(5年生の話)



給食が嫌で早退するうーちゃんを

車で迎えに行くことが続いたある日、

私はうーちゃんを乗せたあと

すぐに帰宅せず

そのままショッピングモールに

向かいました。



このまま家に戻っても

暗い顔でろくにお昼も食べないから

何か食べられるものでも探そうと

思いました。

歩き回ってカロリーを消費させるのも

怖いけれど、少しならうーちゃんの

気分転換にもなると思いました。



ショッピングモールのフードコートで、

拒食症になる前から好きだった

フレッシュジュースを見つけました。

これならいけるかも、

と思いました。


「うーちゃん、ジュースならどう?

 カロリー低そうだし」


うーちゃんは少し考えて


「飲んでみる」


と言いました。


スイカジュースを注文しました。



私はうーちゃんに作る工程を見せないために、


「うーちゃん、テーブルに座ってて」


と言って、お店から離れさせました。


フレッシュジュースといっても

シロップなどを入れるかもしれず、

それをうーちゃんが知ったら飲まないかも

しれないと思ったからです。


案の定、冷凍のスイカのほかに

シロップなどをミキサーに入れていました。


私はうーちゃんの視界を遮るように立って

お会計まで済ませました。


うーちゃんは

私の意図には気付いていないようで、

おとなしくテーブル席で待っていました。


うーちゃんにジュースを渡すと、

うーちゃんはそれほど躊躇せずに

飲み始めました。


心の中で

「やった!!!」

と叫びました。

嬉しくて涙が出そうでした。




スイカジュースは

甘いスイカそのものを食べているかのような、

とてもおいしいジュースでした。



うーちゃんはまだそのとき、

ケータイを持っていませんでした。

だから、そのジュースのカロリーを

調べられません。

私のケータイを

勝手にいじられないようにすれば、

うーちゃんはスイカジュースのカロリーを

知ることもなく、

ほぼスイカそのままと同じカロリーくらいだと

思うに違いない、と思いました。



私も同じものを頼み一緒に飲みました。


「うゎー、これ、スイカ食べてるみたいだね

 おいしいねー。」


うーちゃんも


「うん」


とうなずいて、全部飲みました。





スイカジュースのカロリーは

後で調べてみると、100calを超えていました。

(シロップやカロリーについては当時のものなので今とは違うかもしれません)


うーちゃんはその頃1日の摂取カロリーが

700calくらいだったので、

それにプラス100calは

とても意味のあることだと

思いました。



なぜか

うーちゃんが

ジュースのカロリーを聞くことは

ありませんでした。

調べようという素振りも

ありませんでした。




明日も早退したら

ここに来てジュースを買ってあげよう。

そう思いました。