化学療法の最後の入院から約2年が経とうとしています。

私は今異動で署風も立場も今までとは違うところにいます。
2年前には想像もできなかった今、今日も私は元気です。

2年が経ち、今では私も見た目も気持ちもあの頃やその前とは変わってしまったかなと思います。

それでもやはり治療のころのことは時々思い出します。
治療中に使っていた洗剤と同じ匂いを嗅いだ時、がんに苦しむ患者さんやその家族に遭遇したとき、これらは私を初心に戻してくれます。
本格的に仕事で医療にものめりこめる今、改めて、私は患者さんやその家族に寄り添える医療者になりたいと思いました。

そしていつか、大丈夫ですよと声をかけられる人になりたいです。
救急車での活動が主な私たちにとっては救急車内の設備から病院のように画像を撮って判断したり血液検査をしたりすることはできません。
けれど病気の多くはそれらをしてみないと確定診断をすることはできないので、私たちは本当の意味での診断をすることはできません。
現場の患者さんの容態をいかに保ち、病院に伝え、引き継ぐかが仕事です。
だから、診断をすべき立場ではないからこそ安易に大丈夫と言い切れないところがあると私は思います。

だけど、患者の立場として、大丈夫の一言がどんなに心強く安心するかはわかります。
なので、もっと勉強し、経験し、いつか大丈夫の自信を持てるようにがんばります。


2年が経っていろいろなことを割り切れるようになりました。
昔みたいに意地を張るのではなく、仕方ないものは仕方ない、考えの方向を変えてみようと思うようになりました。

時々病気のことが不安になることも、それで諦めそうになる未来もあります。
多分26歳のまわりの友達が当然と思ってることは私には当たり前とは思えないところはあるし、諦めざるを得ないことはあります。

手を伸ばしても届かない幸せはあると思います。
でもその幸せを嘆く時間があるなら手の届く範囲の幸せは全部手に入れる。
新たな視点を持って前向きに過ごそうと思います。
病気だったから私苦労してる、
病気だったから大変な思いをした、
病気だったからこれぐらい甘えても許される
…病気の経験を逃げ場にするのでなく、病気だったから知り得た目線を人生の得として感じて生きていけるよう、今年もがんばります。



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