(5年生の話)


小学校5年生になってすぐに

拒食症とわかったうーちゃんは、

学校の給食を食べるのが嫌で

早退して帰ってくることが

多くなりました。



お昼前になると、

担任の先生か保健室の先生から

電話が入ります。


「うーちゃん、帰りたいそうです」


ときには、


「○時間目終了後に早退するので

 お迎えお願いします」


と登校後すぐに電話が入ることも

ありました。


先生方には迷惑をかけてしまいましたが、

「今日こそは

 給食食べてくれるんじゃないか」

と、私は一縷の望みを捨てきれず、

事前に早退を申し出ておくことが

できませんでした。



早退の連絡があると、

私は車で学校に向かい

車に乗ったまま

学校の前でうーちゃんを待ちました。


うーちゃんはいつも

下を向いてとぼとぼ歩いてきました。

ランドセルを背負わすのが可哀想なくらい

痩せているうーちゃんを

遠目から見ていると

いつも涙がにじんできました。



みんなが楽しく食べている給食が、

嫌で嫌で学校にいられないうーちゃんを

情けなく思う気持ちもありました。


細くて折れそうな手足、

暗い顔、

周りのお友達と比べてごらんよ、

変だよ、

おかしいよ、

そう言って怒りたい気持ちになることも

ありました。



でも、

うーちゃんが車に近付いてくると、

普通にできないうーちゃんが

可哀想で可哀想で、

怒りたい気持ちは

しぼんでしまいました。


早退してくるうーちゃんは、

いつも疲れきって

泣きそうな顔でした。