BMWが疲れないというのは本当か・・・。パート2

エンジンを中心に能書きを垂れた前回に引き続き、今回をエンジン以外の部分、車体や足について感じた事を書いてみます。
長文ですが、是非最後まで・・・。
今さら何を・・・的なトコもあるかと思いますが、散々考えながら走り、ようやく文字としてまとめる事が出来そうです。疑問を感じる魅力的な部分の多いBMWを少しでも理解出来た事は、自分自身少し嬉しい事でもあります。

いうまでも無く、BMWの殆どのオートバイは見た目こそ通常のオートバイと変わらない様に見えるが、画像のフロント周りにテレレバーシステム、リアにはパラレバーシステムを採用している。
フロントフォークに見えるこの2本の棒はスライダーと呼ばれ、アウターチューブとインナーチューブで構築されているが、その中身にはオイルこそ入っているが、スプリングやカートリッジといった通常のフロントフォークが持つ部品は入っていない。つまり単なる”つっぱり棒”とでも言おうか。

”つっぱり棒”の奥に見えるのがフロントショックアブソーバ。
このショックアブソーバで路面からのショックを吸収し、”つっぱり棒”自体は操舵のみを受け持つ。路面からのショックを受ける仕事をしない”つっぱり棒”ことスライダーが現代のオートバイにして異常に細いのはその為。
後にも書くが、潤沢な接地感を生んでいるのは、細いスライダーのおかげでもある。アクスルと直結している部品に細い径を使用すると、適度にそれが”しなる”為、ハンドルバーに路面状態を知らせているのだ。ガチガチの足回りが怖いのはこれの逆である。
いかにしなやかに路面からの入力を往なすかが、接地感を得る為の生命線となる。スライダーの奥に居座る北欧製のアブソーバーはその為の更なる加工を施したスペシャル品だ。オートバイを知らないウチの嫁ですら接地感を感じるらしく「おかしいくらい転ぶ気がしない」とは本人談。

稼働部分が細いという事は、摺動面積も少なく抵抗も少ないのは当然。ここでも接地感に起因する。
普通のフロントフォークと比較して、これまた異常な程動いているのが確認出来る部分。
リアに採用されるパラレバーシステムはシャフトドライブを進化させたモノで、最後端部のリアドライブ(デフというか)の手前にユニバーサルジョイントを使用する事でシャフトのクセを打ち消している。
全くシャフトドライブである事を感じさせないと同時にメンテナンスフリーも実現している。
リアのショックアブソーバーはリンクを介さないシンプルなモノだけに、プログレッシブな特性は得にくいものの、公道では問題無いだろう。どうしても必要とあらばWP製のショックにはプログレッシブ効果のある製品のラインナップがあり、特注でそれを奢るのが良いだろう。
誰もが知るBMWの常識を書くのはここまでにして・・・。
私が感じた”疲れない”というのはどういう事か。
それは独特のハンドリングにある。(慣れると独特でもないが)
先の記事に書いた、”でしゃばらないエンジン特性”というのも大きく影響はしているが、やはりこの負担の少ないハンドリングにあると感じた。
それはテレレバーだからなのかは不明だが、BMW乗りが感じる「オンザレール感」がそれ。
走行中の事を良く思い出して頂きたい。
例えば、通常のフロントフォークのオートバイでカーブを曲がった時、曲がっている最中の事を・・・。
左カーブでは左にハンドルを僅かに切る、右ならその逆。
そしてアクセルをパーシャル(一定)で開けている最中、ハンドルを握るその手のどちらかに力が入っているはずだ。
そう、左カーブを曲がっている時には、左に傾こうとするハンドルを左手で押さえているはず・・・つまり左手は右方向へハンドルを押している。
右カーブでは右手で左方向へハンドルを押しているだろう。
この力を緩めると、傾いた方向へ一気に舵角が付いて転倒してしまう。内側への倒れ込みを途中で止めるには、アクセルを開けて車体を前押し出すしかない。
コーナリング中オートバイが駆動を失えば、傾いた方向へ倒れ込むのは地球に引力がある以上致し方ない。
これをアクセルで後輪に駆動をかけバランスさせるという作業が必要。
直線ではハンドルに力を入れずに済むのは直立しているが故、引力が真下に働くから。前に進む力とバランスしているから倒れない。
車体を傾けた状態でそれを作り出すライダーは皆仕事人である。
これらが通常のフロントフォークのオートバイの動き。
レプリカ車両はそれが更に顕著で、アクセルをガンガン開けていける人はバランス状態が作れる事から、乗っていて愉しいし、疲れも少ない。
しかし、そうでない人は苦痛である場合が多い。おまけにそれに気付く事なくオートバイライフを終了させてしまう人もいる程だ。
そこでBMWはどうかといえば・・・。
オーナーであれば、自身のコーナリング中を思い出してみると理解出来ましょうか。
アクセルを開けずともバランスしている事を・・・。
BMWは手放しでもコーナリング可能と言うと大袈裟ではあるが、何の手も加えずにコーナリングしてしまうからこその、「オンザレール」とう表現になった様だ。言い得て妙である。
コーナリング中にハンドルに全くに近い程、力が入っていないのでは?
もちろんコーナリングの切っ掛けに多少の力を掛けてはいるものの、コーナリングが始まるとアクセルを捻るまで力が殆ど必要無い。
これが私のいう”疲れない”と思う所。(あくまで他のオートバイに比べですが)
国産にもこう言った車両があるかどうか、良く分からないがKTMやドゥカティ、トライアンフにカワサキとヤマハ車には少なくとも見当たらない。
強いてあげるなら、オフロード車はこれに近い感覚かもしれない。
テレレバーの特徴として、ブレーキングの際のフロント周りの沈み込みが無い(実際は感じないということ)事で、コーナーのアプローチでの安心感、そしてコーナリング中には余計な力を使う事も無い。
こうなればクリップを越えて、後はアクセルを捻るだけ・・・。疲れない上に愉しいハンドリングを両立させているのはBMWだけでしょう。
通常のオートバイではとてもこうはいかない。
大きく沈み込むフロントフォークに恐怖心を抱きつつ、コーナリング中にはハンドルをバランスさせる為に逆操舵を強いられ、クリップ後にはアクセルを開けられない程のパワーが後輪を滑らせようと躍起だ。
こうまで書くと過言レベルだが、多かれ少なかれ事実である。
BMWは総じて仕事量が少ないという事で、楽なのでしょう。
疲れを感じないという事はもちろん有り得ないが、通常のオートバイと比較し格段に疲労が少ないのはこう言った車体作りに依るものであろう。
北海道や九州に自走で来られるBMW以外の方ももちろん見かけるが、相当のタフな人間か、BMWを知らないかどちらかではないかと思うほど、走る為の旅に適したオートバイだと私は思う。

付け加えると、GSが世界で支持されるのは、そのBMWの特徴がより顕著であるからと思う。15RSもそれなりにこなすが、雨天走行ではやはりGSに部がある。
雨降る夕刻、滑り易い落葉の多い峠道、気温は10度を下回る状況。
そんな中、闇を広範囲で照らす明るいヘッドライトに追加でフォグランプ、グリップヒーターが指先から奪われる熱を最小限に抑えてくれる。
穏やかなエンジン特性と手間の掛からないハンドリングに支援され、最悪の場合にはABSも控える。
これほど人間に優しいオートバイを私は他に乗った事ありません。
BMWはトータルで疲れない。疲労が少ないという事は無論安全でもあるという事。
一般公道で走るモノである以上、それを一番大事にしているメーカー、それがBMWだと10年近く乗ってようやく感じる事が出来た。
しかしBMWが絶対ではない。知らなければそれが最高な場合もあるのだから。”知らぬが仏”巧い事云うもんだ。

もちろんこれら、旧い車種にも同じハンドリングが与えられています。
リアは普通シャフトドライブ、フロントも通常のテスコピックフォークを使用しているのに・・・。
どうやら、これら3世代ボクサーには同じ血が流れている様です。
やはりメーカーとして、一貫したポリシーを今も昔も変わらず守っているという事でしょう。
これを読んだ方がBMWを選択してくれたら嬉しいです。
拝読感謝します。ありがとうございました。