日本のSNSでは

アカデミー賞の席で奥さんを侮辱されたので

相手を殴ったウィル・スミスを称賛する声が多い

 

果たしてそうだろうか?

私も常々、法律やマナーを破ってでも

守らなければいけないプライドや愛のようなものはあると思っている側だ

どちらかと言えば殴りたい人間なのだ(笑)

だから、いい人ぶって暴力をせめるつもりはない

 

しかし、なんか違和感がある

だってウィル・スミスはその奥さんを取り上げたブラックジョークに

ニコニコ笑っていたじゃないか

ただ、自分の奥さんの哀しい顔を見て相手を殴りに行った

 

それって、ちょっとおかしくねぇ

 

まず、動画を見てください

 

この様子に引っ掛かったから色々詳しく調べてみたのね

ウィル・スミスの奥さんは病気で頭を丸坊主にしていて

GIジェーンっていう映画の中の海兵隊の女性に喩えて

ブラックジョークのネタにされたわけなのね

いくらジョークとはいえ

病気をネタにされた奥さんが哀しい気持ちになるのは分かる

でも奥さんからしたら、

他人が自分を傷つけたことより

夫がそれを笑っていたことの方がショックだよね

 

ウィル・スミスよ

そのジョークで笑ったんだったら、

相手を殴りに行く前に、まずお前が奥さんに謝れ

 

 

それから、私はこのコメディアンの悲しそうな顔と

何とか場の空気を悪くさせないようにする態度のほうが素敵に見えた

それで、この心無いジョークが本当に殴られるのに値するものなのか

自分だけの見解じゃなく、ブラックジョークはどこまでが許されるのか

そういうことも含めて調べてみたんです

アカデミー賞の時に行われるブラックジョークって

セレブジョークって呼ばれているらしい

セレブの間で誰がアルコール依存だとか、

マリファナで頭が変だとかバンバン出てくる

毎年の恒例行事みたいでみんなそれで笑っている

考えてみればアルコール依存や薬物依存だって病気だよね

それに苦しんでいる人もいっぱいいる

そう言う人の気持ちを無視して笑い飛ばすからブラックなんだよね

ウィル・スミスだって毎年笑ってたはず

だから今回のコメディアンが特別酷い発言をしたとは思えない

よく人を傷つける笑いはダメみたいに言われるけれど

私はブラックジョークって、ゴシップ記事のようなものだと思う

ゴシップ記事ってさぁ

こういうのよくないよなぁって思いながら、でも読んでしまうでしょう

ブラックジョークのような毒のある笑いも、案外みんな好きなんですよね

少なくとも、笑ってしまった人が批判をするもんじゃないと思うよ

 

 

 

 

 

今回、暴力をふるう行為をしてまで奥さんの名誉を守ったウィル・スミスは

かっこいい夫に映ったかもしれないが、

相手に立ち向かう前に、

悲しんでいる奥さんには寄り添えなかったことのほうが問題だ

悲しんでる人を置き去りにして

かっこいい正義の主人公を演じていたに過ぎない

何故、奥さんと目を合わせて、『大丈夫か』と一言言えないの?

 

こういう場面を見る度に思うんですよね

愛は映画のようにかっこいいもんじゃない

弱くてすぐに消えてなくなるもんだからこそ

お互いが労わり合っている姿に感動するんだってね

愛には妬みや嫉妬や裏切りやそんなものがいっぱい含まれている

決して皆さんが思っているような純粋さはそこにはない

とてもドロドロした人間らしい形の醜さを持っている

人間の存在がそうであるように

愛の形はカッコよくはないが、労わり合う事で美しくは成れるのである

 

ウィル・スミスにそういう姿が少しも見れなかったことが残念だった

 

私はこういう場面を見て、

暴力はいけないという人も嫌いだが

ウィル・スミスをカッコいいと言う人も嫌いだ