるメリットは”乗りっ放し”で良いという事だけで、あとはこのカワサキにも同じ様に備わっているし、手放したら最後、もう二度と同じモノは手に入らない事を考えると、乱暴に言うならば、今のBMWにはそこまでの魅力は無いと思う。
3世代のボクサーを乗り分ける事の出来る環境に、”運良く”いる私がいうなら、少しは伝わりますか。
これは千差万別十人十色、色々な考え方がある中での、私の考えでしかありませんが・・・。
これ見よがしの煌びやかなモノも結構ですが、私は年のせいか、地味によく仕上がったオートバイが好きになってきました。
GSのオーリンズも黒色にしたいと思う今日この頃・・・しかし地味に仕上げるにもタダでは済まない。
※駄文に最後までお付き合い頂き感謝すると同時に、次回は少しでも進歩していくよう努めます。