世に出る前に閉ざされてしまった空間 | 欧州車かく語りき。

世に出る前に閉ざされてしまった空間

富士五湖の一つ、逆さ富士で有名な湖の畔には沢山の廃墟が点在する。
 
バブル時代に建てられたその施設達は、一時は夢見がちな人々に持て囃された。しかし一度不況の煽りを喰らえば、たちまちその記憶と共に置き去りになる。そんな物件が多いのは熱海と同じ。
 
湖畔そばに建つこの物件は、オートバイならそばまで行けそうだが、4輪ではそうもいかない。駐車場に停め徒歩にて向かう。
 
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湖畔沿いの県道から、やや急な坂を上り歩くこと15分。大手建設会社の柵が見えてきた。そしてその奥に何やら建物が・・・。
 
廃墟というのは、当然だが案内板や地図があるわけではない。ネット社会である現在であっても、直接地図や住所が載る事は皆無。
それが廃墟マニアの常識であり、教えもしなければ聞きもしないのだ。
 
よってほんの少しの情報から、それらを探し当て無ければならず、それなりの苦労が必要。それでも今回は楽に見つかった方だ。散々歩き回って見付からず、徒労に終わる事も稀にある。
 
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脇道を降りて行くとお目当てのモノが見えてきました。
 
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コンクリート打ちっぱなしの立派な建物。この後塗装されたかどうかは不明。
 
というのも、この建物は建設途中との事で、表題通り完成をみる事なく中止となったそうだ。(廃墟だけに真意の程は不明)
この辺りにはそれなりのホテルが何軒か存在するが、もしここが完成すれば1番のホテルになったそうだ。
 
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木も倒れてもたれ掛かっている。もちろんそれを受け止めたままだ。
 
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うまい事1階の窓がそこから中の様子が覗えた。
やはり志半ばのようだ。配線はそこかしこに突出しており、天井からは裸電球がぶら下がる。
 
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長い廊下の途中に部屋が点在。内装が全くない状態ですら狭い印象だ。
 
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上階への階段。(天国ではない)
 
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100M以上あろうかと思しき狭き廊下を進むと、広い空間に出た。奥に階段も見える。食堂にでもなる予定だったか・・・。
 
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BB弾の弾が多量に散らばっていた。コンバット?でもやっていたのだろう。
 
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たしかこの上には何もなかったような。しかし何処へ行くのでしょうこの階段。
陽が当たり、さらに水分があればキレイなグリーンの苔絨毯が・・・。
 
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この広間を中心として、さらに廊下が続く。
 
それにしても、異常なまでに足音が反響して明るい日中にも関わらず怖い・・・。
コンクリート打ちっぱなしだからだろうか。
 
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窓が2割程度は割られていただろうか。そこから外をみてみた。
特に何もなし。
 
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この感じ、昼間だから良いが夜中だったらとても恐ろしいだろう。
 
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何となく学校的印象。
全ての扉に鍵はあるものの、中からのアクセスだけに外には出易い。
こう見ると晩秋である事を実感する。
 
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どの程度ここに建っているのかは不明だが、良い作りなのか傷みは少なそうだ。工事を再開すれば無論そのままイケるだろう。
 
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部屋と思しき室内の床には排水管が通る予定だった穴が・・・。
ずっと下の階まで見える。
 
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洒落た作りではあるが・・・。悲しいかな廃墟になってしまった。
 
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部屋の窓からの眺望。せっかく湖に近いにも関わらず殆ど見えない。
(よく見ると中央に見えているが)
富士山はそれなりに見えるが、湖が見えず森ばかりでは中止になるのも頷けるかも。伐採の予定があったかもしれないが・・・。
 
外観こそ廃墟然としたモノだったが、中身は何もなくつまらない。
やはり、過去そこに存在していただろう名残や生活感等を感じてこその廃墟力なのだ。
 
というか廃墟の魅力を力説するのも、どうかと思うが・・・。
 
この界隈にはまだまだ廃ホテルがあるので、今シーズンにはまた探訪してみたい。
 
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廃墟巡りは冬が良い。
 
なぜなら・・・。
冬は木々の成長が止まり、覆い茂る雑草を掻き分け・・・という事がない。よって虫が少なく、蚊やハチに刺される事も少なくなる。
 
さらに寒いゆえに大量に着込む事で、肌を露出せずに済むことから、怪我をし難いのだ。
 
そして冬だけに、建物に哀愁が漂うのも冬ならでは。
こんな事を熱く語る私自身が廃墟オタクになっている事に、うっかり気付いてしまった。なんだかな・・・。