教室を観るのはこれで3回目。
こんなときにしかすわれない南座の2階最前列に、いざ!
と思いつつ、去年前列で観た吉弥さんがうっとりするきれいさだったので、
今年も前へ♪ いや、しかし。
今年はなんといっても吉太朗くんにやられました~。



公演名    「第十八回 南座歌舞伎鑑賞教室」11時の部
劇場     京都南座
観劇日    2010年2月14日(日)
座席     自由席(1階5列)


一、解説 南座と歌舞伎

最初は九雀さんの解説。
冒頭で何に扮するのかを楽しみにしてたのですが、花道から登場したのは
いやん、助六。
年末に同じ花道に登場した仁左さまの残像がまだ頭にあったので・・・
九雀さんには申し訳ないけど・・・フクザツな気持ち(笑)。
花道で役者さんは20分ぐらいこういうことをされるんですが、わたしは3分
でヘトヘトですわ、などと笑いをとっておられた。

観客から募っての記念撮影、今回は揚巻の衣装だった。
最後に、南座の大小すべてのセリを動かしながら回り舞台を回すという、
楽しい仕掛けを見せてもらった。(去年に引きつづき。)


二、国訛嫩笈摺(くになまりふたばのおいずる) どんどろ大師の場

十郎兵衛女房お弓:上村吉弥   巡礼 お鶴:上村吉太朗
茶屋娘 お花:上村純弥 
尼 妙天:片岡和之助      尼 妙珍:片岡比奈三
後見:片岡當次郎

通称、「どんどろ」と呼ばれている演目だそうで、ごぞんじ人形浄瑠璃の
「傾城阿波の鳴門」をもとにしたお話。
私としては淡路人形浄瑠璃館や阿波十郎兵衛屋敷で、人形浄瑠璃では観た
ことあるけれど、歌舞伎では全く初めて。

花道から登場したのは尼さんの二人連れ♪ 妙天と妙珍。
和之助さんと比奈三さんの会話は味があって、自然と笑ってしまう。
ふつうなら哀しいだけのお話。
歌舞伎ではこういう役どころが入ることを初めて知った。
次に花道から吉弥さんが登場すると、きれいねえ~♪という声が周囲から
聴こえてきた。
町人だけど、どことなく武家の匂いを漂わせた女性、お弓。

巡礼でやってきたお鶴ちゃん。
はじめは涼しそうな顔をして茶店の縁台で休んでいたお弓だけど、妙天と
妙珍が身の上話を聞き出すうちに、ハッと表情が変わり、その娘のことが
気になって気になって・・・と変化するくだりがいい。

妙天と妙珍の会話では、ずっと聴こえているのは長唄。
とてもリラックスできる音楽だ。
お弓とお鶴の二人のシーンになってからは愛太夫さんの浄瑠璃が入ってき
て、がぜん丸本歌舞伎らしい匂いになる。
この切り替わりがいいなぁ~。
台詞と浄瑠璃、乗り地。観ていて、つい力が入る。

それにしても、吉太朗くん。
なに、このうまさ! このけなげさ♪
鈴のころがるような声が、語尾に近づくにしたがい、震え、かすれてゆく
ところ、もううますぎ。
最後に花道で言う台詞。声を聞いただけで泣ける!
まるで本当の母様のよう。ずっとおぞばに置いてください、とか。
一人ではどこにも泊めてもらえず山に寝たり、野に寝たり、とか。
名乗れない辛さ、わが娘愛おしさに身悶えするお弓の様子に、くぅ~!
泣ける。

だからこそ、二人の尼さんを狂言まわし的にうまく絡ませ、笑わせてくれ
る歌舞伎独特の演出には救われた。
人力の車で帰るので、エコ。「ほな、エコカ(行こか)」に拍手~♪
純弥さんは今回は茶屋の娘、お茶を切らして取りに帰ったまま、再登場は
なかったわ(笑)。

お鶴を去なせたことが気がかりで、やっぱり追いかけてゆくお弓さん。
こんどこそ、わが娘の髪を梳いてやろうとそっと胸にしのばせる櫛。
登場した時には「女」だった顔が、花道を引っ込むときには、すっかり
「母」になっている。
はぁ~。いっぱい泣かせてもらいました。