ミリオンダラー・ベイビー
★ミリオンダラー・ベイビー(5月28日公開)
本年度アカデミー賞受賞作品
「自分を守れ」が信条の老トレーナー、フランキーは、23年来の付き合いとなる雑用係のスクラップと、昔ながらのジム、ヒット・ピットでボクサーを育成している。
有望株のウィリーは、教え子を大事に思う余りタイトル戦を先延ばしにするフランキーにしびれを切らし、別のマネージャーの下へと去ってゆく。
そんな折、フランキーの前に現れた女性ボクサー、マギー。
マギーはフランキーの指導を乞うが、昔気質のフランキーは女のボクサーを認めようとしない。
だが連日ジムに通い詰めるマギーの一本気さに、やがてフランキーの心も揺り動かされ始めるのだった・・・。
(goo映画)
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映画の伝道師クリント・イーストウッド。
御年74歳の最新作は、キャリアの晩期にある老トレーナーが、女ボクサーとの絆を得て、人生の贖罪を遂げてゆく姿を描いたヒューマンドラマ。
本年度アカデミー賞主要4部門に輝き、彼の最高傑作との呼び声もあるが、昨今の娯楽映画を見慣れた観客に、はたしてその真価が伝わるだろうか。物語そのものは目新しくも饒舌でもない。
低予算で撮られた映像も派手さとは無縁、むしろ暗くて見づらいほどだ。
実はそうした抑制にこそ、イーストウッドという作家の矜持と哲学が潜んでいる。
たとえば日溜まりよりも暗がりに宿る真実があるかも知れない。
人生は映画ほど愉快じゃないし、人は必ずしも哀しいから涙を流すものでもない。
そんな視点から今作を観るとき、この老雄の冷徹なまでの慈愛がスクリーンを通して押し寄せる。主演3名のアンサンブルも素晴らしい。
これは、じっくり観たい映画ですね。
モーガン・フリーマンの渋い演技も光ります。
クリント・イーストウッド監督、主演の渾身の一作です。

