https://ja.wikipedia.org/wiki/KuToo
ヒール靴って変くね? って石川氏が思ったまではよかった。で、ヒール靴の健康問題は、雇用者の安全配慮義務という既存の規制の対象範囲内なので、ヒール靴で健康被害が生じると安全配慮義務違反になりますよって雇用者と話し合いで解決するか、それが無理なら労働基準監督署や労働審判などの機関で対応しているのでそこで解決すればいいし、弁護士も相談にのってくれる。
でも、既に解決の枠組みがあるにも関わらず、なぜか、そこで石川氏は、英国のニコラソープさんの真似をして署名活動を始めた。当初は、健康問題と平等問題として。で、もともと解決の枠組みががあるにも関わらず、あたかもヒール靴問題を規制するルールがないかのようなふりをして、解決策をつくれ! と要求を始めたんだけど、そもそも解決策が存在する状況では”車輪の再発明”を要求しているものだった。
で、kutooが認知度を上げた炎上の話になるんだけど、これがちょっとひどい。国会では立憲民主の尾辻議員がヒール靴を取りあげて、当時の根本大臣は、「腰痛や転倒事故につながらないよう服装や靴に配慮することは重要であって、各事業場の実情や作業に応じた対応が講じられるべき」と、まず雇用者の安全配慮義務を大前提とした上で、「女性にハイヒールやパンプスの着用を指示する、義務づける、これは、社会通念に照らして業務上必要かつ相当な範囲か、この辺なんだろうと思います、」と身だしなみの点では、社会通念上業務範囲として認められるかが”基準(=この辺り)”となると説明して、あと、パワハラに該当する可能性についても言及している。
この答弁について、大臣の答弁趣旨とは違う「ヒール靴強制が社会通念の範囲内とか言ってる。おかしい!!」と炎上させたのがフェミニスト。https://news.yahoo.co.jp/byline/sendayuki/20190606-00129130/
石川氏も根本大臣が安全配慮義務に言及しているのをガン無視して、「健康被害があることが、分かっていないような発言です。」と強く非難している。https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/kutoo-high-heels-2
で、根本大臣の答弁がフェミニストによって曲解されたまま海外へと拡散していった。
ここで海外事情(カナダ)を説明すると、カナダではヒール靴を従業員に履くように強制させてその女性の足から出血している写真がネットで拡散され大問題になり、従業員に健康に支障があったり安全ではない靴を強制させることを禁止する規定を設ける州がでてきたってことがあった。
ポイントは、カナダでは安全面からの規制のみで対応して、ジェンダー云々の観点ではないこと。kutoo運動の説明でも、カナダでは規制されていることは言及されている。ただ、実際にカナダでどういう規制のされかたをしているかは、全然調べていなかったらしくて、多分、何かのニュースでカナダでは規制されている、と言及されていることしか知らなかったみたい。で、カナダはジェンダーの視点で規制がされているって勝手に思い込んでkutoo署名活動で援用してたみたい。だから、根本大臣の答弁は、男女平等の視点がない!! ってフェミは怒ってたんだけど、政府側とすれば、要望書にカナダでは〜って書いてあるから、それを参考に答弁組み立てて、日本の規制状況も合わせて考えて、フェミさんが困っていることはこれとこれとこれで解決できるよって答弁したら(実際そうだし、)、なぜか大臣の答弁を曲解して炎上させたのがフェミ。
で、必要もなく根本大臣を炎上させて、それを踏み台にして、一部のマスコミがちやほやして知名度を上げたのが石川優実さん。
で、次に小池議員が国会で取り上げた時の話だけど、この時のやりとりは実は実質的な意味はあんまりない。なぜかといえば、尾辻議員と根本大臣との質疑の範囲内だから。安倍首相(当時)は、関係法令を踏まえてまずは当事者で話し合えって言ってる。これ、既存の枠(安全配慮義務等)で解決できるっていう従前の範囲の答弁。で、「職場での服装に関しては、単なる苦痛を強いるような合理性を欠くルールを女性に強いることは許されない」とも答弁していて、これをもって「成果」って共産党が宣伝しているんだけど、これって、根本大臣の答弁内容、つまり社会通念や安全配慮義務の射程内でも導きだせること。ちなみに、イギリスは、男女平等の観点でガイドラインをつくっていて、答弁内容はちょっとそれに似ている。(ガイドラインは、男女両方にフォーマルな服装を要求するなら女性にヒール靴を強制できる、とも読める内容で、石川氏が主張するようなヒール靴強制一律禁止規定ではない。)
でも、今回は言葉として女性云々を入れたから、前はダメ回答だったけど、ついに前進したーっていうストーリーを共産党と一緒になってつくって喜んだのが kutoo 。内容は変わらないのに、言葉だけを変えるのを”朝三暮四”っていうけど、それと同じね。(猿にトチの実を朝3つ夕4つあげるといったら怒ったけど、朝4夕3にしたら喜んだって話)ただ、実際のところ、これがまかり通った。https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/kutoo-one-tweet-to-pm
でも、このやりとりで、靴問題って安全配慮義務その他で解決できるでしょ、って言われて、kutoo が車輪の再発明をやっているのが明白になった。そこで石川さんが取った戦略が、kutoo の目的から健康問題をなくして、服装の男女平等だけに変更して、kutooの存在価値を存続させようとした。(このことは、kutoo の検索をする時に、時期を指定すると最初の頃は健康問題に言及していたのが、途中からやめているのがわかる) そうすることによって、kutooは、運動のための運動、フェミを標榜する石川さんの存在意義のための運動へと性質が変貌した。
まぁ、これらの過程をきっかけに、ヒール靴は安全配慮義務の範囲内という当たり前のことが広く認識されて、安全配慮義務(kutoo 運動の成果とは関係ないから!)に基づいてヒール靴規定を見直す企業がでてきたのは事実。前進といえば、そうかもしれんが、根本大臣の答弁についての石川氏の批判は、完全に的外れであり、無意味に炎上させられた人がいたことを考えると、素直にkutooいいよねって自分は言えない。
そもそもなんでヒール靴問題をもっと早くに安全配慮義務で解決しなかったのかが疑問だが、そういう現実的な解決策を女性が知らない、取ろうと思わない、ってところに女性の問題があるのかもしれない。
PS 石川さんは、既存の枠組みで解決できてないから、kutoo で平等の観点から新しく通達を作って貰えば解決できるって言い方をする時もあるんだけど、同じようなヒール靴を規制する新しい通達を作っても、企業がその新通達を無視をすれば、結局、労使交渉、裁判で解決するしかなく、現状と同じことになるので無意味。ポイントは、規制の枠組みがないのではなく、有効な枠組みが活用されなかったこと。権利は主張しなければ、無意味って話。