空家等対策の推進に関する特別措置法について中田宏氏が、自分のブログで書いていて、blogosにも転載されているので、ブログ内容を検証してみた。
>>私が国会議員の時に法案説明を受けて、採決で賛成をして成立して、今に至っています。
↑採決の時に、賛成票を入れただけで法案成立になんか積極的に関与したわけじゃないのね。。。で、そうだとして、法律の成立をあたかも自分の手柄のように書いている! という批判を受けないように、文言に気をつけて書いてあります、、、大人ですね。
ま、これはいちゃもんでしかないので、以降は、ブログの内容について。
>>取り壊しの勧告ができるとはいえ、相手が受け入れるかどうかわかりませんし
取り消しの指導と勧告は14条です。で、法律は相手が受け入れないことがあり得ることがきちんと想定してあります。
まず、ぼろぼろになって迷惑になっているような空き家(特定空き家)の所有者等に指導や助言をして、
「第十四条 市町村長は、特定空家等の所有者等に対し、当該特定空家等に関し、除却、修
繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置(そのまま放置
すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるお
それのある状態にない特定空家等については、建築物の除却を除く。次項において同
じ。)をとるよう助言又は指導をすることができる。」
それでも改善がなければ、次は、勧告
「2 市町村長は、前項の規定による助言又は指導をした場合において、なお当該特定空家
等の状態が改善されないと認めるときは、当該助言又は指導を受けた者に対し、相当の
猶予期限を付けて、除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るため
に必要な措置をとることを勧告することができる。」
それでも改善がなければ、次は、命令
「3 市町村長は、前項の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなくてその勧告に係る
措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは、その者に対し、相
当の猶予期限を付けて、その勧告に係る措置をとることを命ずることができる。
」
となっていて、いきなり強権的な命令という形ではなく、徐々に強制力のある要求方法になっています。で、徐々にというのがポイントで、これは、生ぬるいのではなく、命令があっても改善されない場合の代執行を正当化することを想定した手続き的な意味もあるとおもいます。
で、命令 というものがでてしまうと、受け入れるか、命令の違法性を法律的手続きで争うか、命令を無視して行政代執行をされてしまうか、になります。で、代執行の規定として、
「市町村長は、第三項の規定により必要な措置を命じた場合において、その措置を命ぜ
られた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても同項
の期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三
号)の定めるところに従い、自ら義務者のなすべき行為をし、又は第三者をしてこれを
させることができる。」
とあり、受け入れない場合についての規定はきちんと定められています。
で、命令 という決定的なものが出せるかどうかが特定空き家の取り壊しにおいてはポイントで、命令を出しても、
「しかし地方自治体の長を務めた経験からは、最終的にさらに権限がないと、執行できないのではないかと思います。」
と、懸念をする点についても、空き家法は配慮してあリ
>>そもそもどんなに調べても誰が地主なのかたどり着かない、
ということについて、固定資産税の台帳その他の保有する情報により現在の所有者(現に使用している者)を確認できることになっている。(10条) 登記簿の住所が古ければ、住民基本台帳ネットワークで最新の住所が確認できるし、県外へ異動している場合でも戸籍の附票をみれば、住所のすべての履歴がわかる。、固定資産税は毎年課税することになっているから、台帳に誰かは登録されている。死亡者課税なんていうこともあり得るので、不動産登記上の所有者について他の自治体に全ての戸籍を請求して、そこから相続人をすべて洗い出すこともできる(10条3項)。(すべての相続関係者のすべての戸籍を全部そろえるのは、手間がかかるだろうな、、郵便で請求だろうけど、、、)
これだけやれば、存在している人間については、かなり追求することができる、、、日本人については、。。海外に行ってる場合は、納税管理人についての情報も使えるのかはわからん、、、
また、中田氏のブログでは、「地主」というように所有者がわからないのが問題としていますが、この法律では、所有者ではなく「所有者等」と「等」がくっついます。これがおそらく、けっこう大きい違いで、登記簿上の所有者ではなくても実質的に支配を及ぼしているような者を対象に手続きを進めることができる可能性もあるかもしれません。(少なくとも管理者は想定されている)
>>会えないケースも多くあるでしょう。
そういう場合には、、探索を尽くせば(過失がなければ)、行政が手続きを進めていいことになっている。(14条10項)
>>行政代執行を判断する時に、持ち主と連絡が付かないまま行政代執行ができるのかとなると、行政は積極的にはなれないと思います。
そのような懸念が存在するので、持ち主を探索したことについて過失がないことに該当する要件について「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)に言及もある。
なので、
「「持ち主がわからなくない場合は行政代執行する」ケースや「3年~5年など経ったら、行政の土地となる」ことをセットで行うことや、あるいは、1年2年など期限を決めて持ち主に連絡を取る努力をして、それでも見つからない、誰も名乗り出ない場合には行政の土地として代執行する、といったようなことも決めない限り、本当の意味での実効性は出ないでしょう。」
↑この部分の持ち主がわからない場合については、法律に既に定めてある。中田氏は、法案の説明を受けたとか賛成したって書いてたけど、、、、
あと、「行政の土地となる」という規定はないけれども、所有者を強制的に変更させることも、場合によっては既に可能となっている。
「行政代執行」というのがポイントで、行政代執行をした場合は、費用を国税徴収法の規定により徴収することができる。国税徴収法に基づき費用を徴収するということは、税金と同様にかなり強制的に徴収することが可能で、裁判所に競売の申し立てをしなくても、自治体自ら差し押さえてから「公売」することも可能である。
なので、代執行に要した費用を所有者等が支払わない場合は、土地を取り上げることも可能となっている。
これだけの権限を付与されているのに、権限が足りないと言い出すのは、法律上の権限以外のなにか別のことに問題がある。公売の実務経験などが問題であれば、、、ネットオークションで官公庁の公売を扱っているところがあるので、そういうサイトを利用したらいいのではないかとおもう。
そんなわけで、中田氏の懸念は、既に対応済みな訳です。実際に施行されたら、いろんなことが起こると思いますが、、
ついでに思ったこと、
・建物を土地の所有者が異なる場合は、どうなるのかな?と疑問に思っていたけど、2条の定義をみると、異なっている場合でも土地が特定空き家になり得るようになっていて、そのことが、「当該勧告は建物部分とその敷地とを切り離すことなく「特定空家等」の所有者等に対して講じられた措置であり」と、「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針 」において明らかにされている。
・例えば、そもそも固定資産税の課税においても誰が所有者だかわからないような物件はあったと思うけれど、そういう物件は、滞納になっていたと思うので、空き家対策法が実施されていなくても、手間がかかるけれど、国税徴収法にもとづいて公売することが可能だったな。。。
・都会の土地なら、行政代執行で取り壊し→費用を国税徴収法の規定により徴収→公売 が可能だけれども、田舎の土地だと公売しても費用の回収は難しそう、、予算措置はつくみたいだけど、、、