『美しい国へ』(評価★★★☆☆) | 遠近法で描く中国 -2nd Season-

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

著者:安倍晋三
出版:文芸春秋社 / 2006年7月 / 新書
ジャンル:政治

著者は第九十代内閣総理大臣の安倍晋三氏。
ご存じの方は多いと思いますが、この作品は首相就任直前に出された半自伝的な一冊。

<目次>

はじめに
第一章 わたしの原点
第二章 自立する国家
第三章 ナショナリズムとはなにか
第四章 日米同盟の構図
第五章 日本とアジアそして中国
第六章 少子国家の未来
第七章 教育の再生
おわりに

気になった箇所のご紹介です。

「歴史を単純に善悪の二元論でかたづけることができるのか。」(25頁)

「この国に生まれ育ったのだから、わたしは、この国に自信をもって生きていきたい。そのためには、先輩たちが真剣に生きてきた時代に思いを馳せる必要があるのではないか。その時代に生きた国民の視点で、虚心に歴史を見つめ直してみる。」(26頁)

「企業の駐在員をはじめ、海外で活動している日本人はたくさんいる。犯罪者やテロリストに対して、「日本人に手をかけると日本国家が黙っていない」という姿勢を国家がみせることが、海外における日本人の経済活動を守ることにつながるのである。」(52頁)
→日本の報道の在り方にも問題があるのだろうが、一般的に日本人は海外において必死で生きている同胞=日本人に対して冷たく、情けがない。これは経験から感じたこと。色々あるが、私が安倍氏を支持する理由は、おそらくこの部分に対する、氏の考え方に拠る。

「外交というのは、まずメッセージが先になければならない。交渉はその先の問題である。出すべきメッセージを出さなければ、そもそも交渉にならない。制裁するかもしれないと思わせることによって、困った相手は、はじめてテーブルにつくのである。最初から制裁の可能性を否定してしまったら、せっかくのカードを失い、向こうのペースで交渉するしかなくなるのである。」(58頁)

「国民がパスポートを持つことによって国家の保護を受けられるということは、裏を返せば、個々人にも、応分の義務が生じるということである。」(64頁)

「一つを選択すれば、他を捨てることになる。なにかに帰属するということは、そのように選択を迫られ、決断をくだすことのくりかえしである。」(93頁)

「わたしたちは、いま自由で平和な国に暮らしている。しかしこの自由や民主主義をわたしたちの手で守らなければならない。そして、わたしたちの大切な価値や理想を守ることは、郷土を守ることであり、それはまた、愛しい家族を守ることでもあるのだ。」(108頁)

「アメリカのいいなりにならずに、日本はもっと言いたいことをいえ、という人がいるが、日米同盟における双務性を高めてこそ、基地問題を含めて、わたしたちの発言力は格段に増すのである。」(133頁)

「たとえ国と国で摩擦が起きようと、相手の国の人たちには、変わることなく親切に、誠実に接する。それこそが日本人のあるべき態度だし、わたしたちが目指そうとしている国のありかたに重なる。」(155頁)

「教育の目的は、志ある国民を育て、品格ある国家をつくることだ。そして教育の再興は国家の任である。」(207頁)
→教育基本法の改正は、2006年安倍内閣で実現しました。

個人的には、安倍氏の内閣総理大臣再登板を支持したいのですが、氏が総理を辞職した際の健康問題から判断すると、再度その激務に耐え続けるのは無理ではないかと思っています。


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