『晴れ、ときどきサバンナ』(評価★★★★☆) | 遠近法で描く中国 -2nd Season-

遠近法で描く中国 -2nd Season-

片手にピストル 心に花束 唇に火の酒 背中に人生を。 

副題:私のアフリカ一人歩き
著者:滝田明日香
発行:幻冬舎 / 平成19年2月 / 文庫本
ジャンル:アフリカ、世界再発見

現在ケニアのマサイ・マラ保護区で獣医として働いている滝田氏の、アフリカと出逢い成長する道程を記した半生記です。
日本を離れて暮らす著者だから感じること、書ける言葉たちが溢れています。

[目次]

プロローグ

第1章 ケニアで大学生
第2章 地平線を見下ろす職場
第3章 再びアフリカへ
第4章 凍えるレソトから灼熱のザンビアへ

あとがき
文庫版あとがき


共感した箇所のご紹介です。
「アフリカだけに限らず、国立公園や保護区の周りに住む人達は、野生動物を害獣視している人が多い。アメリカのグリズリーベアー問題もその例の一つだ。人間と野生動物の争いが絶えないのは、野生動物が自分達に利益をもたらさない上に、畑の穀物を荒らしたり人間に危害をくわえたりと、害しか被らないからである。」(49頁)

「自然を守るのは、何も動物学者にならなくてもできる。いろいろな職業を通して、様々な人が自然を守ろうとしているのだ。野生動物のカメラマン、ホテル業、メディア、アーティスト、観光業者・・・、いろいろである。どんな職業でも、自分に自然を思いやろうとする心があれば、何らかの形で、「自然保護」を呼びかけることができるのではないか。自分の視野が広がり、物事を今までとは違った角度から見られるようになった時、私は将来の選択肢が増えたことに気がついた。」(51頁)

「すべての物事の中心が牛であるため、牛を持っていないの恥ずかしいことで、結婚することさえもできない。マサイのスタッフなどは、自分の牛が病気になったなどと聞くと、仕事も手につかず休暇を取って家に帰ってしまう。」(69頁)

「より良い写真を撮るために茂みに入れとドライバーに頼む人、カメラの前に生える木を車から降りて踏み倒してまでいい写真を撮ろうとする人、いろんな人に出会った。胸が押しつぶされそうな複雑な気分になる。別に私は過激な自然保護主義者ではない。ある程度の行いは、大目に見てもいいと思っている。しかし、それはあくまでもその土地に住む人達に対してのことであり、ビジターに対してではない。家を建てるために木を切ったり、木を焼いて木炭を作ったりするのは、毎日のようにマサイ・マラ周辺で行われている行為だ。けれども、これは現地の人が自分の国で生きていく上で必要なことで、決して趣味や自己満足が目的ではない。他の国の人が他人に国に来てこのようなことをするのは、どう考えてもおかしいのではないだろうか。観光客が一人一人、自分達の行動が地域の人や動物にどんな影響を与えるかを考え、その上でどのような観光をしたら良いかを考え直すことが、真のエコツーリズムへの第一歩だと私は思う。」(87-88頁)

「マサイ・マラの景色を見て、動物や鳥を見て、人と交流する。人との交流での大きなステップは、現地の食べ物を食べるということだろう。食は文化であり、歴史でもある。人は、食を通して文化を知ることができる。」(95頁)

「「アフリカの水を飲んだものはアフリカに帰る」これは、アフリカから帰ってきた人がよく口にする言葉だ。」(119頁)

「ヨハネスブルクは、世界で一番犯罪の多い国である。アフリカーナは、この街では危ないからとあまり街に出ないし、夜も出歩く人はいない。けれども、私が思うに彼らはただ単に黒人の人達の文化を理解する努力を怠って、「危ない場所」などと決めつけ、近寄らないだけではないだろうか。」(193頁)

「人間、やはり一人では生きていけないのだろう。たった一人で生きていける人もいるが、大半の人は、家族がいて、友達がいて、そこでやっと自分の道に向かう梯子を上り始めることができるのではないかと思う。」(221頁)


アフリカについて、これまで何も知る機会も、調べることもありませんでした。
その環境問題にあれこれ言える知識は持ち合わせていません。
けれど、自分が体験してきた、ダイビングの観点から、共感する箇所が多々あることに気づきました。
ぼく自身は、カメラを持って海に入ったことはありません。
ファインダー越しで見る世界より、自分の目で、体で、耳で体感できることを大事にしたい、それだけの理由です。
海の中で束の間、同じ場所、同じ時間をそこで他の生物と過ごす、こんな体験は、なかなかできることではありません。
著者が自分の肌で感じたアフリカは、彼女の人生を大きく変えました。
誰しも人生を送る、同じ権利を持っています。
どこで何を見て感じるか、それは皆自由です。
彼女の勇気を真似できる自信はありませんが、とても素敵だなと感じました。

晴れ、ときどきサバンナ―私のアフリカ一人歩き (幻冬舎文庫)/滝田 明日香

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