結局、仕事と保育園の行事などの折り合いがつかず、一度取った負荷試験の予約を、少し延ばしてもらうことになりました。


負荷試験の準備物は

うどん半玉

つゆ

入院の準備

ですが、kaniが飽きること、間違いなしなので、DVDと、絵本、ぬりえ、お絵かきの紙なども用意しました。


うどんを食べさせるための箸は、kaniがディズニーランドに行った時、自分のお金で買った「プーさんのお箸」です。まぁ、ゲン担ぎとでもいいましょうか。「プーさんのお箸だから、うどんいっぱい食べられるね。」と励ましました。


朝、monを保育園に送り届け、その足で病院へ。ちょっと時間が余ったので、近くのコンビニで子供用の雑誌でも買おうかと、何軒か立ち寄りましたが、子どもの雑誌ってコンビニには置いてないのですね~。

かといって、スーパーや本屋が開いている時間でもなく。

ぶらぶらとして、結局病院に向かいました。


入院手続きを済ませると、入院病棟の方へ。

荷物を片付け、処置室に案内されました。

初めての場所に、明らかに固まるkani。


看護士さんから一日のスケジュールの説明を受けました。kaniはかなり緊張して、手が冷たくなっていました。

体温や血圧を測定し、点滴をします。

この点滴はただの生理食塩水。「何かあった時に、すみやかに治療ラインを確保するため。」なのだそうです。

翌朝までつけっぱなしとなります。

そして今回血液検査。

ちらっと指示伝票が見えたら、やたらと検査項目が多くて(採血量も多いらしい)、検査項目にはバナナとか、今すでに食べているものまで入っていました。なんだかねー。


点滴・採血の間、親は病室で待っているのですが、点滴が終わったkani、看護実習生さんに手を引かれ、歩いて戻ってきました。

「DVDみたいー。」と言うので、早速DVDをつけてあげました。初めての場所と雰囲気にかなり緊張していて、なんだかかわいそうになりました。


うどん負荷開始。

まず1g。そこから30分。

DVDを見ているので、30分の待ち時間もすぐ通り過ぎました。

2回目3g。

「去年は、この後、15分ぐらいでじんましんが出たんですよね。」と先生に伝えると「そうでしたか。(←おぼえてるわけがない)」

30分経過。

3回目10g。


前回は2回目を摂取してから、反応が出てしまったので、試験が全部で何回うどんを食べるのか、最後は何gたべるのか、まったく終わりが見えない状態での終了となったのですが、看護士さんの記録を見ると、負荷は全部で4回、4回目に30gを食べて終了のようでした。


次が来たら、終わり。このまま食べられそうじゃない?


無症状のまま、4回目を食べる時間がきて、「これが最後だよー。」と看護士さんがうどんを計量していました。

すると、kaniがあごを掻き始めたのです。

よく見ると、あごにぽちっと小さな膨らみが。


「接触によるものか、判断が難しいので、同じ量をもう一度食べます。」

と指示が出て、再度10g。


食べた後、今度は肩を掻き始め、パジャマをめくると、ポチ。

脇腹も掻いていて、パジャマをめくると、ポチ。

体には、全部で4カ所のじんましんが表れました(なぜか全部右半身)。


この時点で「陽性」の診断。

塗り薬と、点滴に「アタP」が追加されました。

呼吸器に症状はなし。


主治医やら看護士やら、一気にざわついたような雰囲気になったのがkaniにはこたえたのでしょう。

表情がどんどんと曇っていきました。


それまでずっと良い子で、おとなしくしていたkani、不安な様子になり、不機嫌モードに入りました。

「おなかすいた。ちゅるちゅる、もっとたべたい。」

「おなかすいたね。でも先生がいいよっていうまでたべちゃいけないの。」

「ちゅるちゅるたべたいー。」

「おうどんはね、もうおしまい。ポチポチでちゃったでしょ。もっと食べたらかゆくなっちゃうからね。」

「おなかすいたー。」

そういいながら、涙がkaniの目からぽろぽろ溢れました。

「おねえちゃんのところにかえりたいー。もう、かえりたいー。」


ポタポタと涙が次から次へとこぼれて、なんと声をかけてあげればいいのか、わからなくなってしまいました。

「そうだね、かえりたいね。」


その後、定期的に診察を受け、蕁麻疹がそれ以上増えず、かゆみもおさまったことが確認されました。

「それでもね、去年よりは一段階、食べられる量が進んだわけですから。」

そんな風に先生が言葉をかけてくれましたが、その時の私には「前に進んだ感じ」よりも「敗北感」しかなかったのです。


昼食の許可が下りたのは午後2時半。つわりのある妊婦には、この時間までの空腹感はつらかった!

2時半に家から持ってきたおにぎりと飲み物でお昼ご飯。「なかみ、こんぶだ。kaniちゃん、たらこがよかったな。」といいながらもぱくぱくと食べ、その後、おやつ(くず餅風ゼリーという代物でした)も運ばれてきて、それも少し食べて、3時にベッドに横にさせると、あっという間に夢の中に突入しました。


私はやっとのことでわずかな自由時間。

翌日は病院からまっすぐ出勤なので、できればシャワーを使いたい。

kaniのベッドのガードを上げて、看護士さんにお願いしてシャワー室を使わせてもらいました。

看護士さんに案内されている時

「同室の人、うるさくない?」と聞かれ「あ、うるさいですよねー。」と答えると

「昨日まで個室だったんだけどね、わかってないのかな。あそこまでうるさいと思わなくて。私から言おうか?」

「いや、一晩なので大丈夫です。」

と答えました。

隣のベッドの人(子どもは同じ3歳)が、本当にうるさくて。子どもがウルサイのはしょうがないのですが、そのお母さんとおばあちゃんがうるさい。

おしゃべりの声はモチロン、しょっちゅう子どもを注意する声もうるさいし、「言うこと聞かないなら、先生にちっくんしてもらいますよ。」とか「ばあば、もうかえっちゃうよ」とか「ずっとおうちにかえれないからね。」とか子どもを脅迫するような言葉を連発(たまにはしょーがないけどねー)するのが聞くに堪えなかったのです。


うちのkaniは手がかからないな~、本当にそう思いました。


昼寝をして2時間経過。このままいったら、夜が眠れなくなるので、テレビをつけて起こすことに。

なかなか起きられないkani。疲れているのでしょうか、ゆすってもゆすっても、開いた目がすーっと閉じてしまいます。


やっとのことで起きたものの

「おうちかえりたいよ。」

「おねえちゃんのところにいきたいの。」

の連発。

そうよね。もうどこもなんともないものね。


不思議とこの場に来て、「おとうさん」とは言わず、kaniが会いたがるのは「おねえちゃん」。

きょうだいってすごいなぁー、としみじみ感じました。

一人っ子だったら、仕事を終えた夫に来てもらうこともできるのでしょうが、上に子どもがいれば、その子の世話をしてもらわなければならないし、たった一晩の入院でも家族の負担は小さくないな、と感じていました。

(ちなみにこの日の夜、夫は実家で夕食をmonと食べましたが、その後、翌日の子ども達のぶどうパンを初めて焼かされています)。


夕食が運ばれてきて、嬉しそうなkani。

この病院食がびっくりするぐらいマズイのですが、病院の楽しみって食事ぐらいしかないからねー、それでも「おいしいねー」と食べていました。

フルーツとか、デザート的なものがなにもなく、売店もやっていない時間だったので、ちょっとこの食事では不憫に思えたので、家から持ってきたお菓子(遠足の残りだったりする)を食後に食べさせました。

「おかしたべていいの?」(普段いかにお菓子を与えない母か!)

「いいよ。そのちっちゃいゼリー食べたら?」

「これはおねえちゃんにもらったから、とっておくの。」

そういって、グミとラムネを食べていました。

おいおいおい。うちそんなビンボウじゃないから!


あーあ、ゼリーとか果物とか、持ってきてあげれば良かったな。


食事の時に、小さい台を持ってきてもらったので、そこを机代わりにし、ぬりえを広げて、食後は落ち着いて過ごしました。

ベッドの上じゃないだけで、こんなに自由なんだねぇ。


夜はkaniのベッドで一緒におやすみなさい。

長くなりましたので、次に、今回の感想などまとめたいと思います。