ミシュラン パイロットロード3の印象
お盆のツーリング前に交換したR1150RSのタイヤについて感じた事を書いてみたいと思います。
車種によっても感じ方が違うだろうし、単にタイヤの印象では参考にならないので、比較の為に先ずは交換時の仕様を少々ご説明・・・。
今回装着したのは、ミシュランから半年ほど前、新たに発売された「パイロットロード3」。装着はレーシングマックス府中店。(いつも安価なタイヤ交換ありがとうございます)
交換前は同じくミシュラン製「パイロットロード2」の2セット目。パイロットロード2トータルの使用で約20000キロを走破後の交換になります。
そして今回はリアタイヤ5部山程度、フロントはスリップサインまで約800キロ程度を残した状態にて新品交換。
今回のお盆のツーリングの中盤辺りまでは使えそうではあった交換前のタイヤだが、BMWの特性と言おうか、フロントが必ず先に減る。
これはRS、GS、そしてR100RSでも同じなのである。
BMWはコーナリング後半、クリップ以降にリアへの積極的トラクション移動で旋回を作るオートバイではない事が、そういった結果を招いているのではと感じる。
結果、勿体ないとも思いつつ、ツーリングでの走りを愉しむ事を優先した。
高速道路では基本法定+20%。時折4~6速での全開アリ。
つづら折れでは先日にアップした動画程度のペースであり、帰路の高速では激しい雷雨にも見舞われた。よってツーリングに於けるあらゆる状況に加え、やや常識を逸脱した使用方法もプラス。ダートに関しては数100M走行したのみ。
上記の状況の中での、私の感じたトコは以下の通り。
交換直後には、フロントを中心に接地感の不足を感じ、フロントが何度か小さくスリップした。それをツーリングに出発し30分から1時間の国道での交差点で起こったことで、これからのロングツーリングに一抹の不安を煽る事となった。
が、それは新品タイヤに付いているワックスのせいだと分かったのは首都高を抜けた辺りだった。ある意味滑って当たり前だったのだ。

2000キロを走ったフロントタイヤ。エッジは無くなっているが、特に摩耗は感じない。

変わってリアタイヤ。こちらもエッジは削れているものの、摩耗はフロントより少なそう。
BMW、というかパラレバーテレレバー車に数台乗り継いだ印象で言うなら、一つのコーナーの7割をフロントタイヤの旋回性でこなしている気がする。
先述の通り、通常のオートバイがフロントタイヤでの旋回を2~3割程度で、残りの7割をリアタイヤへのトラクション移動で二次旋回を作り出している印象に比べると、BMWというオートバイは他と全く違う乗り方の様に思う。
コーナリングの後半立ち上がり部分でリアタイヤを潰し、グリップを感じながら曲がる言うよりは、フロントタイヤでコーナーの殆どの曲がる作業を終了させ、惰性でコーナリングの後半以降をこなしている感が、リアタイヤの摩耗の少なさとして表れているのか。
これはあくまで私の印象の範疇だが・・・。
話が逸れたが、新品時のワックスの除去が済んだパイロットロード3は公道では十分なグリップを発揮した。
高速道路ではパイロットロード2と同等程度の直進安定性。
それは法定+20%でもトップスピードでも変わる事は無かった。
どこかのブログで小さく振れようとするのを修正しようとする特性が顕著で面白い・・・とあったが、私にはそれを感じ取る事は出来なかった。というかどのタイヤでも30キロ以上出せば直進しようとして当然?と思ったが。歪んでいたり障害物の無い坂道ならサッカーボールだって真っ直ぐ転がるし。
コーナリングも非常に素直で自然に舵角(ハンドルが切れる角度)が付き、キレが無いと言えばそうなのかもしれないが、ツーリングにはこちらの方が断然都合が良い。ツーリングタイヤだからこれも当然の性質。
それでいて恐怖感の無い情報量豊富な手応えがハンドルに伝わり、タイヤの全体作りがしなやかな感じ。
サーキットでガンガンに攻めてもそれなりのタイムが出るだろうが、それは筑波で言うなら3周、もてぎなら2周以降はタレてくるかも。柔かさからくる発熱は必須。しかしそんな性能はこのタイヤには必要無いのだ。
シリカ100のこのタイヤは、公道で素早く温まってくれさえすればそれで良い。30分の全開走行より乗り始め直後からのグリップの方がはるかに大切。
そしてパイロットロード2から引き継いだ、特筆すべき乗り心地。
大袈裟に言うならば、すり減った2年落ちのパイロットロード2をカーペットの上とするなら、パイロットロード3は絨毯の上を走る如くといおうか。これがパイロットパワーなら畳かコンクリートあたりか。
このタイヤで小指の先程の小石を踏んだとしましょう。しかしそれを感じる事はありません。それほど吸収性が良く乗り心地が良い。
柔かいとは言え、腰砕け感はもちろん皆無。タイヤ剛性は十分確保しながらも、乗り心地をこれだけ極めているのはミシュランだけと感じる。
新品のパイロットロード2の印象が薄らいだ今、正確に”2”と”3”を新品同士で比較してみたいものだ。

フロントタイヤを進行方向から眺めた画。
このタイヤの特徴でもある細いサイプを入れた事で、小さなブロックが沢山形成された。懸念された段減りは2000キロ走破時点では極少。(ほんの僅かに段が確認出来るが)
(※中心に走る線はミシュラン特有のライン。なんと静電気対策のアースなんだそう。ミシュランタイヤのどれにもある様なので確認してみては・・・。)
しかしミシュラン製のタイヤに多い、ロードノイズはやはりあった。
ロードノイズと言っても「ゴォー」というものではなく、パターンから来ると思われる「ヒューヒュー」というモノ。これがGSのアナキーだとかなり煩い。時と場合によってはパトカーの音に近いので一瞬焦る場合があるくらい。
もう少し減った際にどうかが、気になる。
最後はドライ路面での使用ではそれなりに良い印象だった”3”だが、雨はどうかというと・・・。
期待した程の接地感は得られなかった。
もちろんペースや雨量、路面状況等々にも依ると思うものの、豪雨ではない濡れた路面ですらフロントに少なからず恐怖感はあった。
メーカーの公称での、「パイロットロード2よりもウェット性能を上げ、さらに”雨に強い”」という説明に依る先入観がタイヤの信頼性を自身が勝手に引き上げてしまったかもしれない。
つまり期待し過ぎでの印象である可能性も否めない。
オートバイの種類や構造によっても違うというのもあるだろう。
ドライ路面での潤沢な接地感は雨天ではなりを潜めた。
しかし最後に付け加えるなら、実際問題、僅かなモノも含めて滑ったり等はしていない。それは紛れもない事実。
2000キロ、4泊5日を走り倒したトータルの印象は・・・。
パイロットロード2を最初に装着した時程のインパクトは無かった。
ただ、”2”より”3”が劣るというモノではありません。
ただ、期待した程のウェット性能に感じなかった私は、正直パイロットロード2でも良いかも?と感じました。
もちろん”2”と”3”が並んでいれば当然”3”を選ぶが、比較的製造時期の新しい”2”が”3”より3割引きで店頭に並んでいたなら”2”を選んでしまうかも。それほど”2”も良い。

公道では一生消せない”ビム”。
5インチリムに170サイズ故私には無理。ライフはパターン的に短い印象を受けたが、この調子だと私の乗り方で10000キロは楽にもつだろう。
乗り手の経験や乗り方、車種やディメンションで変わるモノであり、個人のインプレッションというのは当てにならないかも知れないが、少しでも参考になればと思います。
一度装着すれば、商売ライダー等でも無い限り1年以上の付き合いとなるタイヤだけに慎重に選びたいのも本音ですから。