欧州コンパクトカーの誘惑
先週に引き続き、意外に楽しい欧州車のディーラー回り。
オートバイに乗る機会がめっきり減ってしまう真冬の暇つぶしにはもってこい。
国産よりやや富裕層の方々が訪れるだけあって、ご馳走になるコーヒーも一味違いますし・・・。こういうと失礼ですが、国産ディーラーより明らかに車好きな営業マンと、カフェで車談義を愉しみながら、至福の一時が過ごせます。

ま、こんな感じです。安い買い物ではないので、冷やかしもアリではないでしょうか。(もしかすると勢い余る可能性だってあるわけですし)
私も業種違いの営業マンですから、買いそうもない客に買わせるのも営業マンの実力の一つと思います。
冷たい雨の降る中、今回お邪魔したのは”アバルト”イタ車です。
勉強不足であまり詳しくありませんが、イタリアの小さい車を専門にチューニングして販売する、これまた小さなメーカーです。
私が生まれる前に数年間、名を馳せた様ですが、その名を持った車両が存在しない時期もあった様子。
2007年にフィアット500の復活に伴い、アバルトの名を冠したモデルを発売。
コンパクトカーを見て回る私に取って一番小さなモデルであり、実車を間近で見るのが楽しみだった。

お目当ての車両はアバルト500(チンクエチェント)これで全長はおよそ3.6メートル。最近ホンダから発売された”Nボックス”より20センチ程長いが、とてもそんな風には見えない。

特別なエアロパーツが与えられ、低く抑えられた車体に偏平タイヤを履いたその姿は”山椒は小粒でピリリと辛い”という言葉がぴったり。
往年の姿が重なる。5速なのが残念に感じてしまうが、DOHC1400ccにターボを装着したエンジンは、たった1100キロの車体を引っ張るに十分と言える。
しかし、しかしです・・・。

この狭さは、私にとって絶望的でした。膝に殆ど余裕が無いのが見て取れます。175センチの私は意外に足が長いんです(自画自賛)が、横幅も必要以上にあるので、実用を考えると無理でした。週末専用車なら良いんでしょうが、毎日の通勤と年一回の帰省を想像すると・・・。
結局コイツには乗りませんでした。冷やかしだから乗っても良かったんですが、雨にも関わらず数多の方が試乗に訪れていたので止めときました。

そして、横に合ったコイツに目を奪われました。

先週お邪魔したフィアットにあったはずの”グランデプント”。
色と専用外装が装着されたこの車両は、つるしのプントとは全くの別物。当たり前といえば当たり前の話だが、やはりイタ車は熱い。
この車はアバルトの”プントエヴォ”やはり1400ccターボのホットハッチ。ちなみに左ハンドルの6速MTのみの設定。

”アバルト”の名前が付いただけといえばそうだが、こうも魅力的にチューニングをするイタリア人は、やはり感性が日本人と違うようです。
サソリデザインのホイールが堪りません。
基本アルファロメオのミトと共通のエンジンはマルチエアエンジンというモノで、吸気のカムシャフトが存在しない事でSOHCという事になる。
しかし吸気側のカムシャフトを油圧で制御しているだけなので、実質DOHCと呼んで良いのではないかと・・・。
すっかり心奪われた私は、この”プントエヴォ”の試乗へ担当営業マン試乗に出掛ける事にした。
時折みぞれやあられの混じる冷たい雨の降る過酷な状況の中、この熱い車はどんな走りをしてくれたのかというと・・・。
ルノーやシトロエンと同じく、全ての操作が軽い。クラッチ、アクセル、ハンドル全てだ。
ノーマルモードとスポーツモードの選定が可能であり、スポーツモードだと163psのパワーを得る事が出来、合わせてハンドルにやや手応えが出てくる。

アイドリング状態で少々近いクラッチを繋ぐと、スルッと発進してしまった。ターボ車といえばターボラグだが、最近のターボ車はとてもよく出来ており、ラグを感じる前に加速体制に入ってしまう。それはアイドリング直後の1500回転から有効。ほんの少しアルファロメオのミトよりパワーが少ないとの事だが、営業マン曰く殆ど分からないそう。
慣らしを終了しているとは言え、2000キロ程度しか走っていないわりには、全てがスムースでありながら、ターボの存在を明確にしているのは味付けが絶妙である事に他ならない。
見た目から、かなり締まったモノを想像していた脚だが、どうしてどうして、非常にソフト。もちろん単に柔かいという国産車とは違い、腰を伴ったモノであり、それほど攻め込んだわけではないが、奥ではそれなりに踏ん張ってくれる。さすが無用に高額なわけはありません。

チンクエチェントには無い対抗ピストンのブレンボキャリパ。コンパクトカーなので軽量な部類だが、チンクと比較してやや大きく重いだけに当たり前でしょうか。
このブレンボの手応えというか足応えがとても良かった。完全ウェットにも関わらず、速度の殺し方がとても良い。効力も必要以上。他にもブレンボ製装着の車両はあるが、この手のカテゴリでは今まで乗った中で間違いなく一番。(あくまで私の主観)

3ドアハッチバックながら運転席助手席のそれなりのスペースを確保しており、アバルトのわりにマイルドな乗り心地と相まって、普通に乗れて、熱くも乗れる。
この充実ぶりで、一回り小さい500(チンクエチェント)より安価なのが、また良いではありませんか。
ここ最近で5社のコンパクトカー、いわゆるホットハッチと言われる部類を間近で感じてみたが、今現在、私の中では・・・。
アバルト”プントエヴォ” >シトロエン”DS3” >フォルクスワーゲンポロGTI >アルファロメオ”ミト” >ルノー”ルーテシアRS”
という順序でしょうか。
”アバルト”は久しぶりに気に入ってしまいました。活躍していた当時を全く知りませんが。
4輪や2輪のインプレッションは、そのインプレッションをする人の経験値や愛車歴、好みやライフスタイルで全く違うモノとなります。
上記のランキングも、私の”使えるお金”等も考慮した順序となっています。ハイエースを常用していて、欧州メーカのオートバイを乗る私の印象でしかないので、その上で参考になると幸いです。
ミニとプジョーがないのは、巷に走り過ぎていて私の選定から外れてます。こんな個人的主観もあるので、いかにクチコミが当てにならないか・・・というのは”食べログ”が実証してしまいましたね。
でも、私買いません。というか買えません(笑)
しかし、色々乗って見るのは楽しいですし、各営業マンの思い入れがあって話をしていても楽しいです。また時間があれば出掛けてみたいです。