3月は保育園でも「お別れ会」が行われます。

お別れパーティは、毎年、」年長クラスのリクエスト献立で、年少さん~年長さんまではバイキング形式で食べるようになります。


保育園ではこの「バイキング」がけっこうありまして、その都度、メニューを確認して、どうするか話し合いをしてきました。

前回のクリスマス会では、「一回目はkaniちゃんも、みんなと同じところから食べ物をとらせてあげたい。」と先生が仰ってくれて、本当にありがたかった~!(二回目以降は何が混ざるかわからないから、食べられるものも取らせないようにします。)


後日、行事の食事風景は写真撮影して、保護者向けに販売されます。



贅沢なのはわかっているんだけどね。


みんなと別のテーブルで離れて食べているkaniを見ると、胸がちくり、と痛むのです。


乾杯の時だけ、みんなと一緒で。

あとはぽつーん、と1人。


みんなといっしょに食べられるようになると良いね。


kaniにはそう話しています。



先日のお迎えの時、栄養士さんから「お母さん、お別れパーティのメニュー、決まったんですけど」と声をかけられました。

いやー、とても一度には覚えられないゴーカメニュー。栄養士さん的には、一年で一番たいへんな日になりそうです。

頭の中で、必要なものをざーっと想像しながら聞いていると、

「ジャムサンド用の食パン」「ハンバーグ用パン粉」「エビフライ用パン粉」だけだということになりました。

あとは、だいたいみんなと一緒。


そうすると栄養士さんがモゴモゴしながら

「お母さんは、パン粉って、ご自分で作ったパンを挽いているんですよね?」

と聞いてきました。

「ああ、食パンの端っことかとっておいて、がーっとやるんです。」

「そうですよね・・・。」

「???。なにか?」

「・・・・いや、あの・・・、これはまだ私が勝手に考えているだけで、まだ担任の先生とも、園長先生とも相談してないんですけど・・・。」

「はい?」

さらにモジモジと言いにくそうな栄養士さん。


「kaniちゃんのクラスにはアレルギーの子が他に2人いるんですけど、できれば3人で一つのテーブルにおかずを用意できないかなぁ、って考えたんです。」

「ああ、それで、パン粉!」

「そうなんです。」


2人のアレっ子は卵だけのアレっ子ですが、それでもハンバーグとエビフライはみんなとは別仕様になります。

さらに我が家の場合、パン粉も別仕様になるワケなんですが、この「パン粉」さえ、みんなと同じにできれば、たった3人とはいえ、アレっ子チームだけでバイキングができるわけですよね。

つまり、kani用のパン粉を、他の2人分も用意してもらえないか、と言いたかったのですが、さすがに遠慮されてなかなか言い出しにくそうだったのです。

「そうすればkaniちゃん、3人で食べられるかな、と思って・・・。あの、お母さんがいいって言って下さればなんですけど・・・。」


「もちろん、うちとしてはありがたいです。園長先生がいいよって許可して下さるなら、ほかの2人分ぐらい、全然大丈夫ですけど・・・うちのパン粉で味的に大丈夫ですか?他のお子さん、普通のパン粉に慣れているだろうし・・・。」


「ああ!全然!ちょっとキメが細かいかなーってぐらいで、いつも普通のパン粉と同じように仕上がりますよ。」


「それなら、いいですよー。じゃあ、園長先生にお話の方、お願いします。」


なんてありがたいんだろうーー。

せっかくのパーティ、kaniもみんなと一緒に食べられたら、どんなにいいか、と思っていたのです。

お友達と一緒のテーブルで食べることができて、その上、料理をお皿に自分で取り分けることもできるなんて!


家に帰ると、夫くん、久々にちょっぴりグチモード。


「相手の気持ちを考える。」

「相手の立場に立ってみる。」


そんなことがちょっとできると、ぐっと減るだろう職場のストレス。


「私はね、今日うれしいことがあったんだよねー。」

と保育園での出来事を話しました。


kaniをみんなとおなじようにパーティに参加させてやりたい。


親と同じ思いでやってくれているんだよね。それが伝わってきてすごく嬉しかった。

私が、他のうちの子の分を持って行くことをいやがらないだろう、と思って話してくれたのも嬉しかった。

相手の立場になるって、そういうことだよねー。


そんな話をすると、夫は

「そうだよなー、パン一斤焼いて持って行きたくなるよなー。」


そうそう。ほんとにそんな思いです。



翌日、園長先生も「できるならパン粉お願いしたい。」と言って下さいました(食中毒の心配とかあるだろうから、だめかも?と思っていたのですが)。よかった~。本当にウレシイ!!


今度のお別れ会は、kaniはひとりぼっちのパーティにならずに、3人でバイキングを楽しむことになりそうです。