2021.11.4 Thu 19:00~  東京ガーデンシアター

 

<セットリスト>

SE:Pedro ect...

 

01.I Will Come(before new down)

02.(I wanna be your)Girlfriend

03.Everything With You

04.Mercy Me

05.かくれんぼ

06.Don’t Think Twice

07.Turn Me On

08.Alone in Lonely

09.In The Air. In The Error

10.In My Hurts again

11.うつして

12.Maybe Understood

*ここまでの新曲は全て仮タイトル

 

En-1

13.希望

14.神のカルマ

15.Sonic Disorder

 

En-2

16.水色の風

17.ソドシラソ

18.天才

19.真空

 

En-3

20.落堕

 

 

確認してみると、私がシロップのライブを生で観たのは2019年11月8,9日、

TOUR"SCAM:SPAM"の実質オーラス仙台darwin 2daysが最後。

それ以来だから丁度2年ぶりのシロップ有観客ライブだった。

その間、2020年2月28,29日の”SCAM:SPAM:SCUM”公演(新木場STUDIO COAST)

2daysのニコ生配信と今年の”SCAM:SPAM:SCUM:SLUM”公演4days

(USEN STUDIO COAST)のうち2公演をstreaming+配信で観ることができて

それもとても良かったので正直シロップをずっと見ていないという感覚も

そこまで深刻なものではなかった気もしていた。

 

それは昨年3月以降、100年に一度と言われるコロナウィルスによるパンデミックが

起こってしまい生活の全てが今まで通りにはいかなくなった事なしには語れない。

バンドマンたちはライブが出来なくなった。

私たちは家に美しく留まる(stay beautiful(笑))しか術がなかった。

それでも今年、

「皆さんしか友達がいないので」とか「ぷっしろ応援団」とかの言葉に喜びつつ

忍耐強いシロップファンは待ち続けた。

 

そんな中、UKプロジェクトの遠藤さんとPOLYSICSのベーシストフミちゃんが

UKPラジオを始めてくれた。3月15日がシロップ回で五十嵐と大樹ちゃんが出演。

その中で大樹ちゃんが「今はとにかくがっちゃんとスタジオに入りたい」と言い

五十嵐は「ライブHELL-SEEがやりたい」と話してくれた。

そして6月1日の五十嵐誕生日は何の変化もなかったけれど、月が替わって7月1日

UKPからシロップの新曲10曲披露ワンマンの告知。

多くのファンが喜びと共に「え?」となった。新曲だけのワンマンは04年以来らしい。

日にちは11月4日。

ライブで大樹ちゃんが3月からがっちゃんとスタジオに入り始めたと言っていたので

ラジオ収録後コツコツと書き溜めて大樹ちゃんや時にはキタダさんも交えて曲を作ってたんだね。

 

時勢は運よくコロナ第5波が収束に向かい一番いい時期にライブが迎えられた事は

本当に嬉しく思う。

 

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私は前日もう一本ライブに行く事になっていたので11月3日に東京へ。

2020年2月以来約1年9か月ぶり。

国際展示場駅で電車を降りてからガーデンシアターに繋がる道が複雑だったが無事に

会場到着。様々なショップやホテルなどが一か所に集まったとても素敵な空間の一角に

会場はあった。

 

到着すると入口までシロップのソーシャルディスタンスアー写と20210 extendead

を組み合わせた画像が等間隔に並んだモニターに映し出されて壮観だった。

16時から物販販売開始だったがその時すでにけっこうな数のお客さんが並んでいたので

私たちも迷わずに先に物販を購入する事にした。

これが良くてもしあと30分後だったら目当てのレゲマスTが買えなかったかも。

本当にシロップファンは熱いなぁ。

 

指定席だったので18時半くらいに会場に入った。友人のBブロックのチケットが1枚あったので

バルコニー席だった私はそのチケットを譲ってもらえて比較的ステージの近くに座る事ができた。

見回すと本当に立派なホールでイスもパイプ椅子とは違い背もたれも座る部分も柔らかくてとても座りやすかった。素晴らしい!!

会場で流れていたSEはPedro(イギリスのエレクトロポップバンド)の曲がメインで。

ステージを見やるとキタダさんのベースが2本とアンペグのベースアンプ。

ベースのうち青ベースは大樹ちゃんが宇宙まおちゃんのツアーで長野に行った時に

購入したものらしい。大樹ちゃんのドラムは透明なブルーが美しいビスタライトではなくて

青だいこだった。

五十嵐の位置にはお馴染みのBADCATのアンプが1台とエレキギター2本。

スタッフさんがそのうちの1本の音出しを始めたので見てたら今まで出てきたことのない

ギターが。調べてみたらカジノ+ビグスビーという所謂アームの役目を果たすものが装着されたギターだった。

五十嵐はまた新しいギターを買ったんだね(笑)

あとはレゲエマスターとアコギは12弦とハミングバード。

ライブでエレキギターを2本だけというのも最近のライブの中では珍しいなと思った。

 

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場内アナウンスが開演前に流れた。

「本編は全て未発表曲です。ぜひ座ってご鑑賞下さい。アンコールは立ってご鑑賞頂く

事を推奨致します」

ロックバンドのライブでこんなアナウンス初めて聞いた(笑)

が、シロップらしい超変態天邪鬼ぶりにニヤニヤした。

19時の開演時間から数分、メンバーが出て来る。

五十嵐はスーパーマンが飛ぶような恰好をして駆け足で自分の場所へw

そこから新曲を続けて5曲。

アコギの多用も目立ち美しいメロディーが印象に残るシンプルかつメジャーな曲が並ぶ。

最初からドラムの音がとてもよく会場内に響いて伝わってきたのだが、五十嵐の歌う歌詞が殆ど聞き取れない。

元々、五十嵐の発音は良くはないけれども知ってる曲なら歌詞は解ってるから無問題

だが、新曲で歌詞が聞き取りずらかったのは残念だった。

あと、キタダさんのベースの音量ももっと上げても良かったかも。

 

10曲と言いながら結局12曲を作ってきた五十嵐。

MCで

 

「新曲を10曲だったけれど10曲って制限があるとやりたくなくなっちゃうので12曲作りました。

それでextendead(拡張)という事です」

 

と言っていた。

それと5曲目後のMCで、大樹ちゃんがドラムセットに座ったまま大きく手を振って

 

「よく来たね~~~!!」

 

を2回言ってくれたのがとても嬉しかった。

様々な困難を乗り越えてやっと来たから余計にね。

 

新曲12曲の中では8曲目の「Alone in Lonely」の

 

悲しいことがあっても話しかけないでね

嬉しいことがあっても話しかけないでね

 

の歌詞メロがとても印象に残っている。

この曲は天才ソングライター五十嵐の才能が健在な事の証明だと思った。

11曲目「うつして」 12曲目「Maybe Understood」の2曲が本来のシロップ曲を昇華させた感じでとてもいい曲だなと思った。

ただ新曲群はまだアレンジが完成形ではないようで、ここにギターソロやベースの細やかなアレンジを練り込んでいく作業があるのかもしれない。

 

シロップのライブで大事なポイント。

五十嵐の黄金の左足は2曲目か3曲目で100°くらいには上がっていたのを目撃。

後は控えめに上がってたかな。

シロップ初期はもっとどんどん上がっていたはずだからこれは年齢に関係してる?笑

それと新曲はアコギ曲が多かった訳だけど何かいつもと違うなと思ったら

五十嵐がアコギのストラップを忘れたらしい。ライブで必ず何かあるがっちゃん、again~~!!

だから椅子に座ってる率が高かった訳か。

 

新曲制作については大樹ちゃん曰く

 

「がっちゃんからスタジオに来いやし~~!」

 

との連絡があって呼ばれたらしい。

でも五十嵐は

 

そんなこと言ってねぇ~~(笑)

 

って言ってましたが(笑)

 

この日は会場のあちこちにカメラさんがいてクレーンを使っての録画撮りも行われていた。

そしてこれも後から知ったのだが、いつもは五十嵐だけがLAD MUSICIANの洋服を着ていたが今回は大樹ちゃんやキタダさんも着用してたそう。

これは多分この日のライブが映像商品化するためだろう。

 

さて、新曲12曲を終え、いったん掃けたメンバー。

アンコールの手拍子の中またもやアナウンスで

「アンコールは立ってお楽しみください」が。

お客さんは一向に立つ気配がない。

実はけっこうステージ前のお客さんもアンコールで座ったままの方が何人もいた。

イスが心地よくて立ちたくなかったかな(笑)

しばらくしてメンバーが出て来る。

五十嵐と大樹ちゃんは没徒T、キタダさんはロンT。

記憶が薄いのだけどこの時キタダさんは長髪を結わえていたんだよね。

 

この時のMCかな、五十嵐が

 

「昨日、明日休んじゃおうかなとか思ったけど、皆さん払い戻しにならなくて良かったですね」

とか

 

「余り外界に出ないので毎日生きてない感じがして。よくbotってあるでしょ?あの中の人がいないのに

自動で流れてくるヤツ そんな感じがして」

 

と言うことで没徒Tシャツができたそう。

 

こうやっていつもダメな自分もすべてさらけ出してしまう五十嵐。

自虐キャラだけど不思議とイヤな気持ちには全くならないのは、五十嵐は私たちと同じだからなんだと思う。

ダメダメだったり、弱気が過ぎたり、コミュ障だったり。欠点なんかない人間なんていない筈なのに

世間の人は弱みなんか見せない。

あえて隠して逆に強く見せようとさえする。

五十嵐はそんな愚かな抵抗をしない。

彼の作る曲も全く同じ。

だから共感も深いんだと思う。

本当は凄い才能なのに天才とは一切思っていない。

それがシロップの最大の魅力。

スーパースターなんて求めてない。

隣に一緒に存在する優しい人がいるだけで

人間て未来に光を見つけられる。

シロップの曲はそんな曲だから。

 

アンコールではアコギで始まる希望から。

アコギの音色も声も素晴らしかった。

希望で始まるアンコールもいいね。

この日の五十嵐は良く声が出ていてピッチのズレも少なくとても安定していた。

そしてギターもがっつり弾けていた。

がっつり練習したんだろうな。本来五十嵐のギターは上手いんだよ。

とにかくセンスが抜群。

そしてマキリンベースからのドラムの入りとギターのコードの重なりがキレイな

お久しぶりの神のカルマ~sonic disorderの流れ。

もう何度聴いてもドキドキして黙ってなんかいられない。

全く気持ちに慣れっていうものがシロップに関しては、ない。不思議。

もうここら辺から凄く曲が走り始めていたらしいけど全然気にならなかった。

 

そして2回目のアンコール。

五十嵐が没徒Tの事で

 

            五十嵐「字が上手くなったよね」

            大樹「うまくなったね~」

            キタダ「・・・たいしてうまくないよ・・・止めとかハネとか・・・」

            大樹「でもほら今回は書き間違いとかしてないからね(笑)」

 

キタダさんらしい辛口に笑いが起きた。

ここから五十嵐が

 

「ウチの中畑くんが藤くんにイメチェンします」

 

と言ったので( ゚д゚)???としてたら

始まったのが「水色の風」

思わず感動で泣いた。

シロップファンの多くがバンプの藤がコーラスに参加するというのでシロップの水色の風を聴いたのがきっかけで

シロップを聴くようになったみたいだが、私もそれは全く同じ。

初めて生で聴けた嬉しさとチュートロの大好きなギターソロ、藤くんパートも含めた大樹ちゃんのコーラスの美しさに

心が震えた。出会ったあの頃から変わってないなぁシロップは。

 

そしてソドシラソへ。

この曲の頭で3人のアンサンブルがバラバラになりそうになってたかな。

でもそこから見事に持ち直してたのはさすが。

そしてさらに高速BPMでの天才ー真空はカッコよすぎて楽しすぎて幸福過ぎた。

天才のイントロのギターは攻撃的に弾きこなせており、フロアの刻むアクセントと絡み合う。

真空のイントロもしかり。

 

 

4曲ダブルアンコールでやってくれたけどトリプル期待して手拍子が最初はあったけどもすぐに客電がついて

BGMが流れたのでこれで終わりかと思い荷物に手を伸ばしたら、メンバー3人が大急ぎで出てきて客電つけたままで落堕が始まった。

大樹ちゃんの生「ロォックンロォ~ル!!!」はカッコよすぎて燃えたし萌えた。

「寝不足だって言ってんの」

をマスクに中で声に出さず呟いた。

次こそは声を出して言えますように。

心で願った。

その代わりに五十嵐が歌ってくれた。

 

こうしてsyrup16g「20210 extendead」

は終了。

あっという間だった。だけど生音は最高だった。

 

この日の五十嵐は終始楽しそうでとてもよく話してたね。

それは大きい箱で最前から距離があるからなのか。

それとも以前よりライブを楽しんでいるせいなのかわからないが

後者だったら嬉しいなと思う。

まだ不完全な新曲12曲を披露してくれたってことは

この先また新たなシロップの曲の世界を楽しめるってこと。

そしてライブHELL-SEE。

先があるよ。

未来に光がある。

シロップファンをやっていて本当に幸福なここ数年であることを実感した

いいライブだった。

 

シロップは過剰になりえない。

何時も少し足りない。

だから求める心も強くなる。

存在する事自体が奇跡だとわかっているから

ひとつひとつの動きがとてもとても大切で。

こんな形のバンドでそういないなと思う。

心の底から必要不可欠だと自分が叫んでいる。

とても愛すべき大切なバンドなのだ。

 

あれから4日が経った。

なかなかあの日の余韻から抜け出せそうにない。