この日は、人生最大の痛みを味わった日です。
恐怖をあおるような文章になってしまうことをお詫びします。
ただ多くの場合は、私と同じようなルートをたどるのではないか、と感じます。
今後こうした処置を受ける方のために、慰め程度ではありますが対応策も記しておこうと思います。
令和6年1月17日
この日は連れて行ってもらう予定の母の都合で午後からの受診でした。
朝から痛みに耐えつつ、その時を待ちました。
当時の記録では、「肛門正面に見て右側」が腫れており、大きさ的には「単三乾電池をつまむような大きさ」と記されています。混乱していますね。
排便の際は、ウエットのおしりふき(もちろんノンアル!刺激が怖い)でやさしくふきます。腫れているから肛門まで手が届きづらいのです。
なかなか寝られないので、受診までの間に、自身の症状について調べていました。
ヒットしたのは表題にもある通り「肛門周囲膿瘍」が一番近かったので、これだろうとあたりをつけ、さらに調べ上げました。
、、、調べなきゃよかった。
先代のブロガーさんたちが、こぞって「人生で一番痛かった」などいわれているのです。よけいに鬱になります。
ここで肛門周囲膿瘍について少し説明をしたいと思います。調べてみるといろいろなサイトが上がるのですが、「日本大腸肛門病学会」というところのサイトが一番原典っぽいなあと思ったので、そこから引用したいと思います。
<説明>
肛門周囲膿瘍は,肛門を少し入ったところにある小さな穴から細菌が入って肛門周囲が化膿するものです
<症状>
肛門周囲膿瘍は痛んだり,皮膚が赤く腫れたり,発熱したりします.痔瘻は炎症が治まっていれば痛くなく,しこりを触れたり,分泌物が出たり,かゆみなどが症状です.痔瘻が再び化膿して肛門周囲膿瘍になり痛むこともあります.
<診断>
浅いところの肛門周囲膿瘍は,目で見て発赤や腫脹を確認し,指で触って膨らみや痛みを知ることによって診断できます.深いところにあると,目で見てもわからないことが多く指で触って診断しますが,慣れない医師はしばしば見逃してしまいます.CT検査や超音波検査で診断がつく場合もあります.肛門が痛くて発熱のある場合には,専門施設の受診をお勧めします.
<予防・治療>
肛門周囲膿瘍は肛門の中の小さな穴から細菌が入って肛門周囲が化膿するものなので,下痢しないようにすることが予防にはなりますが,実際にはなかなか難しいものです.
肛門周囲膿瘍の治療の原則は切開・排膿です.診断がつけば,基礎疾患,抗血栓薬の使用の有無にかかわらず,速やかに切開・排膿を行います.膿瘍が浅いところにあれば局所麻酔下で切開しますが,深いものは腰椎麻酔下などで行います.皮下に広範囲に広がったものや全身的な合併症をもつ場合,切開だけでは症状の改善が長引くと予想される場合には抗菌薬を投与します.
上記の引用はこのサイトから。
切開の写真とかも載っているので、苦手な方は見ないほうが良いと思います。ゆっくりスクロールして画像が見えたら即ブラウザバックすればよいかと。
一番最初の画像は参考になるものだったので、それだけ見て自身の症状と比べるのは良い案かもしれません。
ちなみに我慢し続けると、いずれは膿が皮膚を突き破り、自然放出されるそうです。これはけっこう「いつの間にか」という方が多かったように思います。それまでがひどく痛むんですね。
、、、ということで引用終わりです。
切開して排膿。ひどい響きです。局所麻酔がしっかり効いてくれることを祈ります。
そうしてるうちに午後になり、受診へと出発しました。
行ったところは大きな病院で、肛門・大腸系に特化したところみたいです。
待合室では座れなかったので相談したところ、別室のベッドを貸してくれるとのことでした。ありがたや。
いやだなあ、いやだなあ、いたいなあ、いやだなあ、いたいなあ、とモンモンしながら診察に呼ばれるのを待ちました。
さて、いざ呼ばれて診てもらったところ、肛門科おなじみの触診です。
いたいいたい。
案の定、肛門周囲膿瘍でした。
「切開してね、膿を出しますよ、痛いですよー」
ありがたい、お医者様のお言葉。やっぱりか、とうなだれます。
しかし、この時点でお尻も痛いんで、早く何とかしてほしい、もう腹を決めるしかないと承諾。
麻酔をするので、いろいろ承諾がいるとのことで、母に代理でやってもらいました。というかあまり覚えていないのですが。
ここからの記載はあまり思い出したくないし、恐怖をあおってしまうこと間違いないのであまり書きたくないのですが、体験を読んで覚悟が決まるパターンもあると思います。なので、いやな方はここで読むのをやめてください。
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なるべくマイルドに書いていこうと思います。
何事も過ぎ去れば笑い話!良い経験!
さて、準備ができたようで、手術室へ患者を運ぶやつでおなじみのストレッチャーで手術室へ移動します。
緊張がトップギア!
よくドラマであるような手術室へ連れていかれました。
記憶では看護師の女性が2人、お医者さんのおじさんが1人だったような気がします。
不安な私に対して、向こうは慣れた雰囲気でした。
うつぶせに手術台に乗せられ、局所麻酔を患部へ打たれます。
思わずうめき声。患部に注射、しかたないとはいえひどい。
看護師二人の手がやさしく背中に乗せられます。
※動かないように、、、
針が刺さる痛みはもちろん、麻酔が入る感覚もあります。
いたい、あつい、いたい、いたい。
その後は、お待ちかねの切開です。
過去の経験者は「麻酔効いてるのか」「切られる感触がある」という恐怖の体験談もあっただけに、泣きそうになりながら歯を食いしばります。
しかし、幸いにも切られる感覚はありませんでした。
「やったー、いたくない!」
「先代ブロガーさんはへたくそな医者にあたったんだ」
「今の時代に患者が痛がるような処置、よっぽどじゃないとせんよな」
次に来る地獄の時間までの間、瞬間的に思ったのはこんな感じだったと思います。
想定が外れ、大変残念です。
「うっぐー、あああああ!」
排膿の時間がやってまいりました。
うつぶせなのでなにをやっているのかわかりませんが、お尻を思いっきり圧迫されています。とても痛い、馬鹿か。
「いっ~、ああー!!ううー、、」
痛いです、ということさえできません。ひどい。
排膿は数分のことなんでしょうが、「いつ終わるんだ」ということばかり考えてました。ちなみにかかった時間は聞いていないのでわかりません。聞ける精神状態ではない。
「はいー、でてるよー」
「まだでるなー」
「もう少しだからねー」
お医者さんの声が聞こえる。
「あとちょっとだよー」
「管いれるからねー」
くだ?と思ったと同時に、なにか刺さるような感覚。
ここにきて追い打ちか。もちろん痛い。
こんなに叫んだのは、人生で初めてです。
もろもろふっとばしたい衝動にかられますが、背中に手をのせている看護師さんの力加減が絶妙で、思いやりが伝わってくるような、、、励ますように「あとすこしですから」とやさしく言ってくださるのは精神的に助かりました。迷惑をかけないように頑張る。
ようやく処置が終わり、しばらく放心状態で手術台の上にいました。
汗と少しの涙で顔がびっしょりです。看護師がふいてくれました。好き。
名残はあるものの、痛みはほぼ引いて、手術室からでるころにはあおむけで寝ながらストレッチャーで退出。久方ぶりのあおむけ寝は気持ちがよいものです。
その後は、抗生剤と痛み止めをもらい、処置の説明を受けました。
管(「ドレーン」というそうです)が刺さっているのは、お尻の中に膿がたまらないようにするためです。
一週間後くらい、もしくはなにかあればまた通院とのこと。
よたよた歩きながら帰りました。
手術中などいろいろ思うところはあったのですが、それよりもなによりも昨日までの痛みがだいぶ引いており、お医者さんには感謝しかありません。
続く