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月面風景

月に5冊×12ヶ月=60冊を目指しての読書記録。

しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)/香山 リカ

2009年度売り上げベストテンに入っていた話題の本。

①恋愛にすべてを捧げない   ②自慢・自己PRをしない

③すぐに白黒つけない      ④老・病・死で落ち込まない

⑤すぐに水に流さない       ⑥仕事に夢を求めない

⑦子どもにしがみつかない    ⑧お金にしがみつかない

⑨生まれた意味を問わない ⑩〈勝間和代〉を目指さない


なぜ売れているのか。――不況で頑張っているけど成果が出なくて、

みんな「無理しないでいいよ」と誰かに言ってもらいたいんだろうなぁと思った。


昔、精神科医でいらっしゃる香山リカ先生の「恋愛依存度チェック」という

心理テストをやったことがあって、“恋愛依存度低めレベル”と診断されたことを

思い出した。「とても合理精神が発達していて、ムダな努力はしない」って(笑)


そんなわけであまり新たな発見はなかったけれど、少し興味深かったのは

「③すぐに白黒つけない」で具体例として挙げていた、イラク人質テロバッシング。

私も当初、「精神は崇高でも、周りに迷惑かけてまで何がボランティアかね」なんて、

世論に付和雷同して思っていた。でも、確かに個人化が進む中で

安心・安全を求めない他人の生き方を否定するような風潮に乗っていたかも。

「自己責任」は大人だけでいいのに、それを子供が知ったかぶって話すのは世知辛い。


もちろん「しがみつかない」基本姿勢は大事だ。

でも、まだ20代・30代のうちは、時には恋愛にすべてを捧げたり

自慢したり勝手に断定したり、仕事に夢を求めたり生まれた意味を感じたりして、

試行錯誤してみるのがいいんじゃないかと思う。

そのジタバタした末の境地を、私の2倍生きている香山先生は

説いているんじゃないかと思った。

中国の老荘思想みたいな、「無為自然」の境地に達しているというか。

最近流行りの “草食男子” は、このルールを実践しすぎなんじゃないか。

美術館でセザンヌを見ると、親しいおじさんに会ったように

「久しぶり」と思ってしまうのは、確実にこの本の影響だと思う。

情緒不安定で自由な3人のトライアングルが奏でるメロディに

酔ってしまった思春期の私は、真面目に働く(?)大人になった今でも

薄氷を踏むようなラストシーンにやっぱり泣きそうになるのだった。

そしてここから始まった“作家にハマる”という癖。
人や文体を愛するのも良いけれど、食わず嫌いを克服したい!
現代の女性作家や古典にこだわらず、幅広い読書をしていきたい!
ということで、今までノートや日記帳につけていた記録を、ブログ上に。
日ごろ仕事に追われて(と自分に言い訳をして)仕事直結の本以外に
自由に本を読めないことも多いのだけれど、今年は社会人4年目に入ることだし
流されていくような、慌ただしい毎日をふり返る時間を持ちたいと思った。

でも、『ジュリー&ジュリア』という映画に影響を受けたのは間違いない。
この映画の中で主人公ジュリー(エイミー・アダムス)がブログを始める時の台詞に
「やるからには期限が必要よ。私は何をやっても中途半端だもの」
ってのがあって、めちゃめちゃ共感したので(笑)5冊×12=60冊を1年間に。
箱根駅伝みたいに、未来の自分に襷をつないでいけますように。