(5年生の話)

 

 

うーちゃんは、

ひどい拒食期を脱したあと、

過食嘔吐に移行する前、

1200カロリー前後で

決まりきったものばかり食べていました。

 

しかし、

ときどき自分で決めた許可食以外のものも

隠れて食べることがありました。

 

許可食以外を

食べてしまったときは、

その事実を隠すためか、

食べたあとのゴミを隠していました。

 

 


 

そろそろ暖かくなってきたから

羽毛布団をしまおうかと、

押し入れの羽毛布団のケースを開けると、

スナックの空袋が入っている。

 

 

 

納戸にしまった物を探していると、

数年は開けていないはずの段ボールの箱から

チョコレートの包み紙が何枚も出てくる。

 

 



クローゼットの奥。


タンスの引き出し。


洗濯機の後ろ。


テレビの下。


靴箱の中。


車のドアポケット。



 

家の中のいろいろな場所で、

うーちゃんが食べた痕跡に

出くわしました。

 



 

あるときは、

嫌な予感がして、

洗面所に床にある床下点検用の入り口を

開けてみました。

乾いた土の上に

いろいろなお菓子のごみがばらまかれた

ように落ちていました。


 

スナック菓子の袋や

アイスの袋、

飴の包み紙、

チョコレートの箱。

 

 

その一つ一つは

確かに私の買った記憶のあるもの

ばかりでした。

その全ては、

うーちゃんに買ってあげたものではなく、

妹のゆうちゃんや私や夫のために

買ったものでした。

 

うーちゃんはいつ聞いても

「食べない。いらない」

そんな返事しかしませんから。

 



前の日、

ゆうちゃんが途中まで食べて

残しておいたポッキーの箱も

カラになって捨てられていました。



うーちゃんのそばで、

ゆうちゃんがポッキーを食べていたとき、

気にも止めない様子でいたうーちゃん。



ほんとは食べたかったんだ。

ゆうちゃんが残すのも見ていたんだ。

ゆうちゃんが残した5、6本のポッキーくらい

食べたっていいのに。

隠れて食べて、

やっぱり食べたことが嫌で

ここに捨てにきたんだ。

 

 

一体、

何度そんなことを

繰り返したんだろう。


 

 




毎日の生活の中で、

うーちゃんのゴミを

度々見つけるのは、

うーちゃんのつらさを理解しようと

努力はしていても、

苦痛で仕方ありませんでした。




食べ物に対する

うーちゃんのどす黒い感情が

そのゴミに

まとわりついているように

感じました。