mon、6歳。


彼女は生後9ヶ月で卵アレルギーが判明しました。

夫がアレルギー持ちだったし、卵アレルギーの甥っ子も間近に見ていましたので、卵に関してはもしかしたら、と考えていました。

彼女の場合、卵白のみに数値が出て(といっても、今から考えるととっても低い)、卵黄は陰性でした。

赤ちゃん用のビスケットなども普通に食べていましたし、そんなに心配するほどではないかなぁ、と見ていましたが、紹介されたのが今のkaniの主治医。


「卵」と名のつくものは一切完全除去の生活となりました。


1歳6ヶ月で再度血液検査。

その時には卵白・オボムコイドともに数値が下がって陰性になりました。

そこから、固ゆで卵の卵黄を1/16から始め、全卵、2歳手前では完全に解除となり、厳しい主治医とさよならしました(まさか、その数ヶ月後、またお世話になることになるとは、予想もしていなかった)。


私の最初のアレっ子育児はこんな感じだったので、「完全除去」→「解除」しか知らなかったのです。

だから、当時のmonより数値が高いものを、赤ちゃんの頃から食べざるを得ないkaniのアレっ子育児は、まさに暗中模索ともいえるかもしれません。


さて、話を元に戻します。

monは、卵黄、全卵の自宅負荷、どちらもなかなか食べてくれませんでした。

好きなものに混ぜても、小さくしても、必ずバレました。


その後、解除となっても、卵料理はおろか、カスタードクリームとか、プリンとか、もう、いかにも「たまご」を彷彿とさせる食品は一切食べませんでした。

ですから、我が家で、第2子kaniが産まれても、卵の除去に関して、あまり苦労はなかった、というのが本当のところだったりします。


彼女の卵嫌いは、本当に徹底していて、例えばフライの衣についているようなものはわからないのですが、太巻きの卵焼き、ちらし寿司の錦糸卵、ゆでたウズラの卵などは「お皿にのっているだけでもいや」なのです。

はじめに「たまご、とって。」とお皿の上や太巻きから取り除いてあげないと、じーーーっと見ているだけで決して食べません。

特に卵焼きよりも、目玉焼きとかゆでたまごのように「白身と黄身がセパレートしている」卵料理はどーにもこーにも食べられないようでした。


保育園でも当然同じコトが起きていますので、担任の先生はじめ、栄養士さんも

「monちゃんは卵が嫌い」と知っていて、あまり無理強いしないで見守ってきてくれました。


先日、monが夕食の時に

「きょうさー、きゅうしょくに、うずらのたまごはいってたんだよねー。」と言うので

「ふーん?」と答えると、

「おかあさんがきらいなものはさいしょにたべちゃうといいよっていってたじゃん?だから、め、つぶって、さいしょのうちに、えいって、たべちゃったの。」

「へぇ!食べたの!!」

「うん、2こもはいっていたんだよねーぇ。」

「味は?どうだった?」

「すきじゃないけどさー。すきじゃなくても、がんばってたべるってきめたんだよねー。」

「えらかったねぇ~。」と彼女のがんばりを誉めました。


夕食後、栄養士さんとやりとりしているkaniの給食連絡ノートに目を通しました。

すると、最後の方にこんな言葉が

「今日、3時のちゃんぽんめんにうずらの卵が入っていました。monちゃんは、じーっとうずらの卵を見ていて、どうするのかなぁ、と思って見ていたら、パクッと食べていました。仕方ないなぁ、と思って食べたのでしょうかあせる


思わず、ぶはっと吹き出してしまったところ、

「なに?なに?なんてかいてあったの~?」と娘達。


「○○先生(栄養士さん)、monのこと、心配してくれているんだね~。」とかいつまんで内容を話すと、

「それ、kaniのれんらくちょうでしょ?あたしのこと、かかなくていいから!!」

と、なんだか恥ずかしそうでした。


卵の解除から4年以上。家には卵がない生活の中で、少しずつ卵嫌いを乗り越えていってくれていることを嬉しく思います。


そして、ついこの間。

monたち年長さんのクラスで「祖父母参観日」がありました。事前に子ども達は、クッキーを作って、参観日のプレゼントに用意していました。

このクッキー、monのクラスはアレっ子がいないので、小麦粉・バター・卵の入った普通のクッキーです。

お迎えに行った時に、栄養士さんと立ち話をしたら、

「今日、monちゃんと同じグループで作ったんですよ。聞いてみたら、クラスで、3人だけ卵を割ったことのない子がいたので、monちゃん、卵割りに挑戦してもらいました~。」


卵を割る!


そりゃー、ウチでは経験できないわ~。つか、私だってうまく割れる自信が、すでにありませんーー。

40人近いクラスで、たった3人しか、卵を割ったことがないのか、と考えると、なんだか娘に申し訳ないような気持ちになってしまいました。


2歳の頃から、妹のアレルギーのため、

パンをこぼしてはいけません、

たべたら手と口を洗いなさい、

手や口を拭くタオルはkaniと別にして、

ヨーグルトを食べたらふたとカップはすぐ台所に片付けなさい


と、本当に私に厳しく、厳しくされてきました。

それはmonのせいではないのに。


卵だって、本当は家で少しぐらいは食べさせた方がよかったのかもしれないけれど、家に卵を持ち込みたくない、卵嫌いで都合が良かったのは私の方です。


「おかあさん、kaniちゃんがなんでもたべられるようになったらね、またチーズの入ったカツがたべたいなぁ。」


monが卵が嫌いなのは、もともとのアレルギーのせいかもしれないけど、そこからの4年は家族の都合だったなぁ、と本当に反省させられます。卵を割ったりする経験も、本当は大事なんだよねー。

親は何もしないのに、少しずつ自分で苦手を克服してくれて、本当に親として、申し訳なく思います。


今はいっぱい我慢をさせてしまっているけれど、いつか、彼女と卵を使ったクッキングを肩を並べてしたり、食べたいと思っているものをたくさん作ってあげたいなぁ、と強く願うのでした。