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小学生の頃、家にあった法律の本に、誘拐しても結婚したら罪にならない、と書いてあって、えぇ~!!と思っていました。

 

大人になって六法を読んでもよくわからなかったので、あれは勘違いだったのかなぁ、と思っていました。

でも、調べたら、ちゃんとありました。子供の頃からの疑問が解消したのでメモ。

 

「刑法 明治13年7月17日

第十節 幼者ヲ略取誘拐スル罪

第三百四十一条 十二歳ニ滿サル幼者ヲ略取シ又ハ誘拐シテ自ラ藏匿シ若クハ他人ニ交付シタル者ハ二年以上五年以下ノ重禁錮ニシ十以上百圓以下ノ罰金ヲ附加ス

第三百四十二条 十二歳以上二十歳ニ滿サル幼者ヲ略取シテ自ラ藏匿シ若クハ他人ニ交付シタル者ハ一年以上三年以下ノ重禁錮ニシ五圓以上五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス其誘拐シテ自ラ藏匿シ若クハ他人ニ交付シタル者ハ六月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ二圓以上二十圓以下ノ罰金ヲ附加ス

第三百四十三条 略取誘拐シタル幼者ナルコトヲ知テ自己ノ家属僕婢ト為シ又ハ其他ノ名称ヲ以テ之ヲ収受シタル者ハ前二ノ例ニ照シ各一等ヲ減ス

第三百四十四條 前條に記載シタル罪ハ被害者又ハ其親屬ノ告訴ヲ待テ其罪ヲ論ス但略取誘拐セラレタル幼者式ニ従テ婚姻ヲ爲シタル時ハ告訴ノ効ナシ」

 

明治13年の旧刑法では、20歳以下の女子を略取誘拐して告訴されたら罪、告訴されなければセーフ。告訴されても、式を挙げちゃえば、罪には問わない。既成事実をつくっちゃえば、オッケーということか。日本も昔は野蛮だった。

 

「刑法 明治40424

第三十三章 略取及ヒ誘拐ノ罪

第二百二十五條 營利、猥褻、又ハ結婚ノ目的ヲ以テ人ヲ略取又ハ誘拐シタル者一年以上十年以下ノ懲役ニ處ス

第二百二十九條 第二百二十六條ノ罪、同條ノ罪ヲ幇助スル目的ヲ以テ犯シタル第二百二十七條第一項ノ罪及ヒ此等ノ罪の未遂罪ヲ除ク外本章ノ罪ハ營利ノ目的ニ出テサル場合ニ限リ告訴ヲ待テ之ヲ論ス但被拐者又は被賈者犯人ト婚姻ヲ爲シタルトキハ婚姻ノ無効又ハ取消ノ裁判確定ノ後ニ非サレハ告訴ノ効ナシ」

 

結婚目的で誘拐した場合は有罪。ただし、罪に問うには告訴が必要。ここまでは明治13年刑法とほぼ同じ。しかし、式を挙げちゃえばオッケーだったのが、結婚という既成事実があっても、それを取り消す手続きをすれば、後からでも罪を問えるようになった。女性に、名目上は拒否権が与えられた。

 

ちなみに、この改正時の明治402月の貴族院の審議では、第三十三章について、議長が「・・・・・ゴザイマセヌケレバ第三十三章、第三十三章ニ御質問ハゴザイマセヌカ、ゴザイマセヌケレバ第三十四章」という感じであっさり済ませている。改正されるからには、いろいろ事情があったのだろうが、それは表には出てこないようだ。

 

結婚を取り消さなければ罪に問えないという親告罪の規定は、平成29年になってようやく削除。

明治の頃の改正草案でも削除されていたのに、本体につい最近まで記載されていたなんて、、

「刑法 現在

(営利目的等略取及び誘拐)

第二百二十五条 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の懲役に処する。 

(人身売買)

第二百二十六条の二 人を買い受けた者は、三月以上五年以下の懲役に処する。

2 未成年者を買い受けた者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

3 営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を買い受けた者は、一年以上十年以下の懲役に処する。

4 人を売り渡した者も、前項と同様とする。

5 所在国外に移送する目的で、人を売買した者は、二年以上の有期懲役に処する。

第二百二十九条 第二百二十四条の罪及び同条の罪を幇助する目的で犯した第二百二十七条第一項の罪
並びにこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

 

親告罪としない理由は、通知を見てもやっぱり不明。さらっと流されてる。

日本の黒歴史?なので、触れたくないのかも。

 

現行の日本国憲法には、

「第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。」

とあるが、現行憲法の施行による影響を刑法第229条は受けていなかったみたい。